ブラックフライデーを“売上10週”に定着させるための、CからはじめるPDCA

商業施設では、来期に向けた予算編成や販売計画の策定が本格化する時期に入っています。しかし、どれほど精緻な計画を積み上げても、業績改善の本質は変わりません。

売上構成比の高い「勝ち週(上位10週)」で、しっかり結果を取りきれるかどうか―

ここが店舗の年間成果を大きく左右します。
なかでも、近年存在感を増し、すでに多くの商業施設で年間売上上位10週のひとつに入り始めているのが「ブラックフライデー」です。

ブラックフライデーを単なるイベントで終わらせるのではなく、

翌年の売上を確実に積み上げる“勝ち週”に育てるには、事前計画と振り返りをセットにしたアクションプランづくりが不可欠です。

■勝ち週づくりの鍵は「アクションプラン」と「即時検証」
売上の高い週を勝つために必要なのは、数字だけではありません。
「何を・いつ・どれだけ・どう売るのか」という行動計画(アクションプラン)を具体化できているかどうかが、成果を分けます。
重要なのは、実施後に必ずCHECK=検証を行い、次の計画に反映する“癖”をつけることです。これは季節イベントでもまったく同じで、たとえばお盆が終わった直後に、
・在庫は適正だったか(何個あれば機会損失ゼロだったか)
・売場の場所は適切だったか(2か所展開ならどうだったか)
・告知の開始日は最適だったか
といった観点で、記憶が鮮明なうちに振り返ることが成果向上に直結します。さらに、当時の売場写真、POP、告知文、展開場所などを画像付きの「振り返りシート」として必ず残すこと。これが翌年の計画作りの“核”になります。

■ブラックフライデーで伸びている店舗の共通点
ブラックフライデーで好調な店舗には、次のような共通点があります。
・期間設定が長い
・事前告知が早い
・事前予約・取り置きがされている
・限定数・限定商品の企画がある
一方で、商業施設全体でブラックフライデー企画を行っても、業種によって成果にばらつきが出るのが現実です。だからこそ、個店ごとの検証と改善が必要になります。
そこで私たちが提案しているのが、「C(チェック)から始めるPDCA」。
まず“検証”を先に行い、その結果をもとに次年度のアクションプランを組み立てる。行動と改善を一体化することで、再現性のある「勝ち週づくり」が可能になります。

■振り返りシートの共有が“店長交代リスク”をなくす
この振り返りシートを、店舗・チェーン本部・デベロッパーの三者で共有しておくことには大きな意味があります。
売上10週を勝ち切るための“型”が文書化されることで、
店長が交代しても売場レベルを維持できる
新任店長でも前年の成功パターンを再現できる
本部とデベ間で同じ目線で計画が組める
というメリットが生まれ、安定的な店舗運営と計画達成が可能になります。

■まずはブラックフライデーの振り返りからはじめよう
ブラックフライデーは、すでに年間売上10週のひとつに成長しています。
だからこそ、今年の振り返りを「C」から着手し、来年の勝ち週づくりを今から始めることが重要です。
来年度の売上を左右するのは、今日つくる「振り返り」と「アクションプラン」。
店長が変わっても成果を再現できる店舗運営のために、ぜひ今年のブラックフライデーを材料に、CからはじめるPDCAをスタートしていただきたいと思います。

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