【SC経営のヒント573】蕎麦屋の募集広告

船井総研の佐伯です。

先日、蕎麦屋で募集広告を出したら募集が倍増したという事例がありました。
当初は「伝統的な蕎麦屋です!週に5日以上募集」
のような一般的なキーワードでの募集をしていました。

ただ想像の通りこれでは全く人が集まらず・・・・。

急に集客を倍増させた広告とは
「業務時間中、誰とも話さなくてもいい仕事です。」という広告の打ち出しでした。
これに変更してから2週間の出稿期間中に
50人からの募集を集めることができたと。

どんな仕事も本当に求める能力は
マネジャー以外のプレイヤーだと
要素分解をすると一部であることが多いです。

蕎麦の場合では、人とコミュニケーションを取ることよりも
丁寧に、黙々と蕎麦を打てる根気強さが何よりも重要です。

不特定多数と話すことが嫌な人はたくさんいます。

こうした人達に向けたメッセージにすることで
反応をあげることができるのです。

特に以下の~だけ仕事を切り離すのは手軽に取り組むことができます。
・手を動かすだけの仕事
・書くだけの仕事
・話すだけの仕事

人が足りない今は
超人的な人を求めるよりも
一部を秀でている人を集めるという視点が
大事になってきます。

コロナの収束がいつになるか予測ができない状況ですが
将来を見据えて
手を考えていきたいですね。

SC経営のヒント572施設テナントは商圏(客層)の変化に対応できてますか?

この商圏(客層)の変化は下記のような様々な場合におこります。
・商圏内に競合施設が出店
・商圏内の既存施設がリニューアル(自施設も含む)

首都圏では、商業(複合)施設の開発・リニューアルが続いています。
これらの開発・リニューアルで、既存施設の売上が下がることは希で、
むしろプラスにふれます。
例えば、渋谷商圏において「スクランブルスクエア」「フクラス」
「パルコ」の開業は、渋谷エリアの商圏拡大につながります。
ただ、商圏が拡大して、施設客数が増えているにも関わらず、
売上が下がってしまう施設・テナントが出てくるのも事実です。
そういった店舗の特徴は、大きく2つで、一つはネガティブ
(しかたないといった消極的)な理由で選ばれていた店舗、
こういった店舗は比較対象となる店舗が増えることで、
客数が減ることになります。
もう一つは、同一チェーン店の出店により、客数をシェアすることになる店舗です。

そういった店舗は、下記のように、商圏(客層)の変化に対応できていないのが実際です。

インバウンドがとれる立地に変わったのに、免税対応していない
オフィス需要がとれる立地に変わったのに、従業員向けに対応していない
ベビーカーがとれる立地に変わったのに、子供向けの商品・サービスがない

一方、チェーン店であっても数字がとれている店舗は、商圏(客層)
に合わせた売り方ができています。
それにより、自力集客できるチェーン店が伸びています。

施設テナントにおいて、売上、客数といった数字は、お客様の支持率です。
つまり、このお客様の支持率の変化に合わせて対応していくことが重要です。
売上構成比×伸び率が高い部門、商品、それらが、どんな客層に支持されているのか、
あるいは支持されなくなってきているのかを丁寧に検証し、
仮設を立てて行動していくことがポイントです。
ぜひ、チェーン店であっても、商圏相応、力相応で一番化を目指してもらいたいものです。

【SC経営のヒント571】店舗ビジネスのコロナ対策について

船井総研の山本です。

コロナウィルス不安で外出が減り店舗売上にも影響が出ています。弊社では財務専門家を中心に、まずは当座の資金繰りの確保から、というお話をお伝えさせていただいております。

物販関係の各業種コンサルタントからの情報では、全体としては厳しいながらも、個々には対策を打って成果を上げている事例を紹介させていただきます。

・カー用品業界 集客の絶対数が落ちる中で、WEB予約にて整備点検サービスの入庫を促進し、物販では売上が落ちているがサービス収入で巻き返している。

・菓子業界 休校中のお子様応援企画として、お団子のセールを実施し、通常日販の4倍の売数をあげる

・食パン専門店や単品スイーツ専門店など、時流適応しているビジネスは悪影響はなく、むしろ売上が伸びている店が多い

・通販は総じて伸びている会社が多い

・家電専門店では、集客はダウンする中で高付加価値な次亜塩素酸空気清浄機を中核にセールスして売上をつくっている

・ホテル・飲食 時短営業や臨時休業を導入して、売上が下がる分シフト組を楽にした

このほか、出前を強化している飲食店というのもあります。
フリー来客が減少する中で、予約販売や通販、お届を強化するところが増えています。

すべての業種で同じように取り組めることばかりではないでしょうが、近隣リピーターの来客は観光客ほど落ちていませんし、むしろ子供の自宅待機で「巣ごもり需要」は増えています。観光系も遠出をあきらめて近隣小規模施設での観光にシフトしている傾向が強いように感じます。

依然として厳しい状況ではありますが、嘆くのみで終わらず、いまだからこそ出来ることを小さくとも取り組んで、すこしでも業績の回復に役立てていただければと思います。

【SC経営のヒント570】接客をしないビジネスモデル

船井総研の佐伯です。

先日、スカイラークさんが展開されているガストに
久々にいってきました。
24時間営業をやめるなどで非常に話題ですよね。

行ってみてなんと店員の接客、客席案内がゼロに。
なぜかというと空いている席に座ってタッチパネルで
来客人数を入力して
その後タッチパネルで注文という流れに変わっていました。

正直ガストに接客を求めていないため
僕としては非常に居心地がよくなった感すらありました。

このように現在、働き改革の流れもあり
これまで人が担っていた業務を
機械が代替する。テクノロジーが代替するという領域が増えています。

アメリカに行ったときに衝撃を受けたものの一つに
完全自動デリバリー店舗がありました。

これはどういうことかというと
お客さんはタッチディスプレイで商品を注文し
クレジットカードで支払いをします。

支払いをすると自分の番号がわかる紙が提示され
商品ができたらその番号が画面に表示されて
その商品を受け取るというものです。

商品の受け取りもロッカールームのように
番号分けされているスペースが壁一面に
40個ほどあり
その中に厨房の人が商品を配膳し
画面上でお客様をお呼びするという仕組みです。

そのため商品を受け取るまでに人と出会うことは一切ないです。

これも接客をしないという選択をしたビジネスモデルになっています。

このように飲食が早いですが
接客をしないようになる(=比較的安価なものは)
と思います。

ということはお客さんの価値観も
接客がなくても
別に不満に思わないということです。

オフィスの受付も
徐々に受付がいない会社が増えています。
これも今では当たり前ですよね。

歯医者や美容院は自動受付でも
全然問題なくなるでしょう。

目指すべき会社像にもよると思いますが
先を見越して
コスト削減できるところはぜひ検討してみましょう。

【SC経営のヒント569】売上を上げよう!販促施策だ!・・・まず何からする?

船井総研の藤田です。

インテナントの飲食店さんからこんな声をよく聞きます。
「館ルールが厳しいんです!」と。

商業施設ではテナントに対して様々なルールがあります。
・この区画から販促物は出てはいけない
・壁に販促物を貼ってはいけない
・イーゼルの大きさは~未満でなければいけない
・ウェイティング場所に販促物を置いてはいけない
・独自のDMやフェアをやる場合は必ず事前に相談しなければいけない
等々・・・・

そんな中で、
「インプロによるインストアシェアを上げて業績アップしたい!」
「アウトプロによるエリア集客を強化して業績アップしたい!」
といっても、施設内ルールを守った上での施策になり、
店長は悩んでしまい、行動を起こせないというのをよく見ます。

そう悩む以前にまず重要なのは、

①館・自店客層を理解する
②自店の強み(支持されている曜日・時間・メニュー販売数・客層)を数字で理解する
③客層に合った商品・接客・サービスを提供できているか確認する
④自店の強みを現在のインプロ×アウトプロで打ち出せているかどうかを確認する

です。
①~④を理解し、確認したうえで、初めて販促施策(インプロ・アウトプロ)を
検討する段階に入ります。

差別化の8要素でいうと、一番上位にくるのが「立地」であり、
「立地」により「客層」が決まります。
例えば、上階にオフィスがくっついている駅ビルの場合、

・オープンからランチ:オフィス客
・ランチからカフェタイム:買い物客・ベビーカーママ友
・カフェタイムからディナー20時頃まで:買い物客・お一人さま
・ディナー20時以降:オフィスの接待商談飲み会

のように、時間帯別に客層が異なります。
時間帯別にその客層に合った、商品・接客・サービスを提供できている場合、
アイドルタイムは無くなり、テーブル稼働率が上がり、業績は上がっていきます。

ちょっと当たり前のようにも聞こえますが、
例えば、
・クラフトビールのお店で、平日ランチタイムに一番目立つイーゼルでビールを推している
→そもそもランチ時にビール頼まないのでは?ランチプレート目立たせた方がよいのでは?
という事象が多く発生しています。

ルールを守ることも重要ですが、
今一度自店の強み弱みを数字で分析し、
立地=客層に合わせた商品・接客・サービスを提供する、それをインプロアウトプロで打ち出すことが最優先です。