【SC経営のヒント260】:『SC中期計画の重要性』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.260 ━ 2010.10.14
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
 週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:SC中期計画の重要性』
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『SC中期計画の重要性』
昨年はインフルエンザの影響があったため悪すぎた、という背景はあります
が、現場ではそろそろ底打ち感がでてきて、前向きに明るくなってきたのはと
ても嬉しいです。
さて、ときおり郊外型のSCの企画やリニューアルをお手伝いしているときに、
気になることがあります。
それは、核店舗と専門店の面積・店数のバランスです。
不動産ビジネスであるSCから、なるべく単位面積あたりの収益性を上げようと
する場合、小さな店を数多く入れたほうが坪賃料を上げやすいという傾向があ
ります。なぜならば、大型店はおおむね坪効率が低く坪当たりの賃料負担能力
が下がり、小型の専門店は坪効率が上がりやすいためです。
駅ビルなど、もともと流動客が多く集客力のある立地では、専門店だけをあつ
めて商業施設を構成することが可能ですが、郊外で集客してSCを成立させるた
めには、集客力のある大型店を最低1つから複数導入する必要があります。大
型店が集客し、専門店がその集客に乗っかって売上を上げるというイメージで
す。
永らく百貨店やGMSなどの大型店がその核店舗としての機能を果たしてきまし
たが、昨今ではSCそのものの大型化や、GMSの不調も伴って、食品スーパー、
家電大型店、スポーツ大型店、実用衣料大型店といった専門大型店が総合量販
店の代替として導入されるケースが増えてきました。
一般的な郊外型SCにおいては、このような核店舗の面積が全体の半分程度は必
要になる場合が多いです。それだけ賃料水準は低くとも集客力がある店舗を導
入することで全体の集客を維持し、残りの専門店からやや高めの賃料を頂戴す
ることで全体の収益バランスを確保するというのが郊外型SCのビジネスモデル
といえます。
ですので、核店舗の比率が高すぎる場合は収益を得る床が不足するということ
になりますし、専門店ばかりであれば全体に客数が稼げず、似たような専門店
ばかりが同じお客様を奪い合うという現象になりがちです。
もとより、SC全体のバランスというのは、物理的にも、契約などの縛りもあり、
そう容易に変更できるものではありません。ですので、SC全体のバランスが適
切かどうかということを判断したうえで、それを時流に応じて数年越しで変化
させてゆくという中期の計画性が必要になります。
いろんなSCで中期計画づくりが語られますが、大切なのは定性的なことに加え
て、このようなマーケティング・プランにのっとった中期計画づくりであると
いえます。そこに必要なのは経験に基づいた専門的見識であり、また同時に、
一瞥すればたいていのことは即座に判断可能なことでもあります。
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発行人:山本 匡(やまもと ただし)
編集担当:山本 匡(やまもと ただし)
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