ウィズコロナで求められる「決定率」を高める売り場のポイントとは?

皆さん、こんにちは。

いつもメルマガをご覧いただきありがとうございます。

 

先々週から、新しい顧客体験の創造をテーマに、マーケティング、マネジメントの両面から期待される成果を出し続けるプロ店長の事例をシリーズでお伝えしています。

今回は「売り場」をテーマにお話ししたいと思います。

 

コロナ禍で行動自粛となってから約2年間、買い物や気晴らしに出かける人の数が減り、ショッピングセンターの来客数も減っていきました。

それはもちろん売上にも直結していて、みなさまも数字作りに頭を悩ませているのではないでしょうか。

 

しかし反対に、良い方向にユーザー行動が変わった点もあります。例えば・・・

 

・外出する回数が減っているから、1回あたりの買い上げ点数は増えている

・何となく見て回るのではなく目的買いが増えているため、滞在が短くても決定率が増えた

・ECでの購入率が増加した

 

このようなコロナ禍の購買行動の変化は、2年という長い間に習慣化し、定着したといえます。

業種問わずECの伸びが顕著ななかで、お客さんには「店舗でしかできない体験」がますます価値を高めています。そのために事前情報提供や情報とリンクしたシームレスな売り場づくりを提案していかなくてはいけません。

 

つまり我々は、変化し定着した購買行動に対する対応を、アフターコロナの今後もますます加速させるべきではないでしょうか。

 

 

「サッと済ませたい」「濃い時間を過ごしたい」

カスタマージャーニーを意識した売り場づくり

上記でも申し上げたように、いつでもどこでもシームレスな買い物体験を実現させることが、今後大きな方向性になってきます。

必要以上に長時間滞在したくないニーズと、それでいて満足度の高い買い物をしたいというニーズを両立してもらうためのカスタマージャーニーとしては、顧客情報に合わせた事前情報→目的がわかりやすい店舗→良い購買体験に価値を置いた売り場づくりが重要です。

早くしたい人ほど、事前情報をしっかり告知しておき、店舗では試着するだけorピックアップするだけで、快適な買い物ができるような仕組みづくりを心がけます。

 

具体的には、例えばどんな売り場づくりが望ましいのかニーズ別に考えてみると…

 

 

①早く済ませたいニーズを満たす

近づいて人と話す接客=悪いことというイメージで、とにかく手早く用事を済ませたいニーズには、わかりやすい目的地を作ってあげることが重要です。

 

・これまではセールでしか行っていなかったような、サイズ・プライス別のコーナーで商品を見つけやすくする

・(事前に購入などしていた場合に)商品だけすぐに受け取れる、受取カウンターをレジ前に出す

・サービスカウンターと試着室を前面に出して増やす

・事前オーダーや決済の仕組みを増やす

 

②目的買いニーズを満たす

冒頭でもあったように、1回あたりの買い上げ点数や金額、決定率は高い傾向にありますから、お目当てのメイン商品+αのセット商品を強化が効果的です

 

・ギフトパッケージなどのセット組み商品の陳列を強化する

・複数個購入で安くなるバンドル商品を提案できるように配置する

 

③体験ニーズを満たす

サッと目的のものだけ買いたいニーズの反面、外出一回当たりの満足度を上げたいニーズも高まっています。せっかく出かけたのだから、濃い時間を過ごしたいという気持ちです。商品の量・質・幅でなく体験スペースを増やすことで、満足度アップにつながります。

 

・試着室やメイクのタッチアップスペースを増やす

 

 

さらに、ショッピングセンターは館としての集客力が強いため絶対客数は多いですが、購入率は決して高くありません。その中で購入率を上げるためには、事前情報の提供が必須です。

 

来店時にお客様の個別情報を取得、情報や傾向を整理し、イベントのタイミングできちんと個別アプローチを行い集客につなげます。

さらにそこで、前回お話しした接客セルフ化や上記のような売り場づくりで誘導していく。さらにその情報を…という循環を作り上げます。

 

 

以前にもまして「やりきること」が重要

 

 

本稿で申し上げている「ニーズ別の売り場」や「個別アプローチ」などは、実は新たな取り組みというわけではなく、読んでいる皆様も「知ってるな」「やったことあるな」とお思いかも知れません。

しかし、やった方がいいのはわかっているけれど目の前の対応に追われて後回しになっていた、という施策もあるのではないでしょうか?

 

つまり、これまでは館の集客も多く勝手に売り上げが立っていたものが、

絶対客数が減ったことで、一つ一つの施策をやりきっているお店とそうでない店の違いが明確に出ているということなのです。

 

「前からある方法だがコロナでやるべきことが明確化し、従来からやってきたことがより重要になってきた」ことを意識する必要があります。

 

さらに各店の取り組みに加えて、SC全体の取り組みも重要です。

SC全体が、体験価値提供に取り組み、それに各店が相乗りできる状況を作り上げることで相互の価値が高まっていきます。

ネット体験=リアル体験をお客さんは求めていて、ネットの利便性+店舗の価値を提供できること、それができるSCが残っていくといえます。

 

船井総研では、取り組みの目的やゴール、定点観測すべきポイントなど、施策を見直し、その効果を測るための研修を行っています。

繰り返しになりますが、「やるべきタイミングで、やるべき施策を、一つ一つ丁寧にやりきらせる」プロ店長が勝ちます。

その実践研修のコンテンツ詳細が気になる方はぜひお問合せください。