出店で大切なのは売上志向より〇〇志向?

売上志向から利益志向の出店を

百貨店や駅ビル・モールなどのメジャー商業施設は定期的にリニューアルを実施してリフレッシュすることが一般的です。
その一方で築年数の古いビル(40年以上)への出店に際しては、外壁や出入り口や空調や昇降機などが老朽化しているなかで、建て替えの時期が迫っているものも多いです。賃料水準では新しいビルより有利なことが多いですが、ビル自体の建て替えでいつ営業終了になるかわからないというリスクもあるわけです。

これを専門店側の視点から見てみます。
成功の可能性が未知数の商圏については、まず古いビルに出て十分な売り上げをとれるかどうかを検証して、大丈夫となればそのまま営業継続するケースが多いです。その一方で、同じ地域に新しくできた再開発ビルなどに競合店が出店してくるというパターンが多いです。
立地同等であれば賃料が安いほうがいい、となるのですが、古いビルのほうが早く建物寿命を迎えることになります。
数年間を経て投資回収が終わったら、いち早く新しいビルのほうに移転するという手を打てばよいのですが、現実にはそういう資金があれば新店開発を優先している場合が多いようです。

売上ボリュームを追うならば新店開発優先になりますが、利益優先で考えればどうなるでしょうか。
「新規立地新規出店」よりも「既存立地移転出店」のほうが、出店リスクははるかに低減されます。
もともとのお客様を確保したうえで新規顧客の獲得が可能になるからです。

同じ大型商業施設内部での移転、近隣ビルへの移転というのを嫌がるチェーンさんがありますが、実際には同一商圏で別の場所に移るほうが「有利」になります。

チェーン店は売上の急拡大を志向する会社が多いわけなのですが、現実を見てみますと店が増えて売上は拡大したものの、利益増は伴っていない会社が多いです。
企業拡大を目指す中で、出店というリスクの大きい投資に対しては、より利益志向での着実さを選択するほうが賢明なのではないでしょうか。

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