━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.301 ━ 2011.11.17
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:集合論的マーケティングアプローチ 2』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『集合論的マーケティングアプローチ 2』
ここしばらく、比較的ニッチな専門店業界の動向を見ています。
一例ですが、郊外型の文具専門店、建材などのプロ向け資材の専門
店、作業服の専門店、自動車整備工具の専門店、電材パーツの専門
店など、狭いターゲットとカテゴリーで小さな店を多数展開すると
いう企業が、あまり目立たないですが伸長してきています。
飲食でも、酒やワインの立ち飲み店、生スパゲティ専門店といった
カテゴリーで出店が増加しています。
一昔前はテナント出店であれロードサイドであれ、多くの業種で
1店舗1億円の年商確保がひとつの目安となってきていました。
ですが、最近出店が増えている企業のモデルは1店舗5000万円で
しっかり利益のでるモデルになっていると思われます。
総合店が立地を開発し商圏を生成したあとに、周囲に専門店が次々
と出店して総合店の部門部門のシェアを奪ってゆく・・・こと日本
においては、このような流れというのが一般化しているように思わ
れます。
米国ではウォルマートがカテゴリーキラーを次々と倒産に追い込ん
でいるのですが、こと日本では後発参入の専門店業態のほうが、お
おむね問屋MDで展開する総合店より商品・接客において有利に展開
している事例が多いといえるでしょう。
業種のくくりを脱して業態のくくりができ、現在は業態のくくりを
脱して、どういったターゲット・客層・用途、あるいは商品に絞り
込んで「選ばれる」店になってゆくかというのが各社の課題であり、
現実に成功しつつある企業はそれを先んじて取組めたということに
なります。
総合品揃えの企業のお手伝いをしていて感じることは、このような
取り組みを実際にやろうと思った際に、商品部の部門の壁を破るこ
とが出来ずに、結局はバイヤーがお互いけん制するばかりで(仕事
を押し付けあう)、意図したような品揃えにつながらないことがあ
ります。これなどは組織体制の見直しに至るまでの改革が必要にな
り、容易な問題ではなくなってきています。
商品分類の基礎が20年以上前に作成されたものを下敷きにしている
企業は多いのではないでしょうか。
各商品で部門の改廃と再編をすすめ、現代の消費者の志向にあわせ
た商品MDへと変革させることが大切になります。
その際にキーポイントになるのは「安売り屋」からの脱却です。粗
利率アップという経営的な意味だけでなく、安売り屋には卸してく
れない問屋筋が人気商品を有しているのです。
GMS、ホームセンターなどのチェーン展開の総合量販業態は、すで
に大きな曲がり角をすぎているように感じます。
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■週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
ご意見・ご感想お問い合わせなどは⇒ info-sc@funaisoken.co.jp
発行人:山本 匡(やまもとただし)
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発行所:株式会社船井総合研究所 第2経営支援部
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-6-6日本生命丸の内ビル21階
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タグ: マーケティング
【SC経営のヒント299】:『集合論的マーケティングアプローチ』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.299 ━ 2011.10.20
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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『Main Contents:集合論的マーケティングアプローチ』
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『集合論的マーケティングアプローチ』
オフ会でお話している通り、SC、大型店百貨店の時流としては、
1992年ごろをピークとして、以降売上・坪効率は低下する一方と
なっています。
また、ここ10年程度は、巨大なショッピングセンターが数多く
開発される一方で、「大規模化」というのが物販店の主要トレンド
だったように思います。
しかしながら、購買経験が進むにつれて、ヘビーユーザー化の
流れが進んでいます。
一例として、宝石業界ではブライダル専門店の出店が加速して
います。
総合的品揃えは必要なく、ブライダルリングのみを販売し、
ブライダル客のみをターゲットにした業態ですが、そのような
ニーズの顧客にとってはベストの選択肢を提案できるという
コンセプトの店づくりです。
現在、高収益であることもあり、店舗数が増えています。
自動車整備工具の専門店や建材の専門店というのも増加中です。
あまり目立たない業態ですが、業務ユーザーやマニアユーザーを
ターゲットにした専門店業態で、店舗面積はそんなに大きくは
ないですが、ホームセンターとは異なり明確にマニアユーザーや
プロユーザーにターゲットを絞った展開をしています。
これまでGMSやホームセンターなどの大型店で取り扱っていた
部門を切り抜いて、絞られたターゲットや絞られたユースに
特化した専門店が今後ますます増えてくると思われます。
切り口は、より小属性にスポットをあてて、
より専門的な対応ができる業態です。
言い換えますと、現在の専門店は次の世代に向けた
小属性専門店を開発してゆかねばならないといえます。
面白い専門店があるから、自分の店に取り込めばいい・・・
というのも一つのアプローチですが、モール型のSCが大規模化して
GMSの平場がどんどん縮小化するように、今後小属性専門店の
集合体というものがSCの中に形成されてゆくことになるといえます。
一方で既存店売上アップは客層拡大ユース拡大、
しかしながら一方では小属性に絞り込んだ専門店展開。
これからしばらくは、この方法論が模索されることに
なると思います。
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【SC経営のヒント293】:『集合論的マーケティングアプローチ』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.293 ━ 2011.09.01
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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『集合論的マーケティングアプローチ』
ホームユースが主となっていた時代のマーケティングの方法論は、
予算帯別MDというのが基本になっていました。
価格が安いもの、中間程度のもの、高いものと分けると、
売れ筋価格を中心に上下に品揃えすることで、
お客様の予算や用途にあわせた品揃えの幅を持つことで
より魅力的な品揃えにしてゆこうという考え方です。
これは相変わらずマーケティングの王道であり
基本の方法論であることに変わりはないと思えます。
これは確率論的マーケティングアプローチともいえます。
しかし、ホームユースは購買経験が進むにつれパーソナルユースに
なり、パーソナルユースの低年齢化が進んでいます。
たとえば歯磨き、シャンプーリンス、はてはテレビやオーディオも
一家にひとつではなく、各人それぞれの好みや生活スタイルに
合わせて多種多様な選択がなされ、家族で同じものを
共用するというのはどんどん少なくなっています。
このような各人の趣味志向に対応するマーケティングの方法論は
集合論的なマーケティングアプローチであるといえるでしょう。
この手法によるマーケティングを展開している代表業態は
セレクトショップであるといえます。
確率論的な発想ですと、「量数幅」アイテム数多・・価格幅広・・
在庫量多 という方向になりやすいのですが、
集合論的アプローチでは必ずしもそうはならず、
アイテム数・価格幅・在庫量は結果として「価値観・世界観」が
合う商品を集めた結果一定の水準になるということになります。
お客様の声を聴くフォーカスクラブを毎週実施している
スチュレオナードというNYの繁盛食品スーパーも、
通常日本のスーパーでしたら1万SKU以上ある品揃えが
1000SKU未満程度しかなかったことに驚かされました。
お客様の声を聴きつつも、自らの得意に
絞り込んだマーケティングで繁盛店となっています。
パーソナルユース化の流れはどんどん進行していますので、
確率論的なアプローチだけでなく集合論的なアプローチも
理解する必要があります。
現に、目下好調な大阪駅ビルのルクアなどを拝見しますと、
もはや紳士婦人子供雑貨のフロアなどという発想はなく、
各フロアごとにテーマ発想でMDが構築されており、
これなどはすでにライフスタイル的な発想で
グルーピング(集合論)を組み立てた結果の展開といえます。
集合論的アプローチの例について、
これから何度かに分けて申し上げたいと思います。
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発行人:山本 匡(やまもと ただし)
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