新しい成長企業の導入

成熟業界においても新たな参入者が増えて、新しい成長企業が生まれてきています。

神奈川・横須賀ではaveさんという大型スーパーが成長しています。
大ロット商材も取り扱いつつ、キャッシュオンリーという方針で
安価に販売することを強みとしています。
北関東ではジャパンミートさんが好調です。
Moffさんという、動物とのふれあいカフェを展開している企業があります。
みなとみらいマークイズのセガさんのOrbiが撤退したのですが、
その跡地を含めて何か所も展開しています。
ペット業界では、Coo&Rikuさんが店舗数を増加しており、
すでに200店舗以上展開されています。
アパレル業界ではファストファッション系・オフプライス系の
店舗が増加しており、cocaさんの店舗数は50店舗近くになってきました。

SCにとっては、成長意欲の高い新しいチェーン店の導入をはかるのは王道の手となります。
一方で、クラフトビール、プリン専門店、ベーカリー専門店、
100円ベーカリー、チーズケーキ専門店、チョコレート専門店、和スイーツ専門店など、
私どものメンバーがお手伝いしている地域ブランド専門店も伸びています。
サービス系でも、ヘアカラー専門店やクイックエステなどの地場系専門店が伸びています。

専門店銘柄も世代交代が徐々に進んでいます。
従来から強い定番チェーンに加えて、
新しい成長チェーン店+地元資本の魅力ある業態の導入が必要ですね。

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SCにおける”ポップアップ店舗”の有効活用

小売事業は、商圏の変化に合わせて、新しい事業形態が常に変化してきました。
地域密着の小商圏に対しての商店街型店舗から、商圏を少し広げる形でロードサイド型店舗に変化、そしてより広い商圏の人を集めるためのSCへと発展を遂げてきました。

大型商業施設であるSCに様々な人が集まり、

そんなSCもWithコロナによって、「簡単にお客さんを集めることができる」時代は終わったともいえます。店舗がお客さんを集めるために、品揃えを変化させ充実させるのと同じように、SCも「店揃え」を変化させ、SCの中身を充実させていくことが求められています。
そこで有効活用できるSCの新たな店舗のあり方が「ポップアップ店舗」です。
ここでのポップアップ店舗とは、SCの中のベストポジションで実施する店舗です。従来の空き区画の催事出店とは異なります。ベストポジションに場所を固定し、計画的に期間限定で出店してもらう形の店舗形態のことを意味します。新しい都心の駅ビルや百貨店が取り入れている傾向にあります。

では、このポップアップ店舗のメリットとは何なのか?
SC側・出店者側・お客様側に分けて見ていきます。
SC側のメリット
①店揃えを充実させることができる
→期間限定で様々な店舗が出店することで、お客さんを飽きさせない施設づくりを可能にする。
②様々な客層のお客さんをキャッチすることができる
→出店店舗の種類が増えることで、お客さんの様々なニーズに答えることができる。
③出店する店舗のトライアルができる
→出店前にポップアップ店舗を活用することで、お客さんからのニーズを確認できる。

出店者側のメリット
①SCへの出店のトライアルができる
→SCへ本出店する前に客層の違いや商品のニーズなどを確認することができる
②SCへの出店コストを削減できる
→本出店よりも低いコストでの出店が可能
③新規顧客にリーチをかけられる可能性がある
→SCに来客したお客さんで新たに自店(ブランド)を知ってもらうチャンスになる

お客様側のメリット
①旬や流行の店舗に触れることができる
→短期間出店なので、行くたびに違った様々な店舗を目にすることができる
②店舗の商品を直で体感することができる
→なかなか近くに店舗がないというような商品についても、オンラインだけでなくSCのポップアップ店舗にて生で見ることができる

このようなポップアップ店舗を活用することで、SC・出店者・お客様の三方良しのSC作りが可能になります。「お客さんを集め続けることができるSC作り」を実現して頂ければと思います。
次回の記事にて、ポップアップ店舗を活用した新たなSCの取り組みについてご紹介したいと思います。

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どんなSCにしたいのか

緊急事態宣言も延長され都市部のSCや百貨店、
観光地については厳しい状況が続いていますが、
かれこれ1年を経て立地別の優勝劣敗が明確化してきています。
郊外立地はそれまでちょっとしんどいところが多かったのですが、
ここにきて大都市近郊の立地は比較的調子がいいです。
和洋菓子の単品専門店、クイックエステやヘアカラー専門店などの
新手のサービス業態、大都市圏ではない駅前の外食店舗などに
新たな繁盛店が出現し始めてきています。

成功のポイントは様々ですが、
食品関連では船井幸雄がかつて常々語っていた
「本物化」にあるように思います。
見た目の演出やインスタ販促もさることながら、
食べて「おいしい」かどうか、サービスがしっかりしているかどうかといった、
基本的な力がしっかりしているかどうかが繁盛店化するポイントになってきたと思います。

これまでは好景気型マーケティングでずっとやってきましたが、
いまはすっかり不景気型マーケティングにシフトが必要になっています。
不景気型マーケティングの要点は
「好景気時代の消費体験をより安価な価格で得られる」になります。
これも船井幸雄が20年以上前にバブル崩壊の後に語っていたことです。
消費者の消費体験は相対的なものであり、
比較の対象というものがあります。それはこれまで体験してきたことです。

地方都市で東京の有名店のようなメニューとサービスを
しっかりやっているイタリアンがあり訪問してきましたが、
お手軽な価格で地元比較ではあきらかにワンランクツーランク上の
満足度の店になっており繁盛していました。
従来こういったことはナショナルチェーンが強かったのですが、
ナショナルチェーンにはないスタッフトレーニングができるのは地元店の強みといえます。
オーナーの想いがすみずみまで実現できるのは小規模企業ならではの強みといえます。

SCもナショナルチェーンのリーシング頼みではなく、
地元優良店舗、地元でなくても隣接地域の優良店舗を
これまで以上に足をつかって開拓してくる時代になっています。
そういう企業にアプローチする際に、
自分たちにも熱い想いがあることをしっかりお伝えせねばなりません。
「いま場所があって賃料いくらで、よかったらやりませんか?」
こういった軽いアプローチだけではそういうオーナーの琴線に触れないこともあるでしょう。

自分たちはどういうSCをつくりたいのか、
お客さんにどう楽しんでほしいのか、
SCを通じて世の中に何を表現してゆきたいのか。
いまいちどSCとしてのあり方を見つめなおして、
新たなる繁盛店開拓に動いていただけましたらと思います。

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ニューノーマルなSCテナント会のあり方 Vol.3 -NPSの活用による売上向上施策-

今回は、前回記事に引き続き「ニューノーマルなSCテナント会のあり方」についてご紹介いたします。

前回記事では、テナント会が新たに実施すべきデジタル施策「LINE活用によるテナントコミュニティの活性化施策」についてご紹介いたしました。非対面を前提とする中で、いかにテナント同士の関係性を深め、コミュニティを活性化することによって、顧客化の基盤づくりができるかがキーポイントでした。

一方で前々回の記事でもお伝えしたように、テナント会には「SC全体の売り上げアップのために、店舗の顧客体験価値(CX)の最大化を図る」という、もう一つの重要な役割があります。こちらも従来は、対面型を前提とした店舗「ミステリーショッパー」を実施していましたが、withコロナ時代においてこのような施策も実施が困難な状況にあるのではないでしょうか。

そこでwithコロナに対応した、ニューノーマルな取り組みとしてご紹介するのが「NPSの活用による売上向上施策」です。NPSとはNet Promoter Scoreの略で、顧客ロイヤリティを計測する指標とそのアンケート調査のことをを指します。

具体的にNPSでは、お客様に対して「このサービス・商品・店舗を友人や同僚におすすめする可能性はどれくらいか」「またその理由はなにか」という質問を投げかけるアンケート調査を行います。その一元化されたアンケート結果をもとに、現状の店舗の良い点を洗い出し、顧客体験価値、つまり店舗のお客様への提供価値を高めていこうという施策なのです。

①ミステリーショッパーとNPSの違い
・評価者の違い:MS→調査員評価 / NPS→お客様評価
・コストの違い:MS→高い/ NPS→安い
・フィードバック時間の違い:MS→遅い / NPS→早い・リアルタイム
・分析の方向性:MS→課題解決型 / NPS→長所伸展型

②NPSが顧客体験価値を高め売上を向上させることに有効であるポイント
・「満足度」ではなく「推奨度」を測るため、業績との相関性が高い
・スコアをつけた理由までわかるため、経営改善や現場改善につなげやすい
・アンケートが簡易的で様々な形態での実施が可能

このようにテナント会には「NPSを活用した顧客体験価値の向上」という新しいあり方が求められます。顧客体験価値を向上させることで、ロイヤルカスタマーを増やし、SCの安定的な経営を実現していきましょう。

本日ご紹介したNPS活用施策について、NPSについてのより詳細な解説、具体的な導入事例や実施方法、実施後の運営方法などについては、
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