皆さんの施設に入居しているテナントには、全国で展開するようなチェーン店舗も多いかと思います。
ご存知の通り、チェーンストアは本部が集約したデータをもとに、店舗設計やオペレーション、品揃えなどを決定しており、どこに出店しても一定以上の実績を出せる仕組みを整えています。
この仕組みは店長の力量で売上にバラつきが出ない点では優れていますが、入居している施設に最適化されている訳ではないため、館やフロア、業種のポテンシャルを十分に活かし切れていない場合も多いのです。
逆に言えば、本部で設計された仕組みの一部を、自身の施設に合わせたものに変えてもらうだけで、売上のトップラインを上げることも可能になるのです。
そこで本日は、館とチェーンストアのポテンシャルを最大限に活かして、売上を最大化するための方法についてお伝えします。
施設内のチェーンストアにテコ入れをして売上を最大化するには、チェーン本部と館の間で共通の評価軸を持つことが重要です。その評価軸になるのが、月坪売上です。
チェーン本部と連携し店舗の月坪売上を、館全体の平均とチェーン内の平均の両面から比較していくことで、お互いの良さを十分に活かしきれているのかを検証することができるようになります。
店舗の月坪売上が館の平均よりも下回っていれば、施設のポテンシャルを十分に活かせていないことになりますし、チェーンの平均を下回っているのであれば、そのブランドを活かせていないことになります。
検証の結果、改善の余地があるのであれば、デベロッパー側とチェーン本部で保有するデータを出し合い、その施設における最適解を探していくことが求められます。
例えば、館のトップ10週の買い回りデータや消費データをもとに、在庫や人の融通をチェーン本部に働きかけたり、チェーン全体での売れ筋や主要な顧客層といったデータをもとに、館のキャンペーンやイベントを開催したりする、などが考えられるでしょう。
皆さんの施設でも店長会議などを通して、このようなデータをチェーン側に提供しているところも多いかと思います。しかし、実際には本部にまで情報が伝わっていなかったり、店長だけで働きかけても本部が動かないことも多くあるのです。
重要なのは、デベロッパーとチェーンの本部が相互理解を深めて、個別最適化した店舗を協力して作り上げていくことです。
そのためにも、本部とのやりとりを店長だけに任せるのではなく、デベロッパー側からも積極的に情報交換を働きかけていくことが求められるのです。
ぜひ皆さんも、施設内に出店するチェーン本部との関わりを強め、館とチェーンブランドのポテンシャルを最大限に活かした店舗づくりに挑戦してみてください。