━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.306 ━ 2012.1.13
船井総研 コンサルタント 丹羽 英之 発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:競合対策は足元商圏の確保から』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『競合対策は足元商圏の確保から』
競合対策の依頼が増えています。日本は人口が減っているのに、
店舗の数が増えているので、何もしなければ客数は下がります。
競合店ができれば、それが顕著となるため、既存店の競合対策は
必須です。しかし、この競合対策のポイントをはずしてしまうと、
かけた費用のわりに、効果がでないので注意が必要です。
競合対策は前叩きが原則です。ですから、新規店舗が出店してから、
対策を打つのでは遅いのです。というのも、新規店舗は出店にあた
って、商圏内の既存店舗を調査して、勝てる対策を準備してきます。
ですから、出店してしまってから、更にそれを上回る施策を打つ間に
お客様を奪われてしまうからです。
意外と気づいていない既存店舗の強みは何かというと、既存顧客を
持っているということです。ポイントカードを発行している店舗では、
まずはこの既存顧客向けの対策を優先させなければいけません。
ポイントカードを持つお客様の中で、年間買上金額の高いお客様を
競合に奪われない。これが最も優先すべき競合対策なのです。
例えば、年間買上金額100万円のお客様の離反は年間買上金額1万円
のお客様の100人分に相当します。
往々にして、競合対策はチラシ(価格訴求)合戦に陥りがちですが、
価格で動くお客様は、チラシが入る店を買いまわります。そして、
価格で動くお客様(バーゲンハンター)の買上点数は高くはないのです。
自店をよく利用するお客様にはより多くの特典・サービスを与え、
そうでないお客様にはそれなりの特典・サービスで留める。
そんな販促の原則を忘れてはいけません。
また、お客様が店舗を利用する動機は、近いということが優先順位で
最も高いのです。ですから、仮に競合対策としてチラシをまく場合は、
わざわざ競合店の近くにまくよりも、自店に近いエリアに集中してまく
ほうが効果的です。チラシの原則は1.回数2.枚数3.サイズ4.色です。
限られた販促予算で成果を出すには、色を1色にし、サイズを小さくし、
枚数を足元に絞り、回数を多くするのがベストです。
仮に、エリア別にみたときに、ポイントカードの利用率の高いエリアに
競合が出店する場合は、チラシではなく、ダイレクトメールで離反を
防ぐようにします。例えば、上客向けの10%プレミアムお買い物券販売
などのやり方で、先売りしながら、確実に自店来店に繋げるのです。
今回は競合対策について書きましたが、販促の基本原則は変わりません。
いかに足元商圏を固め、この足元商圏のお客様の来店頻度アップ(客数
アップ)と点数アップができるかにつきます。そのためにも、ポイント
カード、チラシといった個々の媒体ツールの特性を知り、効果的な手法
を打っていけば、確実にお客様は反応してくれます。
競合出店に一喜一憂することなく、基本に忠実に手を打ち、力相応、
商圏相応の一番店を目指してもらいたいものです。
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■週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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発行人:丹羽 英之(にわひでゆき)
発行責任者:山本 匡(やまもとただし)
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