【コロナ化における覆面調査でわかったこと、その対応策とは?】

今年は、コロナによって覆面調査をとりやめる施設、チェーンも多かったのではないでしょうか?

一方、withコロナへの適切な対応をしていくために、
覆面調査を実施した施設、チェーンがありますが、これまでとは結果が大きく違っていたようです。

特に、第一印象評価の入店前、入店時、みだしなみと
接客スキル評価のファーストアプローチの点数が低くでる傾向にありました。

理由は大きく下記の2点になります。

①withコロナで店頭人員を削減している店舗が多い
(店内作業を優先し、店頭まで気が配れない)
②withコロナでお客様へのアプローチを遠慮している店舗が多い

施設インテナントは、コロナ関係なく、
インストアシェア(自店入店/施設客数)を上げていかなければ売上をつくっていくことができません。

特に、コロナによって施設客数が下がっている場合は、
これまで以上に入店率をあげていく必要があります。

店頭人員を削減している場合の対応策としては、下記の2点があります。

①店頭演出でカバーする(セルフで入店を促す)
②ピーク時のみ店頭での声掛けを徹底する

上記を実現するためにも、改めて自店の数字を確認していくことが重要です。
チェーン店であっても、立地によって客層が変わり、売れ方に違いがあるからです。
売れている曜日、時間、商品・サービスを確認し、店頭演出、スタッフ配置を変えていくことがポイントになります。

次に、お客様へのアプローチへの対応ですが、
本当にナーバスな方はそもそも来店していないと考え
従来通りの接客フローにそってアプローチをすることが重要です。

普段の接客においても、
ファーストアプローチの反応によってお客様対応を変えているように、
仮にナーバスなお客様が来店された際も、
ファーストアプローチの反応によって対応を変えるようにしていきましょう。

また、身だしなみでは、マスクをしているので顔の表情がわかりづらい、
また、私服で名札のない店舗などは、スタッフとお客様の区別がつかないなどのため
第一印象評価が下がる傾向にありました。

第一印象評価が下がると、
その後の接客スキルが高くないと買いにつなげづらくなりますので注意が必要です。

対策としては、笑顔の写真つきの名札をつける、
少なくともお店スタッフだとわかるものを身につけるようにしたいものです。

第一印象評価のアップで
withコロナにおける売上アップのきっかけを掴んでいただきたいものです。

withコロナにおけるテナント売上アップに興味のある方は

「withコロナにおける売上アップ手法大公開セミナーテキスト」をダウンロードください。

 

 

【SC経営のヒント591】近隣商圏の強化

商業施設にとって、コロナで大きく変化することになったことは「商圏の縮小」です。
大都市は観光客や通勤客・買い物客などの流入人口が減少しました。
郊外では大都市への流出が減少した分、
近隣の商業施設や通販に需要が流れることになりました。

多くのSCではアパレル・外食を中心にテナントの撤退が相次ぎ、
新たな店舗を導入しようにも苦労されている局面かと思います。
こういう環境下で、業績を下支えしているのは「生活型業態」です。
スーパー、ホームセンター、ドラッグストア、実用衣料、家電などは好調店舗が多く、
一方で苦戦しているのは外食と高付加価値系のアパレル・雑貨などとなります。

SCにとっては、この「小商圏化時代」を乗り切るために、
生活型・低単価業態を充実させる必要があります。
具体的には「食品専門店の導入」「SC定番となりつつある低単価スーパーストア導入」
「生活サービス系業態導入」などが必要になってきます。

これまで好景気の間は、より高感度・高付加価値な業態を導入しようという流れでしたが、
今年からその路線は見直さざるを得なくなっています。
賃料水準は下がらざるをえないものの、空き床を減らし集客力を高めることのほうが優先されます。

足元の状況はあと数か月や半年では解消しようがないため、
全体として「小商圏」「生活型」「低単価」の有力店舗を導入することを
急ぐ時期に来ていると思います。
すでに可能なことに取り組んでいるSCは増えてきていますが、
ぐずぐずしているとライバルSCに有力店を奪われる状況になりつつあると考えるほうがよいでしょう。

また、イベント販促も近隣商圏強化を主体として
「低予算」「高頻度」で実施してゆく方向での方針転換が同時に必要となります。

【SC経営のヒント590】高級食パン専門店に見る!MS視点でのチャンスの捉え方!

船井総研の佐伯です。

矢野経済の直近の国内パン市場は1.5兆円で、
100%を超える成長率をここ数年維持をしているようです。
その牽引役となっている一つが、高級食パン市場となります。
その火付け役である乃が美は、コロナの影響もあり好調が続いているのか、
テレビCMも直近では打っています。
店舗数も、気づけば全国に192店舗と急拡大をしています。
この市場は自家需要だけでなく、お土産・ギフト需要も捉えて大きく伸びてきました。
 
ライフサイクル理論で考えると、
今後単品特化型専門店が食パンに限らず増加することが想定されます。
ではどのパンが可能性があるのか。
これはMS(=国民一人当たり消費支出金額)が大きいパンのが市場が大きい分、
可能性が高くなります。

食パンも多くの家庭の朝食で食べられており、
コンビニでも扱っていないところがないので、
非常に市場が大きいと言えます。
ただパンの種類別の市場規模データはざっと検索したところ、
見当たらなかったので、代理指標としてマイナビニュースにあがっていた
「好きなパンランキング」(調査時期:2020年2月21日、調査数:510人)を参考にしてみます。

このランキングによると、好きなパンランキングは以下ですね。
1位「カレーパン」(15.3%)
2位「あんパン」(9.2%)
3位「総菜パン」(9.0%)
4位「クロワッサン」(8.2%)
5位「食パン」(7.1%)
6位「クリームパン」(6.5%)
7位「メロンパン」(5.1%)
8位「チョコパン」(4.5%)
9位「フランスパン」(4.3%)
10位「明太フランスパン」(4.1%)

食パンよりもランキング上位が4つもあります。
一番人気のカレーパンは、実は単品高級専門店が出始めています。
札幌では「カレーパンだ。」というお店が狸小路通りに進出しており、連日大行列です。
東京でも、東京駅に「Zopf カレーパン専門店」が
コロナの影響はありますが、並んでいることもまだまだ多いです。

またあんパン専門店で調べても、多少出てきます。
ざっとの印象ですが、専門店の店舗数は「食パン>>>>>カレーパン>あんパン」ではないでしょうか。
好きなランキングで他の商品を上げている人でも、
食パンは食べるケースが多いと思いますので食パンの方がMSが大きいとは思いますが。
カレーパン、あんパンの専門店はまだまだこれからも立地によっては、いけそうな気がします。

MSという1つの指標・考え方ですがこのようにどんなマーケットが次に可能性がありそうか?
考えるきっかけになります。
各分野で概算でもMSサイズを算出してみると、
新しい発見が常にあり、ぜひ実施していただければと思います。

【SC経営のヒント589】コロナ時代の新提言!これからのSCプロモーション戦略、戦術の全てを伝えます

船井総研の丹羽です。

これまでのSCプロモーションは、
施設集客を上げるのが施設デベロッパーの役割で、
入館したお客様の買上率を上げるのがテナントの役割でした。

そのためイベントを中心にいかに施設集客を上げるかがポイントで、
不特定多数へのアプローチが多く、
必ずしも買いのモチベーションが高いお客様が多いとは限りませんでした。

コロナ禍において、施設集客がもとに戻ることは考えづらく、
また、平均的な滞在時間も減ってきています。

それらに対応するには、買いのモチベーションの高いお客様を特定し、
決定率のあがるプロモーションへの切替
が重要になります。

つまり、これからのSCプロモーションは
テナントの買上率アップを施設デベロッパーが後押しすることがポイント
になります。

例えば、
プレミアム商品券販売、送料無料、
バンドルフェア、シークレットセール、
受注会、試食会、試飲会、頒布会、
ワークショップ、体験、教室

これらを、各カテゴリーのキャンペーン、セール、フェア、イベントとして企画し、施設の取り組みとして、商圏内、施設内での認知度アップを図ることが重要です。

特に、GoToのような国の政策、エリアの政策は、施設の政策、各カテゴリーの政策と連携させ
一気通貫してたキャンペーン、イベントにしていくことが認知をあげやすく、
買上率、決定率アップしやすいです。

また、これからのSCプロモーションでは、
不特定多数に向けたプロモーションから特定多数に向けた
ダイレクトプロモーションへの切替がポイントになります。

お客様の利用実態によって、来店をコントロール(分散)させることで
3蜜を避けつつ、決定率の高い接客・サービスが可能となります。

売上を作っていくには、売上のピーク(トップ10週/52週)で、
商品と人(スタッフ)のチャンスロスをしないことが変わらぬ原則です。

コロナ禍においても、このトップ10週での売上を落とさないためにも
前後1週と期間を長くとり、顧客の来店をコントロールしていくことが必須です。

例えば、各テナントにおいては、
来店前に事前接客をしておく、在庫を見える化しておく、
さらに、来る日時を指定するといったことが必要になってきます。

また、曜日、時間帯別に接客方法、売り場作りを変えていくことが決定率アップには重要です。

これらの各テナントの取り組みを、各カテゴリーの企画とし、
施設、駅、商圏内のお客様に効率よく認知を上げていくプロモーション活動をしていくのです。

そのためには、入館客数、駅乗降客数はもちろんのこと、
各フロアごとの入店率、買上率をKPIとしておさえておくことが必要ですし
それらが、コロナの影響でどう推移しているかを数字として捉えていくことが大切です。

また、withコロナ時代の販促プロモーションの戦略立案、プロモーションコストの最適化のためにも商圏の変化、プロモーションの費用対効果を可視化していくことが必須です。

コロナの影響を踏まえた適切な販促プロモーションの実施を可能にするのが、
今回のシナラの商圏調査プロモーションパッケージです。

実績、事例を詳しく知りたい方は、 10月29日(火)に開催する下記セミナーにご参加いただければ幸いです。
https://us02web.zoom.us/webinar/register/4016021394797/WN_deRZV4JlRiiqwr8HMATwqQ

【SC経営のヒント587】商業施設によくある誤解とその解決策とは?

船井総研の山本です。

商業施設というものは日常的にありふれたものであり万人に親しみがあるものです。
それゆえに勘違いされている部分がとても多く、特に金融機関に誤解されている点が多いです。
筆者が過去に金融関係の方々と協議して驚いたのは以下のような考え方をされている方が多いということです。

お客さんは来ているので、販促費を削ればコスト削減になるのではないか
→ 集客・売上も減るということが想像できていないようです

売場が荒れていてひどい、社員にやる気がない
→ コスト削減で人員を減らした結果手が回っていない、原因と結果が逆です

無駄な在庫を減らせば資金効率が改善する、売り場の見通しも良くなる
→ 在庫を減らせば集客力が落ちて売り上げも下がります

こういった誤った判断のもとに経営されると、
結果的に目先のコストは下がっても売上利益も下がってダウンスパイラルに陥る・・・
そういう失敗を多くの会社が行ってきたにも関わらず、
いまだにそのような誤解が跳梁跋扈しているというのが実態といえます。
もしかして、「ほかに打つ手が思い当たらない」というのが本当の理由ではないでしょうか。

一番目は、販促費の総額は変えずに、より効率的な媒体や手法にシフトしてゆくことが必要です。
広告代理店に丸投げするだけで自分たちで何も考えていなければそれはできず、必死になって調べ考えることです。

二番目は、そもそも立地が悪くて売れないなら撤退するかどうかの判断が必要になり、
そうでなければ投資して攻めの体制に変更するかどちらかの判断が必要です。

そのままズルズルでは徐々に衰退するのみです。
商圏や競合を調べて時期を決めて決断せねばならないことです。

三番目は、在庫の総額を変更せずに持ち方を変えることです。
その店の立地特性や客層・来店目的を入念に調べ、より高粗利で収益が得られる品揃えにシフトしてゆくことです。

どれも書くのは簡単ですが実現するのは容易ではないことばかりです。

過去に弊社がお手伝いした場合においては、
販促担当者を集めての勉強会や、バイヤー研修を実施しながら数か月かけて取り組んでゆきました。

ある程度分かっているがなかなかできないことを本腰入れて取り組まないとならない、というのが本当のところ。
アイデア一発、思い付きでなんとかなるほど甘い世界ではなく、
敵はあまりにも大きく険しいという認識のもとに取り組まねばなりません。

時間をかけられない場合は、外部専門家を活用するのが早道です。

【SC経営のヒント586】新しい生活様式に対応して売上を上げるには?

船井総合研究所の丹羽です。

withコロナにおいて、売上アップに最も重要なのは買上率をアップすることです。

売上高=客数×客単価ですが、この客数はレジ客数であり、入館客数×買上率となります。

withコロナに限らず、台風、震災といった外部環境の影響は、入館客数に影響を与えます。

実際に、withコロナにより、入館客数が下がっていますが、
この入館客数の落ち込みを、買上率アップでカバーしている店舗が多く存在します。

では、この買上げ率をアップするにはどうしたら良いのでしょうか?

最も注力すべきは、「伸び率の高い商品」になります。

新しい生活様式に対応する商品は、既存商品の伸び率に現れるからです。

例えば、マスクとエコバックは、いずれも以前から店舗にある商品ですが
コロナ化において、業種・業態に関わらず最も伸び率が高い商品です。

①最も伸び率の高い商品(ベストセラー)を、
②最も入客の多い店頭(ベストポジション)で
③最もフェイス展開できている店舗は、

店舗の入店率があがり、結果ほか商品の買上率も上がって売上がとれています。

そして、最も伸び率の高い商品は、「お客様の買い方の変化」に対応してアイテム分割していくことが大切です

例えば、マスク、エコバックは、日常品からファッション化しています

日常品で買上率をアップするには、在庫量×価格訴求がポイントですが、
ファッション化された商品で買上率をアップするには、アイテム数×価値訴求がポイントになります。

マスクであれば、使い捨てから、洗える、接触冷感、カラー、国産、ブランドなどのお客様の買い方の変化に売場が対応できていけるかが重要です。

また、エコバックも同様で、ショッピングバックから、コンビニバックとサイズ感が変わり、女性向けから男性向けなど、売れる商品が変わってきています。

店長は、店舗で最も伸び率の高い商品を店頭で展開することに注力します。
そしてスタッフは、担当する部門で伸び率の高い商品を、部門(コーナーエンド)で展開しましょう。

コロナ化において現場ができることは、目の前のお客様の買い方の変化に対応していくことです。まだまだ、厳しい環境ではありますが、数字はお客様の支持率ですので、月次で伸び率を検証し、次なるアクションプランを立て、実行していきましょう。

できれば、この商品の伸び率を月次でなく、週次でみて対応していきたいものです。

~追伸~
コロナ化においてのテナント売上アップというテーマでの研修のご相談が増えています。
(それもリモートで実施したい)
どんな内容か、どうやるのかに興味のある方は、まずは下記のセミナーに参加してみることをおすすめします。

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アフターコロナを見据えると、SCはデジタル対応が必須となる

船井総合研究所の佐伯です。

コロナも完全にWithコロナでワクチンが開発されるまでは、現在の
状況が続く見込みとなりました。もはやコロナに”適応”して、運営を
することが当たり前になります。
消費者の行動も
 1)事前情報の取得の習慣化
 2)店内回遊の短縮
が当たり前になりつつあるのが、大きな変化と考えています。

これまでもデジタルへの投資、デジタルでのマーケティングということが
よく言われていましたが、もはやデジタルを活用できるところは顧客の入
りがよく、そうでないところは入りが悪いと徐々に差が大きくなっている
のではないでしょうか。

なぜなら1)にあるように
「そもそもお店がやっているのか?」「それほど混雑していないのか?」
「行ったタイミングでセールがやっているか?」
「好きなテイストの商品があるか?」
などお客様が事前に調べて、来店することが当たり前になり
その時点で情報を共有できるお店には来店動機が芽生え、来店しますが
そうでない店舗はスルーされる率が高くなっているからです。

もはや事前情報の提供は必須と言えます。

提供する情報の中で最近の事例でヒットしているものとして
お客様にためになるTipsを投稿することで、お客様の目に留まる率を
上げることができたというもの。例えば、扱っている商品の洗い方、収納の仕方、
カラーの合わせ方などが該当します。お客様の立場になった時に知りたい!
知っていたら得する!情報を発信できるかが大事になります。

SCの視点としては、こうしたデジタルな取り組みの成功例を施設内で
収集し、共有し、横展開ができる体制になっていくことがより求められます。

テナントのアカウントの管理、その情報の可視化を徹底し、業績に向上する
デジタル活用を今一度、後押ししていければと思います。
(SC側がアカウントを作成し、可視化するシステムを加えた上で提供も1つの手段です)

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【SC経営のヒント581】コロナ後の店舗リニューアルの留意点 その2

商業施設全体も、専門店も、リニューアルをする理由というのがあります。
多くは老朽化してきたことをそのタイミングとしていますが、
リニューアルで取り組むべきことは
時代とズレてきている部分をキャッチアップする、可能であれば多少先取りする」ということになります。

コロナで店舗というものの存在感も大きく変化してしまいました。
これまでは高密度に集客する繁盛店こそが正義で
物販も外食も混雑している店ほど正しいとなっていたわけですが、
それを志向することは現在の状況化でははばかられます

外食もテイクアウト・ドライブスルー対応が急務となっていますが、
物販においてもスマホを活用した「事前接客・販売」に取り組む企業が増えてくると思われます。

店舗においてスタッフの仕事の大半が「この商品はどこにありますか?」という質問への対応になっています。
現実問題としてスタッフを減らして営業している店舗では、店内放送でお客様に
商品の場所のお問い合わせ等によるスタッフへの話しかけをご遠慮ください」とアナウンスしている店もあります。

今後店舗スタッフを最小人員で回さざるをえない状況が増えてきますし、
店のつくりもそういう取り組みに対応してゆかねばならなくなります。
外食産業においても「提供までにお時間を頂戴します」とはっきりアナウンスしたほうがよいと思います。
これもスマホ対応までは難しくとも、より精緻なフロア案内やデジタルサイネージ、
タッチパネルでの案内などを増やす必要が増えるでしょう。

集客をしないというわけではなく、
店内滞留時間を減らす=発見~購買決定までのプロセス時間をなるべく短くする
買い上げ率を上げる=買うと決めたお客様を集客する」ことによる密集回避をせざるを得なくなるでしょう。
アナログなやり方でも入口の売場案内、店内の案内表示をより細かくわかりやすくして、
POPも増やしてある程度は対応可能と思えます。
可能であれば、WEBやスマホで事前接客を実施して、店で最終確認だけしていただけるような接客プロセスが理想です。
また、よく質問される商品に関しては「FAQ対応POP」を充実させるとよいと思います。
すべての商品に質問があるわけではなく、違いが分かりにくいなどの一部の商品対応で可能と思えます。

大手スーパーではスマホを活用したレジレスに取り組みつつありますが、
レジ待ちでずらーっと並ばなくてすむようにDX活用のレジシステムを取り入れることも必要になってくると思えます。

業種別に取り組み方は変化しますが、店の魅力(在庫量)をキープしながらも、
より少人数で、より作業量(接客量)を減らした店づくりへの取り組みのためのリニューアル計画が今後のキーポイントになるといえます。

省力化対応、キャッシュレス対応、サイネージの充実、POPの充実など、
接客販売型の業態であっても「よりセルフ化」を志向した店舗づくりが求められるようになります。
これからのリニューアルの検討も、そのような方向性になるといえます。

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【SC経営のヒント580】商業施設がマイクロツーリズムの核となるために

船井総研の藤田です。

皆様のお店は、観光立地に位置していることも多いのではないでしょうか。
コロナ禍において、観光(宿泊・飲食・物販)は新しい様式へと変化します。
長距離移動を避けることにより、マイクロツーリズム(地元での観光・旅行)
今以上に普及していき、商業施設もマイクロツーリズムへの対応が求められていきます。

新型コロナウイルスが観光業界に大きく打撃を与え、今後の動向が不安視される中、長期化するWithコロナにおける旅の在り方として、大手リゾート会社の代表が「マイクロツーリズム」を提唱しています。
マイクロツーリズムとは、地元を深く知るきっかけを作り、感染拡大を防止しながら地域経済を両立する観光など促進することを目指しています。

今回はコロナで大きく影響が出ている観光をテーマに、
・マーケットの現状
・事例
・商業施設がマイクロツーリズムの核となるために必要な視点
についてお伝えいたします。

観光ビジネスは以下のような現状です。弊社のご支援先さまを参考に整理しています。
・宿泊:予約が昨対比60~70%減。宴会予約は皆無。
・飲食:休業要請を受け休業中につき、売上が0のお店も。
・物販:駅・空港の出店は昨対30%の実績。
かなりざっくりしたまとめですが、御存知の通り厳しい状況が続いております。

しかし業界内には、この状況を冷静に判断し、
前向きな取り組みをしている企業も多数ございます。
緊急事態宣言中に、実際に取り組んでいた事例をご紹介いたします。

【宿泊:日帰り強化】→広域商圏から足元商圏へのシフト
※外国人観光客の割合が8割の旅館
※県を跨いだ移動が自粛されているため、
  近隣からの日帰り観光プランを作成
※感染症対策を徹底し、それを顧客にも説明。近隣からの需要掘り起こしに成功
※また、旅館を疑似体験できる動画コンテンツの配信により
手の空いた今だからこそできる取り組みで、集客力を強化

【飲食:レシピ公開でファンづくり】→顧客との接点を持ち続ける
※レストランと客の新しいコミュニケーション
※家族3食の食事を家でどうにか準備しなければいけない状況
※三ツ星レストランのシェフが、店で提供している料理のレシピを公開
※自宅で誰でも調理できるように、家アレンジができるレシピに
※自粛明け、やっぱりあの味を店で食べたいと思ってもらう狙いが

【物販:飲み方提案(ワークショップ)】→ただ通販で売るだけでなく、
オンラインによる提案を付加
※家飲みを支援するため酒蔵と土産物店が協力し、セット販売を実施
※さらに、美味しい飲み方をオンライン上で指南
※飲食店に行けないため、家飲みにお金を使う層が増えている

上記は休業中の取り組みです。
今は緊急事態宣言が解除され数日が経っています。
以下は今後の観光マーケットで商業施設が核となるためのポイントをお伝えします。

巣ごもりにより観光欲求は高まっていますが、従来通りのニーズではありません。
観光客が求めるニーズは変わってきています。
今後は「STAY HOME」から「予防対策と両立した観光」へシフトしていきます。

ポイントは大きく3つあります。
①顧客が新たに求めるニーズは「感染対策」・「三密回避」
 →対策は前提であり、いかに顧客に協力してもらうかが重要です

②「遠出」よりも、家から「近場」の観光重視になる
 →県移動を避け、より地元観光地に足を運ぶようになります
  広域集客を狙うのではなく、足元商圏に対する対策が必要です

③「周遊」より「滞在」重視になる
 →移動回数を避けるため、1つで多くの満足度を得られる施設・お店が選ばれるようになります

④「買う」だけでなく「過ごす」
 →今後商業施設に求められるのは、「買う」だけでなく、「過ごす」ことができるかどうかです
  モノからコトへ、コトからトキへ、とよく言いますが、整備できている施設はまだまだ少ないです

夏以降に集客のピークを持ってこれるよう、
・ターゲットの再設定(広域から狭域へ)
・見込み客を獲得するための積極的な販促活動(※今販促費を1.5~2倍にしている企業が目立ちます)
・顧客とコミュニケーションを取り続ける、接点を持ち続ける工夫
を「消費者が動き出している今」に準備したいところです。

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【SC経営のヒント579】withコロナで変わるテナントリレーション

店頭でのオペレーションが3密(密閉、密集、密接)回避を求められるのと同様に、
テナントリレーションも3密回避を進めていくことが求められます。
店頭同様に、リアル、対面重視のやり方を避けなければならなりません。
つまり、店舗巡回、店長会、集合研修やテナント本部との面談の在り方も見直す必要があります。

チェーン本部、デベロッパー各社において、
zoomなどを使ったテレワークが進みはじめているように、
テナントリレーションにおいても積極的にデジタル対応することが求められます。

とは言え、withコロナでの施設集客、施設売上のつくり方を理解した上で、
テナント本部と連携しながら、テナントをサポートしていくことが必要です。

また、デベロッパーとチェーン本部の共通の評価軸(KPI)と目標を再設定して、
計画的に店舗をサポートしていくことが求められます。

これまでの共通の評価軸は、月坪×伸び率でしたが、入店率・買上率までカバーすることが重要です。

というのも、withコロナでは、分散集客が求められるので、
これまで以上に入店率、買上率を最大化しなければ売上がつくれないからです。

入店率、買上率を最大化するために、デベロッパーには、「施設集客の見える化」、
チェーン企業には「在庫の見える化」が求められます。

この施設集客の見える化や在庫の見える化ができれば、店頭での商品ロスがなくなります。
また、スタッフ数の最適化により人時生産性をアップすることもできます。
つまり、店舗の利益を最大化することが可能になるからです。

デベロッパーとテナント店長とチェーン本部がリアルタイムでこれらの情報を共有し、
PDCAサイクルを回すことが、withコロナにおけるテナントリレーションではないでしょうか?

上記機能をインストールしたiPadなどが各テナントに配布されれば、
ペーパレスで情報を一元管理することができます。

テナントリレーションはデータに基づき、短時間で成果の高いものになりますし、
リアルな対面がなくても、チャット機能を使って指示もできるようになります。
また、研修もオンラインで参加率の高いものになります。

デジタル対応で、これまで以上に接触頻度を増やすことが可能ですし、
業績アップに貢献していくことができるようになります。

wihコロナ、アフターコロナに向けて
デベロッパーとテナント店長とチェーン本部がリアルタイムで情報を共有し、
PDCAサイクルを回す、新たなテナントリレーションに挑戦してみては如何でしょうか?

なお、適切なツール、指標、サポート体制など導入にあたっての具体的な相談のある方は、
お気軽に弊社までご相談ください。

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