商品戦略の3つのポイント

SCや駅ビルに多数展開しているチェーン店というのは、商品力とビジネスモデルの完成度が高い会社が中心になります。成功するビジネスパッケージを作り上げたからこそ多店舗展開が可能になったわけです。

一方で、ローカルの専門店やメーカーの直営店など、店舗経験の浅い店が出店している場合もあります。
そういう店が思うように売り上げが上がらない場合に、SC 側は何を提案すればよいでしょうか。
やはり「何を売るか」ではないかと思います。

商品戦略の根幹は「何で集客するか」「何で収益を上げるか」「どのような世界観を形成するか」となります。 
 「集客商品=話題性・人気・割安・市場規模大・客層広い・リピート性高い・数売れる商品」
 「収益商品=(集客力はすこし弱いが)高粗利で高収益が得られる商品」
 「品揃え =(あまり売れないが)お店の世界観を形成するために必要な商品」
という役割になります。

集客のために安く売る商品と、収益のためにしっかり粗利をとる商品を設定する。
これをマージンミックスともいいます。
基本はこの2極をしっかりと確立することが店舗経営の基本ですが、加えて現代では世界観を構築して「どんなコンセプトの店なのか」をお客様に印象強く覚えていただくことが大切になってきています。

古典的流通業とは、仕入れ値に対して掛け率一定
近代的流通業とは、マージンミックスによる集客・収益商品の確立
現代のチェーン店に求められるのは、集客・収益を確立した上での「世界観」の確立
このようになります。

成功しているチェーン店は、これがビシっとできています。
無印良品・ロフト・カルディコーヒーファームなど成功しているチェーン店は独自の世界観をしっかりと確立しています。内装什器のデザインだけではなく品揃えで世界観を形成していることが大事です。

一方で、いまひとつ売上が上がらない迷走気味の店というのは、上記の商品戦略の根幹にブレが感じられることが多いです。
それも集客商品のパワーダウンが一番ダメージ大きいです。

集客商品が目立たない、数が売れていないと集客は弱くなります。なのでまずはスター商品を目立たせて数が売れるようにして、来店客数を上げる必要があります。
チェーン店でも、かつての集客商品が弱くなってしまったが次の柱がないとか、収益商品が衰退したが次の収益リーダーが生まれていないとかいったこともあります。

デベロッパーとしては、チェーン店の商品構成まで口出しできる余地はあまりないでしょう。
でも「これをもっと売りませんか」という提案は可能だと思います。
売れる店とは、「誰に何をどう売るか」がしっかりしています。
商品戦略の柱を決めて、さらに「誰に売るか」「POP」「接客」「店頭演出」「売場演出」「館内・外部・SNS広告」などを決めて取り組むことが大切になります。

宣伝も大事ですが、やはり売上は商品あってこそ。
出店者さんとの協議にこういう視点も含めてお取組みいただけましたらと思います。

ビッグセールに相乗りして成功をつかむ!ブラックフライデーを最大限活用する方法

施設デベロッパーの役割は、施設への集客を最大化し、その結果として売上を伸ばすことです。これを実現するには、中長期的な視点でのリニューアル施策に加え、短期的には効果的な販促プロモーションが鍵となります。このメルマガでは、販促プロモーションを通じて集客を最大化するためのポイントを解説し、特にブラックフライデーの活用法に焦点を当てます。

集客最大化の鍵:組人数をアップさせる

施設の集客を増やすには、1人でも多くの人に訪れてもらうことが重要です。そのために効果的なのが、ファミリー向けイベントの開催です。家族で楽しめるイベントを企画することで、単独の来訪者だけでなく、家族全員での来場を促進できます。

具体的には、子ども向けワークショップや家族写真が撮れるフォトスポットの設置など、幅広い年齢層にアピールできるイベントを用意することが成功の鍵です。家族全員が楽しめる体験を提供することで、施設全体の雰囲気も活気づき、自然と購買意欲を高める環境を作り出せます。

歳時記催事への「相乗り」が必須

独自イベントを成功させるのは簡単ではありません。特に、商圏内の幅広いお客様にアピールし、認知度を高めるには時間もコストもかかります。そのため、だれもが知る歳時記催事を活用することが効率的です。歳時記催事とは、季節ごとの行事や記念日をテーマにしたイベントで、多くの人々が関心を寄せるため、集客の土台がすでに整っています。

例えば、コロナ以前から日本で人気の高かった「ハロウィン」は、ファミリー層を中心に盛り上がりを見せていました。都内の駅ビルでは、年間52週の中でもトップ10週に入る売上を記録するほどの成功を収めています。この成功事例を踏まえれば、ブラックフライデーもまた、次なる「相乗り」すべき歳時記催事といえるでしょう。

ブラックフライデーの可能性を活用する

ブラックフライデーは、アメリカ発祥のセールイベントとして知られていますが、日本でも徐々に浸透しつつあります。このイベントは、単なるセールに留まらず、ショッピング体験自体を楽しむイベントとして注目を集めています。業種や業態を問わず、誰もが相乗りできる点が大きな魅力です。

特に歳時記催事は「セール感」を出しにくいケースが多いのに対し、ブラックフライデーはセールそのものが主役となるイベントです。価格の割引だけでなく、特別感や限定感を打ち出すことで、集客効果と売上効果を同時に狙うことができます。具体的には、限定商品の販売やタイムセールの実施が効果的です。

成功へのポイント:事前告知を徹底する

ブラックフライデーの成功には、事前の告知が欠かせません。事前告知を通じてお客様の期待を高めることで、イベント当日の来場意欲を高めることができます。たとえば、SNSやメールマガジンを活用して、セールの内容や特典情報を段階的に公開するのが効果的です。また、事前予約を取り入れることで、売上を事前に確保し、来場者数の予測もしやすくなります。

自施設の名物催事へと育てる

ブラックフライデーを単なる相乗りイベントとして終わらせるのではなく、自施設の名物催事として定着させることを目指しましょう。これには、他施設との差別化が重要です。たとえば、地域限定の商品を目玉にしたり、来場者参加型のキャンペーンを実施するなど、施設独自の工夫を盛り込むことで、お客様に強い印象を残すことができます。

まとめ

ブラックフライデーは、施設の集客と売上を最大化する大きなチャンスです。ファミリー向けイベントの企画や、事前告知の徹底など、成功へのポイントを押さえることで、このビッグイベントを最大限に活用できます。施設デベロッパーとしての役割を果たしつつ、自施設のブランド力向上にもつなげるために、この機会をぜひ活用してください!

サービスビジネスの拡大

80年代のSCは、店舗構成の大半が物販店舗でした。
90年代になって、大型のSCが企画されるようになって、物販比率はだんだん下がってきます。
2000年代には映画館や大型ゲームセンターなどが積極的に導入されるようになり、物販比率は7割台まで落ちてきました。
今では、アパレルが以前より低調なこともあり、物販比率はさらに下がる傾向にあります。
SCによっては6割台のところもあると思います。

一方で市場が拡大してきたのがエンタメ系とサービス業になります。
とくに医療系の増加が顕著になっています。
物販に各種サービスを付加した業態も増えてきました。
たとえばペットショップに動物病院・トリミングサービスの併設などです。
ビューティ、リラクゼーションなども定番化しつつあります。
個別指導塾などのスクール系も増加していますし、昨今では体操など各種スクールも出てきました。
小型フィットネスクラブもかなり増加しています。

新手のサービス業でも、立地次第ではそれなりの賃料負担も可能な企業もあります。
駅ビルなど賃料の高い立地で成立している業態は、それ相応の収益性があります。

これから先、SCの物販比率はもっと下がるでしょう。
そう遠くないうちに半分物販、半分非物販という時代も訪れるでしょう。
そういう時代を見越して、新しいサービス系ニュービジネスに注目してゆきたいですね。

研修を成果という実績に変えるには?

近年、商業施設のテナント向け研修の需要が急増しています。そのテーマは、売上アップ、インバウンド対応、SNSプロモーション、スタッフマネジメントなど多岐にわたりますが、いずれの場合でも共通して重要なのは、研修を単なる学びに終わらせず、成果という実績に結びつけることです。これを実現するためには、次の3つのステップが欠かせません。


① 知ってもらう:施設内の成功事例を共有する
まず、テナントのスタッフに成功のイメージを持ってもらうことが重要です。商業施設内で成果を出している店舗の具体的な取り組みや、その方法を共有しましょう。例えば、「この店舗はどのように顧客を呼び込み、どのように購買意欲を引き出しているのか」という詳細な事例は、他店舗の参考となります。自分たちも実行可能だと感じさせることが、「知ってもらう」ステップの肝です。

ここでは、具体的なデータや実例を提示し、目に見える形で「これならできる!」と納得感を持たせることがポイントです。たとえ優れたノウハウがあっても、それを知らなければ現場で活用されることはありません。まずは「知識を共有する場」を設けることが成功への第一歩です。


② やってもらう:最適なタイミングで行動を促す
知識を得ただけでは成果にはつながりません。それを「実践」に移してもらう仕掛けが必要です。そして、ここでの重要な要素が「タイミング」です。やみくもに実践を求めても効果は薄いため、成果が出やすい時期を見極めて行動を促します。

例えば売上アップを狙う場合、年間で特に売上が伸びやすい「勝負の1週間」を設定します。これは、年間52週の中で最も需要が高まりやすい時期にフォーカスするという考え方です。そのタイミングに照準を合わせ、行動を促すことで、効果を最大化できます。

また、「やるべきこと」を具体的かつ簡潔に示すことも大切です。「この時期にはこれをやればいい」という明確な指針があれば、スタッフは行動に移しやすくなります。余計な混乱を避け、行動のハードルを下げる工夫が求められます。


③ 成果を出してもらう:事前準備と連携が鍵
成果を出すためには、現場が最も忙しくなる時期に向けた徹底的な準備が欠かせません。売れるタイミングに備えて、商品在庫の確保、人員配置の調整、販促活動の準備などを余裕を持って行い、いわゆる「チャンスロス」を防ぎます。

ここで鍵を握るのは、本部やデベロッパーとの連携です。店舗だけでは対処しきれない課題も、全体の協力体制を築くことで解決が可能になります。例えば、デベロッパーがイベントを通じて集客を支援し、本部が在庫や人の応援を強化することで、現場が成果を出しやすい環境が整います。


成果を共有する「パチパチ会」の意義
これらのステップを経た後、最も大切なのは「成果を称える場」を設けることです。研修の最終回には、参加店舗の成功事例を発表し、優れた取り組みを行った店舗を表彰する「パチパチ会」を開催することをおすすめします。この場は単なるお祝いではなく、他店舗にとっても刺激や新たな学びの場となります。

さらに、このような表彰式をコンテストやコンクール形式で行えば、店舗間の良い意味での競争意識が生まれ、さらなる成果を引き出すきっかけとなります。「成果を共有する」というゴールを設定することで、研修の内容が現場で定着しやすくなるのです。


まとめ
研修を実績に結びつけるには、「知ってもらう」「やってもらう」「成果を出してもらう」という3つのステップを軸にした計画的なアプローチが必要です。そして最後に、成果を称え共有する場を設けることで、研修の効果を最大限に高めることができます。

商業施設やテナントの研修を企画する際には、ぜひコンテスト型の研修プログラムを検討してみてください。それが現場での成果を確実にするカギとなるでしょう。

SCでの採用サポート

商店街や路面店と比較して駅ビル・SCの圧倒的なメリットは「店舗数が多く集積度が高い」「駅や駐車場などの集客インフラが充実」しているというハード的要因と、「定期的な共同販促で集客」「店内ルールの徹底」「定期的に教育研修を開催」などのソフト的要因でもって、お店が一定水準以上に保たれつつ集客力もあるという魅力があるということになります。

もちろんその強みはこれからも重要になってきますが、いまいま重要なのは「採用」です。
大手SCはすでにいろいろと取り組みつつありますが、SC単位でも専門店のスタッフ採用を後押しすることが大事になってきています。

「店が採用したいような人」は不足しています。
SCとしてもテナントの採用を後押しできるような対策を可能な限り講じる必要があるといえます。

採用活動そのものをもっと優先度を上げて、入口など一等地に募集看板をつける必要があります。
マッチングしたはずのお店でどうもうまくいかない場合は、同一SC内の他の店舗を紹介するなどにもチャレンジしてみたいところです。
最初の基礎研修をSC主催で集合形式で合同開催するなどということも可能でしょう。
とにかく「採用数を増やす」「採用した人への基礎教育と即戦力化」を館側もサポートして後押しする体制をくみ上げる必要があると思います。

この先「人手不足だから出店したくてもできない」「続けたいが人が採用できないので閉店したい」というケースが増えると思います。
路面店の場合と異なり、SCの館側が採用アシストすることで、SCの付加価値をさらに上げるチャンスともいえます。

顧客の買い回り店数を上げるには!?

商業施設の業績を向上させるためには、施設内のテナントそれぞれが、顧客の「買い回り店数」を増やすことが重要です。

つまり、ひとりの顧客が施設内でできるだけ多くの店舗を回り、購入する店数を増やすことで、商業施設全体の売上がアップするのです。

ここでは、実際に成果を上げた事例をもとに、効果的な取り組み方法をご紹介します。

まず、店長会議などの場を活用し、各店舗が自店の強みを他店舗と共有することからスタートします。例えば、どんな商品やサービスが売れているか、最も人気のある商品やサービスは何かといった情報を具体的な数値とともに伝えるのです。これにより、他の店舗のスタッフも、その店の強みを理解しやすくなり、互いに協力しやすくなります。

次に、その商品やサービスを購入しているお客様の属性についても共有します。場合によっては、その顧客がどの店舗をよく利用しているのかも共有することで、顧客の行動パターンが見えてきます。この情報をもとに、各店舗は相互に協力し、他店の商品やサービスを自店のお客様におすすめしやすい環境を整えることができます。

さらに、季節商品や新商品の情報も定期的に共有することで、他店舗のスタッフもそれらの商品に詳しくなります。試食や試飲といった体験の機会を提供できれば、より実感を持っておすすめができるようになります。実際に商品を体験したスタッフは、他店舗の商品であっても自信を持って紹介できるようになり、結果として施設全体での買い回りが促進されます。

また、試供品や試着品を互いの店舗で設置したり、ディスプレイ商品を貸し借りすることで、トータルな提案を顧客に対して行うことも可能です。こうした取り組みは、お客様にとってもより魅力的なショッピング体験を提供することにつながります。

これらの取り組みは単に売上アップに貢献するだけでなく、従業員のサービス向上や、ロス軽減、予約受付の効率化といった波及効果も期待できます。実際、業績の良い商業施設では、従業員自身が施設内の商品を購入しているケースが多く見られます。従業員が自らの施設の商品に詳しくなることで、サービスの質も自然と向上し、結果的に売上にもプラスの影響を与えるのです。

店長会議などをきっかけに、施設全体で協力し合い、顧客に多店舗を回ってもらえるような環境づくりに挑戦してみてはいかがでしょうか。これこそが、商業施設全体の成長に繋がる鍵となるはずです。

商業施設のワクワクを作り出していこう

商業施設の運営者が、自分たちが地域から本当に愛されていたのだと知る瞬間があります。
それは閉店したときです。

最近では綱島のイトーヨーカドーが話題になりました。
私自身がリアルで目撃したのは、かつて池袋である大型店が閉店になったとき、閉まったシャッターにびっしりとメモが貼り付けてあったことです。
そこにはお客様から、お店に対しての思い出や感謝が多数書き連ねられていました。
それを見て心を打たれた記憶があります。
願わくば、このようなお客様の想いをもうすこし早く知ることができていたら、お店側も一念発起できて復活する芽もあったのではないかとすら感じました。

SCや駅ビルは商売の場であると同時に、街づくりの中核になっています。
地元の方々は、そのSCの中でいろんなことを経験して、人生ドラマの一幕を刻んできたことでしょう。
SC運営側にとっても、地元の方々からそのように「想って」いただけていることを知ることは励みになってとてもよいと思います。

創業20周年記念で、お客様に自社SCの思い出を募集したSCがありました。
それを印刷して壁一面に掲示してくださっていました。
そこには、この20年間のなかでのお客様のエピソードが多数紹介されていました。
「このSCで初めてデートした方といまは明るい家庭を築いて子供にも恵まれている・・・」など、様々なお客様の人生ドラマの一幕になっていたことがうかがい知れます。
SCスタッフもこれを見て心を打たれたことだろうと思いますし、自分たちの仕事に誇りを感じて、やる気も高まったことだろうと思います。

日本のSCも歴史を刻んでいるものが増えてきました。
刻んだ歴史を活かして、SC運営側の士気を向上し、楽しくワクワクする運営につなげることがとても大事だと思います。
お客様にワクワクしてもらうためには、自分たちもワクワクできることが大切ですね。

プロ店長に共通する想定力とは?

いかなる環境下でも

期待される成果を

出し続ける

優秀店長のことを「プロ店長」と呼んでいますが

なぜ、プロ店長はいかなる環境下でも成果を出し続けられるのでしょうか?

特に、いかなる環境下とは暖冬、冷夏、台風といった異常気象など現場でコントロールが難しいものです。

とは言え、実際の現場では「異常気象だけでなく、天災、震災やコロナ禍でも」で成果を出し続ける店長が必ず存在します。

そういった店長に共通するのが「想定力」です。

例えば、冷夏、暖冬、台風、地震でさえ、過去において繰り返しおこっているものです。

その時の事象をしっかりと検証、ルール化し、次なるアクションプランをたてること、これが想定力となります。

その際に、自己完結することなく、チェーン内外に適切なモデルがあるかを検証することも重要です。

日常業務のPDCAサイクルは自己完結でまわすことはできても、イレギュラーなことは広く内外に情報をもとめ、検証・ルール化し、アクションプランをたてる必要があります。

また、そういったイレギュラーな環境下においてお客様、スタッフ、デベロッパー、会社は何を期待するのか、そこに考えをめぐらすことも想定力になります。

普段業務においては、売上、利益なのかもしれないですが、ケースによってはスタッフやお客様の安全、安心を優先すべきなのは言うまでもありません。

お客様にとっても、スタッフにとっても応援され続ける店舗になるためにも、想定力を鍛えていきたいものです。

商店街とSCの販促費

これまで全国の多くの商店街は衰退し、一方でSCはそれなりに繁栄してきました。
SC業界も大手寡占が進んでおり、協同店舗などは衰退してしまっているものも多数です。
かつてはこの差異について、いろいろと語られていました。
マーケティング面では「駐車場の有無」について語られることが多かったです。
「商店街は駐車場がないから衰退した、駐車場がたっぷりあるSCは栄えた」かつては、そういう時代もありました。

一方、個人的にSCと商店街に大きな違いを感じていたのは「共同販促費」の金額の違いです。

SCは共同販促費として毎月一定額を徴収します。だいたい売上比1%程度になるところが多数と思われます。
商店街でも年に何回かのイベントの際には費用を集めるなどはしますが、売上に対する販促費の比率ではSCに及んでいない商店街が大多数ではないかと思われます。

大手ナショナルチェーンばかり入居しているSCなら、それぞれがTVなどで積極的に広告を実施しているので館として何もせずとも成立します。しかし多くの商業施設はそうはいかないと思います。

自分の記憶では、90年代のことですが、開業以来一度も共同販促をしなかった都市部の商業ビルを知っています。その商業ビルは開業当初は大盛況だったものの、開業5年で経営破綻しました。それを目の当たりにした時に、共同販促というものが商業集積にとって非常に重要なものだと感じた次第です。

SCが繁栄するために大切なことは、適切な立地・規模・店舗構成がその主軸になりますが、必要なだけの共同販促をしっかりと続けるということもまた大切な原理・原則です。

商店街においても、共同販促費を十分用意できているのかが重要になります。
運営面での「原理原則」と「時流対応」が十分であるところは長期的に繁栄しているといえます。

リアル店舗が繁盛するには「いい立地を得る(=家賃が高い)」ことと「宣伝にお金をかける」、これらが必要であり、どちらも投資せずに繁盛店になれば理想ですが、現実はそうはならないです。

自ら積極的にチラシをまいて宣伝することと、共同販促で全体集客を高めること。
SCにおいては後者の方が費用効果が高いですが、同時に前者を実施している有力チェーンを誘致することもまた販促効果を高めることになります。

商店街目線では共同販促費の費用効果を高めて販促費を増やしてゆくこと、SC目線では共同販促はもちろん個別に集客活動を実施してくれる有力チェーンを誘致すること、こういうことをやってきたところがしっかりと現在成果につながっていると思えます。

勝ちにこだわる店長のPDCAマネジメント

前回に引き続き
優秀店長のマネジメントについてお伝えさせていただきます。

ポイントは「チームで勝つ」にあるようです。
言い換えれば「勝てるチーム」をつくることです。

今まさに
パリオリンピックが開催中ですが、欧米に比べて個々の身体能力が劣る日本が
チームジャパンで勝つには、チームのパフォーマンスが最大化するよう
個々の足し算でなく、掛け算となるような戦略・戦術が求められるのです。

この戦略・戦術を描くのが監督であり、その戦略を現場でマネジメントするのが
キャプテンになります。

会社で置き換えれば、経営者が監督であり、キャプテンが店長になります。
とは言え、オーナーが現場にいないチェーン店の店長は
「経営者と店長の両方の役割」が求められているのが実際です。

どの店舗に着任しても
期待される成果を出し続ける「優秀店長」に共通する
チームマネジメントのポイントは下記の5つのようです。

①実現可能な高い目標を掲げ (商圏相応、力相応)
②個々人の役割を明確化し  (強み、弱みの共有)
③数値目標を行動計画へ落とし込み(アクションプラン)
④率先垂範と徹底したサポート(伴走支援)
⑤PDCAサイクルをまわす  (アップデイト)

ポイントは
トップである店長が、
誰よりも、勝ちにこだわり、それを信じて行動できるかにあるようです。
つまり、勝ち切るまで、チームでPDCAをまわしつづけることです。

Plan (計画)
Do  (行動)
Check(検証)
Action(行動計画)

チェーン店の店長は自分が現場を離れても
いかなる環境下においても、期待される成果を、出し続ける
勝ち切れる強いチームづくりを目指してもらいたいものです。