2号店・3号店の出店とは?

専門店視点で出店の際に留意すべきことをお伝えします。
できればデベロッパーもこういうことを出店候補者とともに親身に検討してあげてほしいと思います。

すでに十数店舗以上出店しているチェーン店にとっては、どういう立地どういう物件ならどのくらい売れるのか?という目算が立ちやすくなります。しかし、いま本店だけで商売をやっていて、2号店あるいは3号店の出店をするという場合に勘違いしやすいことが多いと感じたので整理してみました。

① 客層が違う立地に出ない
商売は商品です。
そして「客商売は客層」です。客層が異なれば商売も異なってきます。
たとえばですが、
1号店は観光客向け  2号店の候補地は生活立地
1号店は若い客層主体 2号店の候補地はシニア主体
1号店は土日型    2号店の候補地は平日型

相談をうけて物件を見ますと、このような検討をなされているケースがよくあります。
「勝ちパターン」というのはそう何種類もあるものではなく、出店し始めのころは着実に勝ち筋をつかんでいきたいもの。なのですでに成功体験のある店と同様の客層を選ぶべきです。

上記の例でいうと、特に注意しなければいけないのは観光型と生活型の差です。
これはかなり大きな差になりますので、勘違いしないことが重要です。

② 評価の定まった既存物件を優先検討する
ある程度出店慣れしているチェーン店でしたら、新築の商業施設の目利きもできるようになってきますが、そうでなければ新築の館の目利きは困難です。計画図を見ただけでうまくいくかどうかなんてわかりません。
なので、現場を見ればある程度分かる既存物件の検討はよいですが、これからどんな風に出来上がるか想定しづらい新築の物件は避けましょう。

しかし、現実には新築物件に誘われてよくわからないまま出店しているケースがとても多いです。
1号店ないし2号店が成功した店ほど、どんどん攻めたくなる気分になるのは分かりますが、いまや物件あまりの時代です。新築に飛びつかなくても専門店の出店余地はいくらでもありますから、誘われたからといって、くれぐれも浮かれて飛びつかないことです。

③ 適正規模を優先する
出店慣れしていない人ほど「立地の良さ」を求め、そのうえで「賃料の安さ」を求めようとします。
しかし、立地が良いとは賃料が高いということです。
立地が良いように思えて賃料が安いとしたら、それはそれだけの集客力しかない立地だということです。

それより大事なのは店舗面積が適正かどうかです。
25坪が適正面積の会社が15坪で出店したり40坪で出店して失敗するケースが多いです。
大きすぎたら賃料過大に、小さすぎたらピーク売り上げが作れないという場合が多いです。

まずは自分たちにとっての適正規模は何坪なのか。
これが多店化において最初に検討しなければならないことです。
店舗規模を拡大したいと思う場合は、同じ場所か近隣移転でもって拡大するのが確実性が高いです。

重要な3点を述べさせていただきました。
新規出店をお考えの方は、ぜひご参考にしていただければと思います。

売れる環境をつくるチェーン本部のポイント

前回、店長が成果が出やすい環境を
デベロッパーとチェーン本部の双方でつくることが重要だとお伝えしました。

前回はデベロッパーの役割について書きましたが
今回はチェーン本部の役割についてお伝えさせていただきます。

というのも、どんな時代にあっても、
多店舗を展開するチェーン本部の役割は、
売れる(儲かる)環境をつくることであり
店長が変わったとしても、本部の仕組みとしてこれを機能させることが大切だからです。

時代にあわせて、本部の仕組みとして機能させるには2つのポイントがあります。

①デジタル技術の活用(AIカメラ)
②業務プロセス改善(高速PDCA)

ネット同様に、リアル店舗においても
顧客の購買行動をリアルタイムにデータで把握することが鍵になりますし、
それを検証し、高速でPDCAでまわすことが重要です。

例えば、多店舗チェーンにおいてのリアルタイムでのデータ活用では
AIカメラの導入が、最も費用対効果が高いのではないでしょうか?

というのも、SV機能を代替えしながら、POSではとれない
各店の購買前のリアルなデータがとれるからです。

①巡回の手間がはぶける
②遠隔で指示が出せる
③入店率、買上率、試着率データがとれる

また、このデータを活用しながら
PDCAはウィクリーでまわしていくことがポイントになります。
具体的には、下記のようになります。

①月曜に本部で、数字の検証
②火曜に本部が、各店の展開指示書を作成
③水曜、木曜に各店が、展開指示書に沿って店舗を改善
④金土日は各店は売りに集中

③の店舗改善が各店で実施できているかをAIカメラで確認できますし
リアルタイムで指示を出すことも可能になります。

AIカメラは業務のプロセス改善をはじめるきっかけですが、
たんに一つのツールでしかありません。

ぜひ、AIカメラに限らず、最適なデジタルソリューションを活用し
ビジネスモデルを変革するとともに
組織、風土をも改革し、競争優位性を確立していきたいものです。