攻める時代に、リアル店舗のプロモーションコストを最適化しよう!

アフターコロナで1年が経過しようとしています。

インバウンドの回復基調もあり、
客数がプラスに転じている施設、店舗が多いのではないでしょうか?

これまでの整える時期から、攻める時期を向かるにあたって相談が増えているのが
リアル店舗の出店、リニューアル、プロモーションの3つです。

中でも今回は、プロモーションの現状と今後についてお伝えできればと思います。

これまで、商業施設デベロッパーの役割は施設集客であり
テナント専門店の役割は施設集客をレジ客に変えることだとお伝えしてきました。

そのために、施設デベロッパーは中長期的にリニューアル、
短期的にプロモーションで施設集客を最大化することになります。

とは言え、この施設集客は不特定多数となり、
個々のテナント専門店の客数が最大化するに至っていないのが実際です。

そんな中、順調に売上を伸ばしてきているテナント専門店の多くは
特定多数に向けた自力集客をしているのが実際です。

繁盛店舗の特徴として、船井総研がよくお伝えしている条件が2つあります。
1つ目は、原理・原則に従うこと
2つ目は、時流適応すること

原理・原則とは、どんな時代においても「変えてはいけないこと」
時流適応とは、その時代にあわせて「変えなければいけないこと」になります。

これをプロモーションに置き換えると
原理・原則は、売上、客数、客層の構成比にプロモーションコストをあわせること
時流適応は、その時代にあったプロモーション、チャネル、媒体にあわせること

現実的に、業績が下がっている施設、店舗においてよく聞かれる話が
以前ほど、チラシがあたらなくなった。
新聞を取る人が減っている
若い人はチラシを見ないといった声です。

従来の商圏設定(折込範囲)の中で、折込数は新聞を取る人が減ってきているので
少なくなっているのが実際です。

商圏範囲を広げれば、従来の折込数にはなるのですが、レスポンスが足元より低くなるので
おすすめはできません。

このような状況下の中で必ずでるのは、チラシはやめて、デジタルプロモーションに切り替えるといった話です。

このAorBではなく、原理・原則にある売上、客数、客層の構成比にあったプロモーションコストのかけ方が必要であり、時流に合ったプロモーション、チャネル、媒体をミックスすることがポイントになります。

攻める時期にあたって、よりレスポンス高く集客するためにも
あらためて、プロモーションコストの最適化を行ってもらいたいものです。

超専門店チャレンジの時代

一般的に物販飲食の専門店は、1店舗年商で1億円を超えてくると収益が上がり多店化意欲が出てきます。
1億円を超えてくる店は限られており、頭一つ抜け出た企業が多店化を志向して、結果出店に成功できた店がリージョナルチェーン化して、さらに市外県外に拡大していってナショナルチェーンになってゆくというのがこれまでの流れでした。
そういう流れ自体は今後もあるでしょう。
しかし最近気になる繁盛店というのはそれらとはちょっと次元が異なってきているように感じられます。

先だって弊社の食品研究会でお話くださったスイーツ企業様などは、店舗数は4店舗しかないですが、年商10億円が目前でした。WEBでの販売もありますが、なにより1店舗1店舗が1.5~2億円という超繁盛店になっています。立地も住宅街で、商業施設から誘致の声が多数かかるものの、住宅街でさらに増やしてゆきたいとのことでした。

こういうお店は、これまで百貨店業界が誘致をすすめてきた「圧倒的地域一番店」といえます。
これからの専門店が目指すべきあり方として、このような「超専門店」化が理想的と感じられます。

1店舗売り上げが2億円以上を志向している、立地に左右されずSNSで集客できる、製造直売で収益性は高いが製造にすごく手間工夫をかけて商品を本物化している、そういう志向性の店です。

従来であれば、ある程度の商品を開発して、それを短期間に100店舗出して面を押さえたら勝ちという「場所取り」の発想で拡大してきたチェーンが多かったといえます。
しかし、そのような成功の方法論がなかなか通用しなくなってきたいま、新しく出てくる繁盛店はより商品を高単価・本物志向として「自分たちでしか作れないもの」を差別化要因としてブランディングしていく会社になるだろうと思います。

もちろんそういう会社はいままでもありましたし、そうやって大きくなってきた会社がいまそこそこのチェーンになっているという現実もありますが、同時に商品力そこそこでも多店化できてきた店もありました。

専門店業界の方は超専門店化を指向し、デベロッパーはそういう超専門店を上手に迎え入れることのできるSCを開発すること、そういう視点から考えるとSCのあり方も変化してゆくと思います。
店舗の外観や営業時間等の自由度を上げるためにアウトモールやヴィレッジを設置したり、そういった店ばかり集めたゾーンを形成するというのもあり得ます。もちろんアウトモールは効率が低下するというのは一般論としてはそうですが、「特別な店」には「特別な環境」が必要になりそうです。