コロナ不況時代の業種導入

コロナ不況の影響で多くのSCで空き床が増加しています。
しばらくの辛抱ではなく、この辛抱は長期化しそうです。
容易ではないながらも、なんとかして床を埋めなければならない状況にきています。
特に外食、アパレルの撤退影響が大きいのが現状ですが、
これまでのように「抜けた業種を別の同業テナントで埋める」
というアプローチは難しくなっています。

SCのテナント構成は、業界ごとの市場規模に応じて
バランスを考えなければなりません。
市場規模が大きいものは多くの店舗数が導入可能ですが、
小さいものは1店舗になり、さらに小さくなる場合は
大型店のワンコーナーとして展開するなど、
市場規模に応じて損益分岐点を下げる工夫が必要になります。

一方でコロナ不況でそれなりに好調な業種もあります。
たとえば自動車は、トヨタ系は比較的好調で、
積極的にSCでイベント販売している会社も多いです。
常設店とするには設備面や賃料面で多少のハードルはあるものの、
空床を活用してということであれば候補の一つとなります。
敷地に余裕がある場合は中古車も考えられるでしょう。

また、メルカリステーションが増加しています。
渋谷の丸井からはじまったようですが、
戸塚など郊外にもすでに店舗展開されています。
このようなネット事業者のリアル店舗(この場合は店舗ではないですが)も、
AMAZON GOのように増加してゆくことになりますので、
これまでとは異なるチャネルからのソーシングも必要となります。

都市部においては美容クリニックや矯正歯科の出店が増えています。
また、リフォームのショールーム店舗やメーカー系ショールーム、
道工具のプロショップなども店舗数が増えています。
クイックエステ、ヘアカラー専門店なども同様です。
市街地を歩いたり車で走ってみて、
看板や店舗の新しいものを片っ端からチェックしてゆくことが大切です。

新しい業種にアンテナをたてて、柔軟にアプローチしてゆくことが大切ですね。

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コロナで変わるSCのビジネスモデル~小商圏化に対応しよう~

緊急事態宣言中の2月14日から客足が戻ってきていると感じている施設、
店舗が多いのではないでしょうか?

とは言え、飲食カテゴリーにおいては、昼間はとれるものの夜がとれず、
業態的に夜の売上構成比の高い店舗は苦戦しているのが実際です。

緊急事態宣言があけ、卒園、入学、フレッシャーズなど、
GWまでは買いのモチベーションが高い時期が続くと思われます。

コロナ化で顕著におこっているのが、小商圏化で大商圏商法をしていた施設・店舗が苦戦しています。
10分:1次商圏、20分:2次商圏、30分:3次商圏だとすると3次商圏がとれていないのではないでしょうか?

売上高=客数×客単価ですから、小商圏化によって減る客数減に対応しなければなりません。
もともと地方都市で広域商圏がとれない施設・店舗では、この客数を既存客の来店頻度アップで対応していくのが基本でした。

来店頻度アップのためには、購買頻度の高い最寄り性の高い商品を強化していくことが必須となります。
飲食では、単純に定食を強化していく、カフェ機能を強化していく、
宿泊業ではデイユースを強化していくといった感じです。
法人から個人、グループからファミリー、はれからけへのシフトになります。

また、客単価は点数×一品単価ですから、ばら売り、組み合わせ、バンドルなどで、
点数アップをしていくことが重要です。
例えば、箱売りのお菓子はギフト需要ですが、ばら売りすることで自家需要を喚起でき、
両方の買い上げを促すことができます。

これまでは外部環境の変化による施設集客のダウンに対して、
施設内テナントはシェアアップで十分に売上高がとれました。
ここでのシェアアップは施設集客に対する入店率・買上率アップであり、
施設集客の落ち込み以上の入店率・買上率を上げることで売上があがりました。

一方、コロナでは3次商圏が取れない分、商圏人口が減り、
シェアだけではカバーできづらい施設・店舗がでてきているのが実際です。
ですので、これからは、自力集客と商圏を超える新たな商品・サービスを付加しなければなりません。
自力集客では、エリアリスティング、グーグルマイビジネス、
SNSの活用、商品・サービス付加ではテイクアウト、デリバリー、受取サービスなどが必須です。

バーチャルチェーンなどを利用した「新しい商品付加」なども出てきています。
お客様も店舗も配送・デリバリーコストを含めて商品・サービスを見極めています。

ピンチをチャンスととらえて、新たなビジネスモデルに挑戦する時代が来ているのではないでしょうか?

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既存顧客に支持されている理由を外さないようにリニューアルしよう

コロナの影響で一時期見送りされていたリニューアルや改装ですが、
長引くことが見えてから”もうこのタイミングでリニューアルをしよう”
と決められた施設も多数あるようです。

リニューアルにおいては、新しい施設を作るときには求められない視点が必要になります。
その視点とは既存顧客の存在です。
ただ既存顧客の声を聞きすぎて失敗してしまうこともあり、
全く聞かなくて失敗することもありそのバランスが非常に重要です。

聞きすぎてしまうケースとしては、今の売り場は●●という点で買いにくい、
もっと通路を広げてほしい!こんな商品を扱ってほしい!など全部受けていたら、
そもそも元の店の原型をなくしてしまったケース。
元の店と全くイメージが異なるお店になってしまうと、もちろん顧客は離れてしまいます。

全く聞かないケースは、利用者の年齢が高くなっているので、
若年層受けを目指してヒアリングをしてリニューアルしようとするパターンです。
これも原因は同じで、既存顧客が離れてしまいます。
よくあるのがやたらと”おしゃれ”なものが出来上がって、かっこよくていける!
と確信したものの、全然顧客がついてこない・・・。
流行りのデザインなどを取り入れるとこうしたケースがあります。

事例として分かりやすいのが、ダイシン百貨店でしょうか。
1964年創業の老舗百貨店です。今はファンド経由でドン・キホーテになっています。
ダイシン百貨店は社長が急逝した後、立て直しに紛争した西山敷が引き継ぎ、
商圏シェア100%を掲げた地元密着サービスを打ち出し、黒字化に成功させます。

ただ2012年のリニューアルを期に潮目が変化。
売り場が幅広になり、特徴だった圧縮付加された売り場が
ゆったりとしたスペースに変わりました。
当時、ダイシン百貨店のファンだった層が残していたブログなどを見ていると、
リニューアル前の売り場に近づくためにドン・キホーテをベンチマークしよう!
と提案しているものですから、皮肉なものです。

このようにリニューアルというのは会社として大きな投資がかかり、
成功するかどうかによって、その後の潮目が変わってしまいます。
その会社が選ばれている本質的な理由を整理して、既存顧客を逃さないようにしつつ、
新規の顧客にも来ていただけるよう考えたいものです。

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地域の繁盛店を探してゆこう

SCのテナントリーシングの実態を見ていますと、近隣圏のSCのテナントを調査して、
すでにそういった場所に出店しているテナントにお声がけをする・・・
というオペレーションになっているところが多いように思えます。
もちろん、それはそれで可能性が高く確実性が見込める方法ではありますが、
その結果として近隣のSCみな同じようなテナント構成になってしまうという弊害があります。

一方で、コロナ期から新規開業して成功をおさめている店というのは、多くが「路面店」です。
まずは路面で成功した店をSCが導入するというのは昔から定番ともいえる手法でありますが、
より立地条件が悪く基礎集客が少ない路面店で成功できた店であれば、
基礎集客のあるSCではなお成功する可能性が高いとも考えられます。

ただし、新規創業店舗の多くが直面するのが「3店舗の壁」です。
1号店は成功し、2号店はまあまあ、3号店目は失敗して、
それ以上店数が増えないというパターンです。
これは商品力や宣伝力の問題だけではなく、マネジメント能力にもよります。

リージョナルチェーン、ナショナルチェーンはその問題を乗り越えたので
多店化できているわけであり、そういう企業を導入するほうが確実です。
しかし先述のようにどこも同じような店になり、SCの個性は発揮しづらくなります。
一方で路面店の2号店、3号店を導入する場合は、
これも先述の理由で失敗する確率もナショナルチェーンよりは高くなりますが、
うまく面白い店を導入できる可能性もあります。

いまのSCはコロナで一回リセットされてしまった部分が大きく、
あらためて路面繁盛店を歩き回ってリーシングしてゆく時代になっているのではないかと思います。

弊社でも単品スイーツ関係中心にベーカリーやクラフトビールなど
食品の専門店開発を多数お手伝いしておりますが、
いずれも郊外型単独店や路面店であり、SCインテナントは一号店の成功のあとに
挑むというのが基本パターンになっています。
また、SCインテナントでも既存店の大幅リモデルであれば可能でしょう。

地元の従来型店舗を今流の単品専門店にリモデルする、
路面店の繁盛店をまずはイベント誘致からスタートして常設店化するといった、
過去においても実施されてきた地道な努力を、あらためて見直す時期に来ていると思います。

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ニューノーマル時代の新常識!

これからの”商業施設”プロモーションは、ワークショップがおすすめ!

商業施設デベロッパーの役割は施設集客、テナントの役割は売上をつくることにあります。
それぞれの役割は、ニューノーマルになったからと言って変わりません。

とは言え、3密回避により、リアル店舗における来店頻度が減り、
店舗の滞在時間が減っているのも事実です。

これまでのようにイベント中心の不特定多数のお客様を集める販促プロモーションから、
特定多数のお客様に切り替えていくことで、決定率の高いお客様を分散集客できるようになります。

この特定多数のお客様は利用するカテゴリー(店舗)、
来店頻度(曜日、時間)にグルーピングすることで、
お客様に適切なアプローチが可能となるからです。

つまり、不特定多数の集客を目的とした全体販促から、
特定多数のカテゴリー(店舗)販促に切り替えることが、
ニューノーマル時代のポイントになります。

具体的には、これまでリアルでおすすめしていた
「ワークショップ」をリアル、ZOOMの両方で開催する方法などです。

リアル店舗がお客様の再来店促進(次回来店予約)、
単価アップ(価値訴求)のために企画するワークショップは、
平日の客数は少ないが、客層の良い時間帯にすることがおすすめです。

複数人が参加するワークショップは、お客様のお悩みに応える形式で開催すると、
お客様の心理的なハードルが下がりますし、
結果として自店のロイヤリティアップにつながっていきます。

このワークショップはZOOMなどを使えばデジタル対応が可能ですし、
同時開催ができるのもメリットと言えるでしょう。

現状のインスタライブ方式はどうしても、売り込み色が強く、
また、視聴者の時間にあわせるとしたら、営業時間外になってしまうので、
まずはワークショップをおすすめしています。

ワークショップの利点は大きく下記7つになります。
・マルチ対応(接客)が可能
・閑散期(アイドルタイム)をいかせる
・デジタルコンテンツとすることで、マルチデバイス対応が可能
・店舗誘導のきっかけとなる
・単価アップのきっかけとなる
・接客時間を短縮できる(事前のお悩みにこたえることができる)
・ニューノーマルに対応できる

また、飲食、食品においては、体験キット、体験セットとして、商品を先にお届け、
リアルタイムで焼き方、作り方、食べ方の紹介ができるといったメリットがあります。

これまでのSCプロモーションは施設集客を最大化するために、
不特定多数のお客様を集客できるイベントが中心でしたが、
各カテゴリー、各店のワークショップを全面に出したプロモーションが
ニューノーマルに対応したプロモーションと言えるではないでしょうか?

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