【SC経営のヒント304】:『ABC分析では得られないもの』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.304 ━ 2011.12.16
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
 週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:ABC分析では得られないもの』
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『ABC分析では得られないもの』
よく、売れ筋を増やして死に筋をカットしよう、と言われます。
じっくりと考えていただきたいのですが、それで本当に集客・売上
が上がるでしょうか?
売れ筋商品は、自店だけでなく多くの店で販売されています。
ですので、売れ筋商品ばかり並べれば並べるほどに、わざわざその
店に行くという来店理由はどんどん減少してゆく
ことになるのです。
コンビニのような小さな店や、もともと通行量の多い立地に出店し
ている店でしたら、売れ筋に集中することで売上を上げることがで
きます。しかし、わざわざ集客しなければならない郊外型専門店や
GMS、HCなどの業態で考えてみたら、いかがでしょう?
商品アイテム数(sku)を減らし、取引先を絞り込み、通路を広く
して棚を低くして歩きやすく見通しを良くして・・・・中堅大手流
通の方々はそれを「当然」と考えていらっしゃるようですが、坪当
たりアイテム数が減れば坪当たり集客力は落ちて、坪当たり在庫金
額が減れば回転率一定ならば坪当たり売上高は下がることになりま
す。
話題商品や人気商品は売れていて集客も出きる商品です。しかし、
多くの売れ筋商品は、売れてはいても、どこでも売っているものな
ので、集客できない商品もあります。
売れている、売れていない、と集客できる、集客できない、という
マトリクスで考えたら、売れていないし集客できない商品はカット
対象になるでしょうが、売れていないが集客できる商品があったと
すると、どのように取り扱えばよいでしょうか?
現在のデータ分析では、売れている売れていないという結果は分か
りますが、その背景にあるディスティネーション=来店目的 がど
こにあるかは明確には分かりません。分からないから定義できない
ので難しいのですが、難しくて結論が出ないというのと、考えない
というのは意味が違います。
来店顧客調査を実施すれば、ある程度ディスティネーションとなっ
ている部門を明らかにするのは可能になります。
「ABC分析では、つまらない魅力のない店しか出来ない」というのは、
そういうことを指していると思います。量販店もホームセンターも、
目をつぶって店内に入ったら、どこの会社か分からない店が増えて
きていると思います。
もうすこし抽象的な「店舗コンセプト」を明確にして、大事にして
ゆかないといけないのではないかと思います。
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発行人:山本 匡(やまもとただし)
発行責任者:山本 匡(やまもとただし)
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