SCにおけるDX戦略とは?

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本日のテーマ:SCにおけるDX戦略について

ここ最近、DXに関する情報が激増しています。
先日もフードテックで食品製造関連のDX化について学ぶ機会がありました。
スタッフはPCの電源の入れかたすら分からなかった・・というところからスタートされ、生産性向上と有給取得の増加、営業利益の改善まで実現された例をお聞かせいただきました。

SCにおいてのDXは、展開可能な領域は限られているとはいえ、すでに取り組んでいるSCもあり、今後の検討課題といえます。
たとえば、インフォメーションは有人である必要はあるでしょうか。

入退館や荷受け場は事前申請してQRコード受付できないでしょうか。
館内物流も荷物が来たことをスマホで知らせてもらえたら都合がよいです。
館内案内は紙のパンフを廃止してタッチスクリーンにできないでしょうか。
タクシーの電話番号や、バス停の場所と時間や喫煙所、休憩可能場所を表示できないでしょうか。
スタッフの商談記録、催事業者手配、イベント段取りなどをPCスマホでチェックできないでしょうか。
店長会ほか館内の各種会合案内、連絡事項はメールでもいいですがチャットツールに統一できないでしょうか。
研修をWEBセミナー化して接客時間以外に見ていただく方法はないでしょうか。

もちろん投資が発生するものもありますし、費用効果が合わないものもあるでしょうが、各種ツールもこなれてきて導入費用が安いものもあります。省力化効率化につながること、間違いの発生の減少につながること、労働時間の短縮につながることなどは検討の余地ありと思います。
大企業やチェーン店では比較的取り組みが速いですが、ローカルSCや道の駅でもDX化の相談を多方面に情報収集してみる価値はあると思えます。
弊社でもDX支援は激増していますが、どういったITプラットフォームを活用するかといった根本的なところから基幹システムに統合するところまで、業態や企業規模に応じて様々な取り組みがありますので、ぜひご検討下さればと思います。

【商業施設の経営】店舗改善・リニューアルで”やってはいけない失敗”とは?

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本日のテーマ:店舗改善・リニューアルのよくある失敗とは

2021年8月31日の記事までで、SCに入れるべきテナントの具体的なおすすめビジネスモデルをご紹介していきました。ロードサイド型単独集客モデルの小規模店舗ビジネスからメーカー型ショールーム機能をもつ大型店舗ビジネス、「売る」から「貸す」へのビジネス転換など様々ご紹介してきました。

今回は、少し視点を変え、現状SCに入っているテナント(特に小売業)が店舗の改善やリニューアルを行う際の注意すべきポイント・陥りやすい失敗についてご紹介いたします。

店舗にとっての「改善・リニューアル」の重要性

SCのインテナントに限らず、小売業店舗においては、定期的な店舗改善やリニューアルが必要になります。
なぜなら、まず第一に既存顧客の維持のために、来店頻度の向上や顧客満足度を向上させ、顧客を飽きさせない店構えに常にアップデートしていく必要があります。また他方で、新規顧客獲得のためには、時流に沿ったニーズ対応できる店舗が常に求められます。
船井総研には、「自分たちにとっての店舗の”売場”は、同時にお客様にとっての”買場”でもある」という考えがあります。常にお客様が信頼できるような、来たいと思えるような買場を作ることが恒常的な集客につながるため、積極的かつ恒常的に店舗の改善・リニューアルをすることを推奨しています。

店舗改善・リニューアルで”やってはいけない失敗”

ここまで述べてきたように、店舗の改善・リニューアルは常に新しく、常に時流に即して、常にお客様目線で行っていくべきものになります。このことは、小売業においては当たり前とも考えられる考え方でしょう。

しかし、「この考えのもと店舗リニューアルを行ったのに、なぜか売上が落ちてしまった」「店はすごく綺麗なはずなのに、なぜか集客ができない」、そんなことを経験した方や、SCのテナントでそういう店舗があるという方はいませんか?

その原因は、「お客様の導線を意識しすぎた余り、什器数や陳列数を減らしたことにより坪当たり在庫数が減少してしまったこと(商品が少ないと感じさせてしまったこと)」にあります。そもそも、店舗設計の目的は①「お客様を集めること」②「より多くのお客様を捌くこと」の2つです。ある程度集客ができてきて、お客様が集まるようになってきた店舗は、この①から②への転換を目的にリニューアルを実施してしまうのです。

②を目的にすると「いかに多くのお客様を捌くか」を意識しすぎるあまり、「無駄に広い導線を確保してしまう」「商品が見やすいように什器の数を減らしてしまう」「商品が手に取りやすいように商品間の陳列の幅を広げてしまう」といったような設計をしてしまうのです。その結果、お客様が感じるのは店舗の「快適さ」ではなく「虚無感」になってしまうのです。船井総研では、店舗の品揃えをお客様に伝える情報は「売場全体の視覚的情報が7割、その他情報が3割」と考えています。

つまり、お客様が売場を見て、いかに直感的に「このお店にはたくさん商品がありそう」と感じてもらうかが重要なのです。ですから、店舗のリニューアルを実施する際に絶対忘れてはいけないのが「坪当たり在庫数を落とさないこと」です。小売業店舗の多くは、既存顧客が売上のベースを作っています。つまり自店の強みとなっている既存顧客を維持するための既存商品在庫量は100%残したうえで、新規獲得の商品を付加できるようにしていくのが重要です。

従来、店舗リニューアルは売場の増床が前提とされてきましたが、Withコロナで増床が難しい現状を踏まえると、ダウンサイジング圧縮付加型のリニューアルが考えられます。既存商品の売場面積を圧縮させつつ、什器数や在庫量は減らさない店舗リニューアルを検討してみてはいかがでしょうか。

コロナ禍でも堅調な業績を残すSCに共通して見られる”3つのキーポイント”とは?

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SC好業績の”3つのキーポイント”

コロナの影響下においても堅調な業績を維持している事例を見ていますと、ある一定の傾向が見られます。
それは「単品集客」「若年層集客」「SNS集客」という3つの特徴です。

前回オフ会の振り返り-単品集客-

先だってのオフ会でもお話いたしましたが、弊社のお手伝いしております単品ソリューションの事例では、中国地方の観光地でプリンをご当地単品として導入したお店で20代客層の比率が大幅増加し、コロナ禍にもかかわらず順調に業績を伸ばしました。
東北の道の駅でも、ジェラートを導入して昨年比で客数増に成功している店があります。
熱海でも、コロナに加えて土石流災害で全般的に非常に厳しい中でも、ユニークな海鮮丼で勝負する店が行列店舗になっています。
いずれも客層は若年層中心で、認知経路もSNS主体となると思われます。同様の事例は他にも多数あります。
コロナ直前に導入したところがより成果が上がっていますが、コロナになってから開業した店もあります。

若年層集客とSNS

緊急事態宣言解除で人の流れも活発になると予想されますが、よりアクティブなのは若年層と期待されます。
高齢者主体のバスによる団体観光はほぼ壊滅的であり、サービスエリアや地方の観光地など団体集客の多かった店は大打撃をこうむりました。コロナの心配が大きい高齢者の観光は依然としてスロースタートにならざるを得ないと思えます。

SNS集客については、インスタ等による直接的な集客だけでなく、そこから波及してテレビやミニコミ誌に取材されることで集客効果が相乗する傾向が強いです。地方のテレビ局はPRTIMESなどのプレスリリースメディアやSNSで話題の店をピックアップすることが多く、まずはメディアに注目されるためにもSNS集客は有望といえます。
そして多くの成功店舗は社内で自前で工夫して取り組んでいます。
きちんと企画を煮詰めて、コンテンツを練って、インフルエンサーを探して、といった取り組みを社内広告部門が実施しているところが成果を上げています。最初は素人でも、すこし勉強すれば写真の撮り方、メッセージの絞り方、ページでの見え方などどんどん工夫されて洗練されてゆきます。
弊社でもそのような取り組みを支援させていただいていますが、企画運用を広告会社に丸投げするよりもずっとローコストで効果的です。
イベントについても、これまで大規模のものが打ちづらい環境ではありましたが、ミニイベントを多数やるのであれば可能ですし、数が多いほうがより効果的になります。

SCというのはもはやプチ観光地であり、売れているものは「お土産」です。
生活必需品だけであれば安売りスーパーとドラッグストアとコンビニだけでOKになってしまいます。
これからのSC復活を力強く推進するためには上記の3つのポイントを打ち出してゆくことが効果的と思われます。