ポップアップシリーズ【後編】同一エリア内にポップアップ出店するメリットとは?

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皆さん、こんにちは。

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新しい顧客体験の創造をテーマに、マーケティング、マネジメントの両面から期待される成果を出し続けるプロ店長メルマガシリーズ。

前回・前々回とポップアップ出店に関してお伝えしましたが、今回はその第3回目で最終回となります。

 

まずはこれまでの内容を振り返りたいと思います。

「館のベストシーズン」に「館のベストポジション」であえてポップアップ企画をする。

さらに、その成功「モデルケース」を作ることが重要。ということをお伝えしてきました。

 

従来のポップアップは、テナントの空いた区画にポップアップを出していた、そういった区画はお客が少なく家賃も低い可能性が高い区画であるため、館としても店側としてもうま味が少ない。あえて館の「ベストポジション」でポップアップを行うことで、店側も新規出店やテナント移動にポジティブなイメージを持ちやすいし、デベロッパー側も売上イメージを立てやすいし、何よりテナントの宣伝になる。

 

また、そのベストポジションのポップアップを、館の夏キャンペーン等の「ベストシーズン」に行うことで、館のメルマガやラインから送客もしやすく、売上の最大化につながる。

そういったベストポジション&ベストシーズンのポップアップの「モデルケース」を確立させることで、実力・実績のある優秀な店と接点ができる。

こういった内容を前回まででお伝えしました。

 

今回お伝えしたい、もうひとつおすすめのポップアップ出店があります。

それは、「同一エリア内のポップアップ出店」です。

 

前回もお話ししましたが、一般的に定期借家契約満了後のパターンとしては、①退店、②施設内で移動、③同一エリア内の出店が考えられます。

最も人的問題や退店コスト、減損処理など最もデメリットが大きくなる①退店は避けたく、②の施設内移動は前回お伝えしました。

実はおすすめなのが③同一エリア内出店で、顧客リストを持ったままで、賃料の安い同一エリア内の商業施設へ移動するということです。

 

とはいっても、なんの見込みもないままゼロから出店というのはリスクも不安も大きいため、契約満了後のことを見越しての予備出店として、同一エリア内の商業施設にポップアップ出店をしてほしいのです。

 

基本的な理屈は前回・前々回でお伝えした通りですがそれに加えて、

同じ商圏内でも、少し立地が違うだけでガラッと環境が変わるため、より自店に合った環境を選択してほしいということなのです。

施設が違えば、客層や売れ筋商品、ピークタイム・曜日が異なることは当たり前です。今の施設より自店に合った施設・立地が見つかるかもしれませんし、商圏内の新規顧客の発掘や顧客ニーズの発見にもつながります。

コロナで出店計画が立っていない店も多いと思いますが、予備出店としてのポップアップで次の出店の可能性も探っていただきたいと思います。

 

 

全3回でポップアップ企画に関してお伝えしてきました。

デベロッパー側にも店側にもお伝えしたいことは、「ベストシーズン」に「ベストポジション」でポップアップを出すことで売上が最大化するということ。また、優秀な店or自店に合った施設とより多く接点を持って、試行錯誤をしていくこと。そうすることで、施設としてのモデルケースや時点としてのモデルケースが確立していくはずです。

デベロッパーにはぜひこういった企画を立てていただきたいですし、店長側も常にアンテナを立ててポップアップに立候補していただきたいです。

 

船井総研では、こういった「現場の店長の経験や現場感」と「適切な出店計画・適切なアプローチ」へ落とし込みをするためのプロ店長実践研修を行っています。

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ポップアップシリーズ【中編】ベストシーズンにベストポジションで出店するメリットとは?

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皆さん、こんにちは。

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プロ店長シリーズとしてお送りしているこのメルマガも今回でなんと10回目になりました。今後もショッピングセンターなどの商業施設やチェーン店の経営に役立つ内容を発信していきたいと思いますので、ご愛読よろしくお願いいたします。

 

今回は前回に引き続き、ポップアップ出店に関するテーマでお話をできればと思います。

 

前回お伝えした内容のおさらいとしては、

テナントの空いた区画=お客が少なく家賃も低い可能性が高い区画、ではなく「あえて館のベストポジション」でポップアップを行うことが重要で、

そうすることで、店側も新規出店やテナント移動にポジティブなイメージを持ちやすいし、ディベロッパー側も売上イメージを立てやすい。何よりテナントの宣伝にもなる、とお伝えしました。

 

施設ごとに売れる場所や内容は異なるわけですが、例えば3階より1階の店舗の方が売れる、ということは多くあると思います。そういったフロアにある店舗が1階の「ベストポジション」にもポップアップに出すことで、3階にその店舗があること自体の認知度が上がります。

 

今回それに加えてお伝えしたいのが、「ベストシーズン」に「ベストポジション」で売るポップアップ出店のモデルケースを作ろう、ということです。

 

一般的に定期借家契約満了後のパターンとしては、①退店、②施設内での移動、③同一エリア内の出店が考えられます。例えば①退店は人的問題や退店コスト、減損処理など最もデメリットが大きくなるためできるだけ避けたい、となります。

そのため、まず目指すべきは②施設内での移動となり、契約更新や施設のリニューアルのタイミング等があればいい立地に移動できればよい流れといえます。

 

その前段階として館内シェアや認知を上げる必要があり、通常のポップアップ出店に加えて、「ベストシーズン」にポップアップ企画を行っていただきたいのです。例えば、施設内のキャンペーン企画時などは出店が望ましいといえます。トップ売上が望める期間に、館内に1か所だけテナントがあるより2か所にあることで売上最大化ができます。

 

 

館目線で言えば、ベストポジション&ベストシーズンのポップアップ行うことで館自体の集客を最大化できますし、売上が最大化すれば歩合も上がります。

施設としてライン会員やメルマガ登録等から送客協力もしやすいはずで、ディベロッパーとして館内催事を検討するべきといえます。

ポップアップのモデルケースとして、何日間の出店がベストなのか?少ないオペレーション・1人でも回せるできる仕組みはできないか?複数店の共同出店・共有レジはできないかなど、様々な要素やパターンが考えられますが、どちらにしても、ベストシーズンにベストポジションで実績を積む店舗のポップアップモデルケースを作ることで、より優秀な店舗が施設に接点を持つきっかけになるはずです。

 

最後に重ねてのお伝えになりますが、ディベロッパー側に意識してもらいたいのは、「施設としてのベストポジション」をあえてポップアップに使うということです。そうすることで、次の実績ある常設テナントを見つけられるだけでなく、出店側もポジティブな出店イメージがつき、更には顧客への事前宣伝にもなります。

 

 

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ポップアップは施設のどこで行うのがベスト?メリット最大化の秘訣とは

皆さん、こんにちは。

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突然ですがみなさんは、ポップアップ出店は行っていますか?

実は最近よくあるのが「売れるためのポップアップ」ではなく、「新しいテナントを探すためのポップアップ」です。

つまり、ショッピングセンター内に空床ができ、そこで新しく入りたいお店はないですか。という募集のポップアップになっている、ということです。

しかし、空床ができる区画=お客が少なく家賃も低い区画、である可能性が高く、そういったポップアップは出る店側も出すテナント側もうま味が少ないことになってしまいがちです。

 

今の多くのショッピングセンターでは定期借家契約がスタンダードで3~5年間のテナント契約となっています。ディベロッパーも店側も契約期間後の次のテナントを探さないといけないわけですがここで活用したいのがポップアップ出店です。

館の「最も売れる場所」でのリーシング広告としてのポップアップ出店を検討してほしいのです。

そういった場所での出店であれば、店側もポジティブな出店イメージが湧きやすいですし、ディベロッパー側としても売上予想がしやすいと思います。

 

中にはそもそもこれを見越して、ポップアップ区画を空けている商業施設もあります。

全体のうち約1割の区画をはじめから空けておいて、そこにマンスリーやシーズンでポップアップ出店してもらい、そこで実績がでた店を常設テナントにすることで、店側もディベロッパー側も双方が嬉しい仕組みとなっているのです。

 

また、もうひとつおすすめなのが、同一エリア内のポップアップ出店です。

定期借家契約満了後のパターンとしては、①退店、②施設内で移動、③同一エリア内の出店が考えられますが、①退店は人的問題や退店コスト、減損処理など最もデメリットが大きくなります。こうなった場合実はおすすめなのが③の同一エリア内出店です。顧客リストを持ったまで、賃料の安い同一エリア内の商業施設へ移動するということです。

そのためには、同一エリア内商業施設に事前にポップアップ出店がオススメです。

ディベロッパー側も店舗側も、利益や出しやすい・店側もトライアルとしてイメージしやすい、win-winな出店になります。

 

ディベロッパー側に意識してもらいたいのは、「施設としてのベストポジション」をあえてポップアップに使うということです。そうすることで、次の実績ある常設テナントを見つけられるだけでなく、出店側もポジティブな出店イメージがつき、更には顧客への事前宣伝にもなります。

 

テナント側も、コロナで出店計画が立っていない店も多いと思いますが、ポップアップで次の出店の可能性を探っていただきたいと思います。

 

船井総研では、こういった「現場の店長の経験や現場感」と「適切な出店計画・適切なアプローチ」へ落とし込みをするためのプロ店長実践研修を行っています。

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出店で大切なのは売上志向より〇〇志向?

売上志向から利益志向の出店を

百貨店や駅ビル・モールなどのメジャー商業施設は定期的にリニューアルを実施してリフレッシュすることが一般的です。
その一方で築年数の古いビル(40年以上)への出店に際しては、外壁や出入り口や空調や昇降機などが老朽化しているなかで、建て替えの時期が迫っているものも多いです。賃料水準では新しいビルより有利なことが多いですが、ビル自体の建て替えでいつ営業終了になるかわからないというリスクもあるわけです。

これを専門店側の視点から見てみます。
成功の可能性が未知数の商圏については、まず古いビルに出て十分な売り上げをとれるかどうかを検証して、大丈夫となればそのまま営業継続するケースが多いです。その一方で、同じ地域に新しくできた再開発ビルなどに競合店が出店してくるというパターンが多いです。
立地同等であれば賃料が安いほうがいい、となるのですが、古いビルのほうが早く建物寿命を迎えることになります。
数年間を経て投資回収が終わったら、いち早く新しいビルのほうに移転するという手を打てばよいのですが、現実にはそういう資金があれば新店開発を優先している場合が多いようです。

売上ボリュームを追うならば新店開発優先になりますが、利益優先で考えればどうなるでしょうか。
「新規立地新規出店」よりも「既存立地移転出店」のほうが、出店リスクははるかに低減されます。
もともとのお客様を確保したうえで新規顧客の獲得が可能になるからです。

同じ大型商業施設内部での移転、近隣ビルへの移転というのを嫌がるチェーンさんがありますが、実際には同一商圏で別の場所に移るほうが「有利」になります。

チェーン店は売上の急拡大を志向する会社が多いわけなのですが、現実を見てみますと店が増えて売上は拡大したものの、利益増は伴っていない会社が多いです。
企業拡大を目指す中で、出店というリスクの大きい投資に対しては、より利益志向での着実さを選択するほうが賢明なのではないでしょうか。