商業施設のワクワクを作り出していこう

商業施設の運営者が、自分たちが地域から本当に愛されていたのだと知る瞬間があります。
それは閉店したときです。

最近では綱島のイトーヨーカドーが話題になりました。
私自身がリアルで目撃したのは、かつて池袋である大型店が閉店になったとき、閉まったシャッターにびっしりとメモが貼り付けてあったことです。
そこにはお客様から、お店に対しての思い出や感謝が多数書き連ねられていました。
それを見て心を打たれた記憶があります。
願わくば、このようなお客様の想いをもうすこし早く知ることができていたら、お店側も一念発起できて復活する芽もあったのではないかとすら感じました。

SCや駅ビルは商売の場であると同時に、街づくりの中核になっています。
地元の方々は、そのSCの中でいろんなことを経験して、人生ドラマの一幕を刻んできたことでしょう。
SC運営側にとっても、地元の方々からそのように「想って」いただけていることを知ることは励みになってとてもよいと思います。

創業20周年記念で、お客様に自社SCの思い出を募集したSCがありました。
それを印刷して壁一面に掲示してくださっていました。
そこには、この20年間のなかでのお客様のエピソードが多数紹介されていました。
「このSCで初めてデートした方といまは明るい家庭を築いて子供にも恵まれている・・・」など、様々なお客様の人生ドラマの一幕になっていたことがうかがい知れます。
SCスタッフもこれを見て心を打たれたことだろうと思いますし、自分たちの仕事に誇りを感じて、やる気も高まったことだろうと思います。

日本のSCも歴史を刻んでいるものが増えてきました。
刻んだ歴史を活かして、SC運営側の士気を向上し、楽しくワクワクする運営につなげることがとても大事だと思います。
お客様にワクワクしてもらうためには、自分たちもワクワクできることが大切ですね。

プロ店長に共通する想定力とは?

いかなる環境下でも

期待される成果を

出し続ける

優秀店長のことを「プロ店長」と呼んでいますが

なぜ、プロ店長はいかなる環境下でも成果を出し続けられるのでしょうか?

特に、いかなる環境下とは暖冬、冷夏、台風といった異常気象など現場でコントロールが難しいものです。

とは言え、実際の現場では「異常気象だけでなく、天災、震災やコロナ禍でも」で成果を出し続ける店長が必ず存在します。

そういった店長に共通するのが「想定力」です。

例えば、冷夏、暖冬、台風、地震でさえ、過去において繰り返しおこっているものです。

その時の事象をしっかりと検証、ルール化し、次なるアクションプランをたてること、これが想定力となります。

その際に、自己完結することなく、チェーン内外に適切なモデルがあるかを検証することも重要です。

日常業務のPDCAサイクルは自己完結でまわすことはできても、イレギュラーなことは広く内外に情報をもとめ、検証・ルール化し、アクションプランをたてる必要があります。

また、そういったイレギュラーな環境下においてお客様、スタッフ、デベロッパー、会社は何を期待するのか、そこに考えをめぐらすことも想定力になります。

普段業務においては、売上、利益なのかもしれないですが、ケースによってはスタッフやお客様の安全、安心を優先すべきなのは言うまでもありません。

お客様にとっても、スタッフにとっても応援され続ける店舗になるためにも、想定力を鍛えていきたいものです。