商業施設のワクワクを作り出していこう

商業施設の運営者が、自分たちが地域から本当に愛されていたのだと知る瞬間があります。
それは閉店したときです。

最近では綱島のイトーヨーカドーが話題になりました。
私自身がリアルで目撃したのは、かつて池袋である大型店が閉店になったとき、閉まったシャッターにびっしりとメモが貼り付けてあったことです。
そこにはお客様から、お店に対しての思い出や感謝が多数書き連ねられていました。
それを見て心を打たれた記憶があります。
願わくば、このようなお客様の想いをもうすこし早く知ることができていたら、お店側も一念発起できて復活する芽もあったのではないかとすら感じました。

SCや駅ビルは商売の場であると同時に、街づくりの中核になっています。
地元の方々は、そのSCの中でいろんなことを経験して、人生ドラマの一幕を刻んできたことでしょう。
SC運営側にとっても、地元の方々からそのように「想って」いただけていることを知ることは励みになってとてもよいと思います。

創業20周年記念で、お客様に自社SCの思い出を募集したSCがありました。
それを印刷して壁一面に掲示してくださっていました。
そこには、この20年間のなかでのお客様のエピソードが多数紹介されていました。
「このSCで初めてデートした方といまは明るい家庭を築いて子供にも恵まれている・・・」など、様々なお客様の人生ドラマの一幕になっていたことがうかがい知れます。
SCスタッフもこれを見て心を打たれたことだろうと思いますし、自分たちの仕事に誇りを感じて、やる気も高まったことだろうと思います。

日本のSCも歴史を刻んでいるものが増えてきました。
刻んだ歴史を活かして、SC運営側の士気を向上し、楽しくワクワクする運営につなげることがとても大事だと思います。
お客様にワクワクしてもらうためには、自分たちもワクワクできることが大切ですね。