さらなる成長に向けた「新規出店の心得」とは?

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本日のテーマ:コロナ禍での新規出店の心得とは?

コロナ禍はいまだ終息しない中でも、新たなる出店に取り組んでいる成長企業が出てきています。
新規創業者の場合、まず1号店を住宅街や商店街などの路面店舗でチャレンジして、さらに2号店3号店と一定の成功をおさめた後にSCデベロッパーから誘致の声がかかり、駅ビルやモールなどのSCに入居するというパターンが多いです。
そういう場合に留意しなければいけないことは、大きく2つあります。

ひとつは、SCならではの客層や売れ筋の変化です。
売れる曜日や時間帯、来店客層や単価、売れ筋商品、セールの爆発力、こういったことが従前の路面店と異なるため、品切れチャンスロスをしてしまったり、売れると思った商品が売れなかったりということが起こります。
これに対する予備知識と対策をしっかり準備したうえで挑むことが必要です。

もうひとつは、SC入居契約に関する知識の必要性です。
営業時間や休日、取扱品目、商品調整、店頭広告の規制などの営業上の規制に関することと、解約時の違約金に関することです。
入居する際に契約書を取り交わしますが、これをちゃんと読んでいない場合が多いです。
また、デベロッパー側の担当者とも入居条件(賃料・諸費用・補償金敷金等)については詳細に交渉するものの、解約時のことについては十分に議論しないまま契約を取り交わし、思うように業績が上がらず撤退する際に想定外の費用が発生する・・・という事案がとても多いです。
経済条件のみならず、契約書の条文についても自社にとって都合の悪い内容の場合は修正申し入れも可能ですが、そういったことを考えないまま「まずは契約を」となってしまっている例も多いです。

コロナ期を境に、出店意欲のある業種業態やプレーヤーも変化してきました。
弊社でも、新たに出店を推進している企業様から相談を頂戴する事案も増えてきました。

今後、専門店企業様向けにSC・駅ビルへの新規出店心得についてのセミナーの開催も考えておりますので、きちんとした予備知識を備えたうえで、安心して出店拡大を進めていただけましたらと思います。

SCにおける「売る」と「貸す」のテナントとは?次回SCオフ会のお知らせあり

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本日のテーマ:SC向きな「貸す」業態とは

2021年8月17日の記事では、SCの比較的大きな空き床を活用して入れるべき「大規模店舗」として、①アウトドア・キャンプ用品専門店 ②住宅展示場・リフォーム店ショールーム ③新車・中古車販売店(ショールーム) の3つの事例をご紹介いたしました。

今回は、このような大きな商材を扱うような大規模テナントが、SCに出店していくうえで考え得る新しい「貸す」という事業形態をご提案いたします。

SCの集客の特性

そもそもSCでは、高齢者から子供まで幅広い層が楽しむことができることから、お客さんの主なメインターゲット層はファミリー層になってきます。これまでにも記述してきましたが、SCの集客の特徴は「幅広い商圏の不特定多数のお客さんを集客していくこと」です。誰もが楽しめる空間に、より幅広い層を呼び込むことで、館全体の集客を上げ、買い上げ率を向上させていくことが重要事項でした。
このように不特定多数に対して集客を行なっていくSCの特徴と、メーカー型ショールーム機能を持つテナントの親和性は高く、お互いの強みを生かしながら、集客への相乗効果も期待ができるというのが以前お伝えした内容でした。

メーカー型ショールーム機能テナントの「売る」ではなく「貸す」の事業形態とは?

そんなメーカー型ショールーム機能を持つテナントが、さらにSCでの売上を上げていくための1つの戦略として、「貸す」業態、つまりレンタル・リユースビジネスがあります。
アウトドア用品や車など比較的金額が大きく、物理的にも大きい商材は、なかなかすぐに「買う」とはならないことが多いものです。
しかし、不特定多数を集客するSCにはそのような商材に対して、実は興味があるといったような潜在的なニーズを持っているお客さんが多くあるまります。そのような潜在顧客に対しての入口商品・サービスとして「貸す」事業を展開していくのです。実際の事例も全国でいくつかでてきています。東京・町田のグランベリーパークでは、キャンピングカーを扱うメーカー型ショールームテナントが、キャンピングカーのレンタルサービスを展開しています。

「貸す」事業の発展的利点

このような「貸す」事業は潜在顧客への入口商品というだけでなく、さらなる発展的な利点もあります。アウトドア用品や車の販売店においては、レンタル=製品のお試し、のような側面も含んでいます。そのためレンタルしてみて、気に入ったら購入もできるというようなフローも展開可能です。
また「借りる」ことには「返す」というプロセスが必ず発生します。レンタルしたものを返しにくるという行為を通して「お客さんの再来店が100%見込める」という、テナントにとってもSC館全体にとっても大きな利点もあります。

このように時流に即して最適なSCのテナントは変化していきます。常に新しい情報に触れ、SCテナントを充実させていけるようにしましょう。
次回SCオフ会(9月16日)では、このようなSCテナントのビジネスモデルをより詳しくご紹介いたします。下記より参加のお申込みをして頂けます。

商業施設経営の勉強会 ~コロナで変わるSCのビジネスモデル~


弊社の食品コンサルタントの責任者をゲストに招き、特に地方都市のSCや駅ビルにおける単品食品ショップの可能性についてお話しいたします。
・開催日時:9月16日(木) 13:00-14:00
・開催場所:オンライン(zoom使用)
・講座内容:
①withコロナで変わるSCのビジネスモデル
②話題の施設・テナントの出店リニューアルポイント
③食品コンサルタントが新たな業態モデルを提案
④業種コンサルタントを交えたパネルディスカッション

セミナー詳細・申込はこちらから

新しい成長企業の導入

成熟業界においても新たな参入者が増えて、新しい成長企業が生まれてきています。

神奈川・横須賀ではaveさんという大型スーパーが成長しています。
大ロット商材も取り扱いつつ、キャッシュオンリーという方針で
安価に販売することを強みとしています。
北関東ではジャパンミートさんが好調です。
Moffさんという、動物とのふれあいカフェを展開している企業があります。
みなとみらいマークイズのセガさんのOrbiが撤退したのですが、
その跡地を含めて何か所も展開しています。
ペット業界では、Coo&Rikuさんが店舗数を増加しており、
すでに200店舗以上展開されています。
アパレル業界ではファストファッション系・オフプライス系の
店舗が増加しており、cocaさんの店舗数は50店舗近くになってきました。

SCにとっては、成長意欲の高い新しいチェーン店の導入をはかるのは王道の手となります。
一方で、クラフトビール、プリン専門店、ベーカリー専門店、
100円ベーカリー、チーズケーキ専門店、チョコレート専門店、和スイーツ専門店など、
私どものメンバーがお手伝いしている地域ブランド専門店も伸びています。
サービス系でも、ヘアカラー専門店やクイックエステなどの地場系専門店が伸びています。

専門店銘柄も世代交代が徐々に進んでいます。
従来から強い定番チェーンに加えて、
新しい成長チェーン店+地元資本の魅力ある業態の導入が必要ですね。

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地域の繁盛店を探してゆこう

SCのテナントリーシングの実態を見ていますと、近隣圏のSCのテナントを調査して、
すでにそういった場所に出店しているテナントにお声がけをする・・・
というオペレーションになっているところが多いように思えます。
もちろん、それはそれで可能性が高く確実性が見込める方法ではありますが、
その結果として近隣のSCみな同じようなテナント構成になってしまうという弊害があります。

一方で、コロナ期から新規開業して成功をおさめている店というのは、多くが「路面店」です。
まずは路面で成功した店をSCが導入するというのは昔から定番ともいえる手法でありますが、
より立地条件が悪く基礎集客が少ない路面店で成功できた店であれば、
基礎集客のあるSCではなお成功する可能性が高いとも考えられます。

ただし、新規創業店舗の多くが直面するのが「3店舗の壁」です。
1号店は成功し、2号店はまあまあ、3号店目は失敗して、
それ以上店数が増えないというパターンです。
これは商品力や宣伝力の問題だけではなく、マネジメント能力にもよります。

リージョナルチェーン、ナショナルチェーンはその問題を乗り越えたので
多店化できているわけであり、そういう企業を導入するほうが確実です。
しかし先述のようにどこも同じような店になり、SCの個性は発揮しづらくなります。
一方で路面店の2号店、3号店を導入する場合は、
これも先述の理由で失敗する確率もナショナルチェーンよりは高くなりますが、
うまく面白い店を導入できる可能性もあります。

いまのSCはコロナで一回リセットされてしまった部分が大きく、
あらためて路面繁盛店を歩き回ってリーシングしてゆく時代になっているのではないかと思います。

弊社でも単品スイーツ関係中心にベーカリーやクラフトビールなど
食品の専門店開発を多数お手伝いしておりますが、
いずれも郊外型単独店や路面店であり、SCインテナントは一号店の成功のあとに
挑むというのが基本パターンになっています。
また、SCインテナントでも既存店の大幅リモデルであれば可能でしょう。

地元の従来型店舗を今流の単品専門店にリモデルする、
路面店の繁盛店をまずはイベント誘致からスタートして常設店化するといった、
過去においても実施されてきた地道な努力を、あらためて見直す時期に来ていると思います。

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これからの商業開発

コロナで一部のセクターを除いて厳しい状況がつづく流通業界ですが、
この先の商業開発の可能性・方向性にはどういうものがあるか考えてみました。

今後有望と思えるものは
1.産直(野菜、果物、花卉、鮮魚、ほか)
2.製造直売(伝統食品、ビール・ワイン、ほか)
3.単品食品店(スイーツ、ベーカリー、ほか)
4.リサイクル(本CD、家電、家具、子供用品、衣料品、スポーツなど)
5.新サービス(生活サービス、医療介護など)

あたりではないかと思います。

1.産直に関しては、SC内に展開する企業の店が増えています。
一方で、道の駅やJA運営の産直もここにきて調子のいいものも多く、
ひところの産直ブームを終えた後の第二エンジンの時代が来ていると思われます。
世の中の産直は年商2~3億円程度の売店が大多数ですが、
20億円オーバーの新規施設も開発されて、伸びる余地がまだありますね。

2.製造直売については、弊社でも多数お手伝いしていますが、
伝統産業(味噌、醤油、漬物、日本酒など)におけるイノベーションが面白い分野となっています。
旧態依然とした業界ほどイノベーションによる振れ幅が大きく、
DX導入や高付加価値化の成果が出やすい分野になります。

3.単品食品店はすでに街中に多数増えており、SCインテナントも増えてきました。
この先、食品のプロモーションも中途半端な品揃えではなく
単品スター化をはかる店のほうがうまくいくように思えます。
これは店づくりだけではなくプロモーションとの連動が必要で、
インスタや動画メディアを上手に活用した店がうまくいきそうですね。

4.リサイクルに関しては、大手のブックオフ、
ハードオフやセカンドストリートなどのチェーン店や、趣味系の大型店が目立ちますが、
地元系の専門店は一度淘汰されてしまった感があります。
今後成長するだろうと思えるのはライフスタイル型のリサイクルストアで、
海外ではすでにそのようなものもありますが、日本ではまだまだこれからの分野といえますね。

5.新サービスはいろいろと新しいものが出ては消えていますので、
どれがいいかどうかはまだよくわからないですが、塾学校系はSC出店が増えてきましたし、
医療介護系なども今後もっと増えると思われます。

SCにとっては賃料負担力という意味ではあまり期待ができないですが、
一方で空室率は減らしていかないといけません。
SCのあり方も変化してゆくと思います。

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【SC経営のヒント590】高級食パン専門店に見る!MS視点でのチャンスの捉え方!

船井総研の佐伯です。

矢野経済の直近の国内パン市場は1.5兆円で、
100%を超える成長率をここ数年維持をしているようです。
その牽引役となっている一つが、高級食パン市場となります。
その火付け役である乃が美は、コロナの影響もあり好調が続いているのか、
テレビCMも直近では打っています。
店舗数も、気づけば全国に192店舗と急拡大をしています。
この市場は自家需要だけでなく、お土産・ギフト需要も捉えて大きく伸びてきました。
 
ライフサイクル理論で考えると、
今後単品特化型専門店が食パンに限らず増加することが想定されます。
ではどのパンが可能性があるのか。
これはMS(=国民一人当たり消費支出金額)が大きいパンのが市場が大きい分、
可能性が高くなります。

食パンも多くの家庭の朝食で食べられており、
コンビニでも扱っていないところがないので、
非常に市場が大きいと言えます。
ただパンの種類別の市場規模データはざっと検索したところ、
見当たらなかったので、代理指標としてマイナビニュースにあがっていた
「好きなパンランキング」(調査時期:2020年2月21日、調査数:510人)を参考にしてみます。

このランキングによると、好きなパンランキングは以下ですね。
1位「カレーパン」(15.3%)
2位「あんパン」(9.2%)
3位「総菜パン」(9.0%)
4位「クロワッサン」(8.2%)
5位「食パン」(7.1%)
6位「クリームパン」(6.5%)
7位「メロンパン」(5.1%)
8位「チョコパン」(4.5%)
9位「フランスパン」(4.3%)
10位「明太フランスパン」(4.1%)

食パンよりもランキング上位が4つもあります。
一番人気のカレーパンは、実は単品高級専門店が出始めています。
札幌では「カレーパンだ。」というお店が狸小路通りに進出しており、連日大行列です。
東京でも、東京駅に「Zopf カレーパン専門店」が
コロナの影響はありますが、並んでいることもまだまだ多いです。

またあんパン専門店で調べても、多少出てきます。
ざっとの印象ですが、専門店の店舗数は「食パン>>>>>カレーパン>あんパン」ではないでしょうか。
好きなランキングで他の商品を上げている人でも、
食パンは食べるケースが多いと思いますので食パンの方がMSが大きいとは思いますが。
カレーパン、あんパンの専門店はまだまだこれからも立地によっては、いけそうな気がします。

MSという1つの指標・考え方ですがこのようにどんなマーケットが次に可能性がありそうか?
考えるきっかけになります。
各分野で概算でもMSサイズを算出してみると、
新しい発見が常にあり、ぜひ実施していただければと思います。

【SC経営のヒント576】商業施設開発に向けた商圏調査・分析

船井総研がご支援しているメニューの一つに
“商業施設開発に向けた商圏調査・分析”があります。
世の中に商圏調査をする会社やツールは多くあり、
例えばその周囲◯◯km内に住んでいる人は
何人?何世帯?高齢化率はどのくらい?どのエリアの人口が増えているのか?
など知ろうと思えば知ることができます。

ただしこうした商圏調査からどういう開発をするべきか?
と実際の開発担当者が頭を悩ませる質問となると
急に答えるのが難しくなります。
多くの調査会社はその部分の提案に関しては、請け負うことが難しいでしょう。

船井総研の強みの一つに商圏調査から分析結果を踏まえた、
提案までできることがあります。
長年商業施設や店舗ビジネスに携わっているメンバーがおり、
過去の事例まで知っていること。
分析のノウハウが蓄積していることからやり切ることができます。
(一般的に失敗事例というのは世の中からなくなってしまいます。
そのため失敗事例まで含めて過去の事例を知っているというだけでも、
“やってはいけない”開発を外すことができます)
 
つい先日もこういった計画を考えているがどうしたらいいか?
というご依頼を受けました。
商圏の調査をすると一見すると周囲の人口はまばらで、
川などの分断要因もあり、開発が難しい場所でした。
とはいえ
1)コンテンツによっては県内の遠出需要は見込むことができること
2)足元需要にも強いコンテンツと組み合わせることでより安定した収益を見込むことができること
からどのようなコンテンツを盛り込むべきか整理をして提示をさせていただきました。
また開発の想定では余ってしまう土地も、
どのような業種へのリーシングが現実的かつ収益につながるのか
議論しつつ、提示をさせていただきました。

難しそうな開発場所でも、広く日本の中では
うまくいっている事例があったりするものです。

そのエッセンスをいかにこの土地でも実現するのか?ここまで提示することで
良い開発に繋がります。
そうした事例をストックしているからこそ、提案までできるのです。

開発の初期段階で、こうした商圏分析から考えられる開発の提案を踏まえて
議論をすることで圧倒的にスムーズに立ち上がります。

もし開発の初期段階で検討に詰まっているものがありましたら
一度ご相談いただければと思います。

【SC経営のヒント566】@cosme TOKYOに見るリアル×デジタル店舗とは?

船井総研の藤田です。

化粧品市場は経済産業省『生産動態統計』によると、
2017年の出荷額は1兆6,325億円となっており、
成熟業界ではあるものの、インバウンド需要の増加により、
市場は伸び続けています。

化粧品のサブスクサービスが始まったり、ニトリが化粧品業界に参入したりと、
新しいニュースは絶えません。

そんな中、年明けに大規模化粧品小売店舗である「@cosme TOKYO」がオープンしました。
オープン日である1月10日に視察に行ってきました。

初年度売上目標は40億円、約400坪で、参加ブランドは200以上です。

店作りにおいて面白いと思った点が以下の3点です。

①@cosmeで蓄積したデータをVMDにふんだんに活用
⇒@cosmeの一番の財産・強みは、口コミの圧倒的なデータ量です。
 デパコスも、バラエティコスメも、プチプラも、全て同じフロアで
 各カテゴリのランキング別に並んでいるのが印象的でした。
 価格もブランドもバラバラです。
 まさに@cosmeのHPの世界に入り込んで、ランキングを見ているようでした。
 
 細かく口コミの数や、店員の手書きPOPが掲載された化粧品は
 思わず手にとってしまいます。ネットとリアルの融合ですね。

②サイネージの設置数多
⇒レジの上は全てサイネージで覆われ、レジにて直前に買われたものや、
 ランキングの変動がリアルタイムで映し出されます。
 まさに生きた店舗です。
 「今あれが売れているんだ~」と、ぼーっと見てしまいます。
 何が売れているか、@cosmeユーザーが一番知りたい情報ですね。
 
 また、各ブランドのコーナーもサイネージを多用していて、
 店全体の雰囲気に活気があります。
 意外と百貨店だとサイネージを使っている店舗(ブランド)は少ないのです。

③「体験」できる仕掛け
⇒ブランドと消費者を繋げる一つの工夫だと思います。
 各所に体験を促す仕掛けがあります。
 (1)ブランドに貸し出すイベントスペースを完備
    ※当日は男性の美容部員がメイクアップ教室をやっていました
 (2)タレントやインフルエンサーがライブ配信するスタジオ
    
 (3)肌診断ができる設備
   ・・・・等々

新しい形の店舗でしたが、
アイスタイルの代表が言うには「しっかりと小売店としての収益を出す」とのことです。

化粧品はどこでも同じ品質で、同じ価格で購入できます。
「選ばれる店舗」になるためには、
自社の強みは何かを正しく認識し、消費者の変化にどんどん適応していける店舗ではないでしょうか。

【SC経営のヒント562】『道の駅の再生』

人口の少ない街での道の駅の再生話を詳しくお伺いする機会に恵まれました。
私共も高速道路のサービスエリアや観光ドライブインのお手伝いをさせていただいたことが多々ございますが、この事例はナルホドそういう手もあるのか・・・と感心するものでした。

売店の売上アップに関しては商品の仕入れと価格設定を見直して十分な粗利率を確保できるようにする、売場については主力商品を定め価値ポイントを明確にして派手にプレゼンテーションや試食を行う、など、ベーシックかつ効果的な打ち手でした。これは私共も普通に提案していることです。

飲食は、観光客が来る場所と来ない場所でやり方が異なります。また、マーケットポテンシャルも大きく変化してくるため、適切な規模設定が重要になってきます。多くの事例では、成立限界を超えた大きさの店をつくってしまって苦労したり、あるいは規模が過少すぎて開業後に十分な売り上げが取れないという場合もあります。
この事例の場合には、直営化せず外部とのコラボレーションをうまく実現していました。

工夫があったのが「ふるさと納税」を活用した販売でした。
地元産品の販売を外部に委託するのではなく、自分たちで実施すること。それも一般的な通販と異なりふるさと納税というプラットフォームを活用して、というところにこの道の駅の工夫を感じました。

過疎化する街では店売りを頑張ったところで、得られる売上の上限は見えてきます。
通販などほかのルートでもってお客さんに商品を届けることを、地域事業者が主体となって取り組むという仕組み、これはとても可能性を感じました。

これは店を見ただけでは分からないことかもしれません。
弊社でも通販に強いメンバーが多数います。来年にかけて、このような支援メニューも充実させていただきたいと思います。

『働き方改革をチャンスに変える!働き方改革時代の経営モデルとは?』

既存施設、既存店舗は商圏を軸に出店、MDを検討してきました。
自社ブランドの必要商圏人口を基準に開発・出店してきたと言えます。

このモデルでは、既存施設・店舗の業績アップは商圏内シェアをあげることですので人口が減れば客数が下がり、競合が出れば業績が下がります。日本の人口は減り続けるので、既存のビジネスモデルでは厳しいことは明白です。

また、これまでは商圏内シェアをアップするために、定休日の返上、営業時間の拡大をしてきましたが、これも働き方改革の影響で難しくなっています。

それでも、固定化した本部経費を賄うには、既存店舗の業績を下げるわけにはいきません。
新規採用も難しい中、根本的に既存のビジネスモデルを見直す必要性があります。
有店舗の業績が厳しいなか、EC化率は伸び続け、オムニチャネル化は避けては通れません。

しかし、本気で取り組み、成果をあげている施設、店舗が多くないのではないでしょうか?

お客様は、その時の気分やスケジュールによってネットと店舗を使い分け
もっと言えば、使い分けている感覚すらないのが実際です。

お客様がどこでも接客が受けられ、どこでも商品を試せて、どこでも買えて、どこでも受け取れる、これが求められているのです。
とはいえ、現実の展開では、商業施設の各店のネットでの売上計上はどうするのか
チェーン内でも、ネット部署と店舗部署の売上の取り合いになっていのが実際です。
当然、施設・店舗においては、商品連携、顧客連携ができていてこのシームレスな購買行動についていかなければなりません。

また、商圏人口をベースにした金太郎あめの出店から、顧客目線で最適なオムニチャネル施策 への切替が必要となります。

例えば、有店舗の人の採用は商圏(立地)が左右します。
地方に行けば行くほど人の採用が難しくなります。
かといって、地方の店舗は人が少なくていいわけではありません。
有店舗のモデルではどうしても、必要人員が決まってしまうのです。
とはいえ、数だけそろえればよいものでもありません。

既存モデルが接客を基本としている以上、接客力がなければ売れないのです。
人がとれない、接客力を鍛えるのが難しいのであれば、人がいなくてもよい、接客しなくても良い店舗モデルに切り替えていくべきです。

例えば、web接客を基本としたチャットセンターがあれば遠隔でも商品接客のプロが回答し、それをAIの回答に変えていくことができる時代になっています。
AIによるweb接客は、24時間、年中無休、商圏関係なく対応が可能なのです。
また、多言語化も対応でき、日本における唯一の伸びしろであるインバウンド対応にも適しています。
このweb接客を前提にすれば、あらたな店舗の役割が見えてくるのではないでしょうか?

食品・飲食の業界が、セントラルキッチンで商品を各店に配送するように
チャットセンターが店舗にお客様を送客することができる時代です。
有店舗の体験、試着、現物確認のニーズは絶対になくなりません。

体験を軸に店舗を組み立てた場合、店頭では体験のサポートをすればよいので、これまでのような接客のできる優秀な店員が必要ではないのです。
これまでの店員は接客もでき、陳列もでき、数字も求められていませしたが、お客様とコミュニケーションさえとれれば問題はありません。

働き方改革の時代をチャンスととらえ、顧客目線の最適なオムニチャネル施策に挑戦してみてはいかがでしょうか?

執筆者 高収益化支援部 丹羽英之