【SC経営のヒント348】:『東北の宿泊施設(2)』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.348 ━ 2013.08.01
 船井総研 コンサルタント 丹羽 英之 発行
 週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『Main Contents:東北の宿泊施設(2)』
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『東北の宿泊施設(2)』
6/27の記事を引き続き、宮城県に出向きましたときの事例です。
ご存知の方も多いと思いますが、東北地方では復興需要に伴う宿泊
施設不足が指摘されており、多くのホテル計画や、他地域にはない
タイプの宿泊施設が生まれています。
あくまで特殊な条件下で発生した業態ですので、そのまま他地域で
も展開できるかというと、難しい部分もありますが、参考になる部
分は沢山あるように感じました。
今回もそのなかから1つをご紹介します。
・バリュー・ザ・ホテル名取
総客室数314室のコンテナホテルです。
なかなか聞きなれない言葉ですが、コンテナホテルとは1つ1つの
客室がコンテナで作られ、現地では組み立てるだけというユニット
式のホテルです。
従来のコンテナ式のホテルというと大阪や京都、羽田、秋葉原に展
開するファーストキャビンのような個室にユニットバスを持たない
タイプがありましたが、今回のバリュー・ザ・ホテルは、個室にユ
ニットバスを持たせており、通常のホテルとほぼ設備的な遜色はな
く、ちょっと建物が簡素かな?というくらいの完成度です。
(そもそもファーストキャビンは既存建物のコンバージョンという
開発条件のため、あとから水周りが敷設しづらいという点がありま
す。)
さてこの施設ですが、昨年の10月にオープンしました。
やはり復興工事関係者による利用が主となっていますが、全室シン
グルであることなどから、短期滞在のビジネスマンや観光客にも利
用されているようです。
2013年7月時点では、宮城県・福島県で系列5施設が開業していま
す。
大手宿泊予約サイトのクチコミなどをご覧いただければ分かるとお
り、ホテルとしての完成度は、正直未成熟な部分も散見されます。
一方でそれ以上に、とても興味深いのは、コンテナを中国企業と共
同開発することで、建築費を同規模ホテルの50~60%に抑え、
10年以内に投資回収するモデルを作ったことです。
これはホテル業もSPA(製造小売業)化することで、利益の創出を目
指すモデルが出てきたといえます。
また本事例では、開業後のユニットの移動も可能とのことで、宿泊
需要の増減に合わせたユニット(=在庫)の移動も視野に入れてい
るようです。
従来は考えにくかった設備産業でのSPA化や、動かせる不動産など
既存の枠を超えた取り組みに挑戦している注目すべき事例といえそ
うです。
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発行人:丹羽 英之(にわひでゆき)
発行責任者:山本 匡(やまもとただし)
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