━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.364 ━ 2013.12.27
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:巨大モール時代の終わり』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『巨大モール時代の終わり』
近年開業の大型モールをいくつか見てきました。いろいろと工夫が
凝らされ、すばらしい店になっていると感じられます。しかし、同
時に感じられたことは、従来までの巨大モールビジネスというもの
も、もう終わりだということです。
開発費用は建設費用の高騰に伴い上がる一方で、以前のような高収
益は見込めなくなってきています。巨大すぎる売り場は、水増しし
て埋めるしかなくなってきています。体験型施設やアミューズメン
ト系施設など、面白い取り組みではありますが、従来型の売り場以
上に効率が上がるわけではありません。
ものによっては、広すぎる敷地を活用するために分棟建てになって
いますが、その結果顧客の回遊性は下がり、小さな建物では集客が
困難になります。
これらに限らず、近年の大型開発は大なり小なり同じような状況と
いえるでしょう。立地に恵まれ競合のあまりない場所での大型モー
ルは今後も成功するでしょうが、そのような好立地はほとんど残さ
れていません。競合過多の立地では困難度がどんどん上がっている
ように思えます。
出店企業にとっては、モールに出店さえすればよいという時代はす
でに終わり、モール頼みから脱却して、新たなる立地開拓を志向せ
ねばなりません。現状これといった妙案も生まれていないため、し
ばらくは試行錯誤せざるをえません。
ただひとつ言えることは、いままでの出店実績を分析して、どのよ
うなロケで成功し、どういうロケではうまくいかなかったのかの分
析を定性・定量的に取り組む必要があるということです。自分自身
の手がけた事例としましては、5年ほど前に出店失敗が続いた
チェーン店の館内売上げ方程式を作成し、その後の出店では赤字店
舗をひとつも作らず、順調に再生できたというケースがあります。
個人的には、損益分岐点を下げる業態開発を志向することに解決案
があると感じています。ワークスケジュール管理、スーパーバイジ
ングのありかた、そういったものを根本から見直すことでローコス
ト運営のできる体質作りに取り組んでいる会社もあります。
売上予測方法論の再認識とともに、新築より居抜き、低単価より高
単価、直営か外部委託か転貸か。いろんな新しいチャレンジを行動
に移すときが来たように感じられます。
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■週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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発行人:山本 匡(やまもとただし)
発行責任者:山本 匡(やまもとただし)
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