既存顧客に支持されている理由を外さないようにリニューアルしよう

コロナの影響で一時期見送りされていたリニューアルや改装ですが、
長引くことが見えてから”もうこのタイミングでリニューアルをしよう”
と決められた施設も多数あるようです。

リニューアルにおいては、新しい施設を作るときには求められない視点が必要になります。
その視点とは既存顧客の存在です。
ただ既存顧客の声を聞きすぎて失敗してしまうこともあり、
全く聞かなくて失敗することもありそのバランスが非常に重要です。

聞きすぎてしまうケースとしては、今の売り場は●●という点で買いにくい、
もっと通路を広げてほしい!こんな商品を扱ってほしい!など全部受けていたら、
そもそも元の店の原型をなくしてしまったケース。
元の店と全くイメージが異なるお店になってしまうと、もちろん顧客は離れてしまいます。

全く聞かないケースは、利用者の年齢が高くなっているので、
若年層受けを目指してヒアリングをしてリニューアルしようとするパターンです。
これも原因は同じで、既存顧客が離れてしまいます。
よくあるのがやたらと”おしゃれ”なものが出来上がって、かっこよくていける!
と確信したものの、全然顧客がついてこない・・・。
流行りのデザインなどを取り入れるとこうしたケースがあります。

事例として分かりやすいのが、ダイシン百貨店でしょうか。
1964年創業の老舗百貨店です。今はファンド経由でドン・キホーテになっています。
ダイシン百貨店は社長が急逝した後、立て直しに紛争した西山敷が引き継ぎ、
商圏シェア100%を掲げた地元密着サービスを打ち出し、黒字化に成功させます。

ただ2012年のリニューアルを期に潮目が変化。
売り場が幅広になり、特徴だった圧縮付加された売り場が
ゆったりとしたスペースに変わりました。
当時、ダイシン百貨店のファンだった層が残していたブログなどを見ていると、
リニューアル前の売り場に近づくためにドン・キホーテをベンチマークしよう!
と提案しているものですから、皮肉なものです。

このようにリニューアルというのは会社として大きな投資がかかり、
成功するかどうかによって、その後の潮目が変わってしまいます。
その会社が選ばれている本質的な理由を整理して、既存顧客を逃さないようにしつつ、
新規の顧客にも来ていただけるよう考えたいものです。

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