ニューノーマルなSCテナント会のあり方 Vol1 -デジタル時代のテナントリレーションの強化-

多くのSCにとってコロナウィルスの感染拡大による「お客様の来店頻度の減少」、「商圏の縮小化」は避けては通れない課題となっているのではないでしょうか?

そんな状況下で、改めて重要視されるのは足元商圏の存在です。足元商圏の来店が根強い場合、売上の落ち込みを抑えることができ、SC収益の安定化につなげることが可能となります。つまり、Withコロナ時代においても、足元商圏を「顧客化」できている企業や施設、業種や業態の業績は堅調なのです。

それらを踏まえ、顧客化の基盤づくり(ファンベース)を、SCへの来店頻度が最も高いテナントスタッフに広げていくことが効果的な施策と考えられます。
コロナ以前から、SCのテナント同士やテナントとのリレーションが高いほど、店舗で働くスタッフのエンゲージメントは高い傾向にあります。また、リレーション力が高いほど、自施設の利用率が高くなり、その結果、SCの売上は好調になるということがわかっています。

では、テナント同士のリレーションを強化するためのテナント戦略はWithコロナでどのように変化していくのでしょうか?
従来、テナントリレーションを高めるために対面での交流会や従業員研修、顧客体験価値(CX)向上のためのミステリーショッパー、大規模商圏への販促活動など「対面」を前提とした取り組みが行われてきました。

しかし、Wtthコロナによって「非対面」が前提となる新しい世の中おいて、テナントリレーションの強化もデジタル化が急務となっています。

・デジタルコンテンツを活用したテナント同士のリレーション強化とは?
・デジタルコンテンツを活用した顧客化の基盤づくりとは?
・デジタルコンテンツを活用した顧客体験価値(CX)の最大化とは?

このような事柄を刷新していくことがWithコロナのテナント戦略のキーポイントとなって来るのです。

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コロナで変わるSCのビジネスモデル~小商圏化に対応しよう~

緊急事態宣言中の2月14日から客足が戻ってきていると感じている施設、
店舗が多いのではないでしょうか?

とは言え、飲食カテゴリーにおいては、昼間はとれるものの夜がとれず、
業態的に夜の売上構成比の高い店舗は苦戦しているのが実際です。

緊急事態宣言があけ、卒園、入学、フレッシャーズなど、
GWまでは買いのモチベーションが高い時期が続くと思われます。

コロナ化で顕著におこっているのが、小商圏化で大商圏商法をしていた施設・店舗が苦戦しています。
10分:1次商圏、20分:2次商圏、30分:3次商圏だとすると3次商圏がとれていないのではないでしょうか?

売上高=客数×客単価ですから、小商圏化によって減る客数減に対応しなければなりません。
もともと地方都市で広域商圏がとれない施設・店舗では、この客数を既存客の来店頻度アップで対応していくのが基本でした。

来店頻度アップのためには、購買頻度の高い最寄り性の高い商品を強化していくことが必須となります。
飲食では、単純に定食を強化していく、カフェ機能を強化していく、
宿泊業ではデイユースを強化していくといった感じです。
法人から個人、グループからファミリー、はれからけへのシフトになります。

また、客単価は点数×一品単価ですから、ばら売り、組み合わせ、バンドルなどで、
点数アップをしていくことが重要です。
例えば、箱売りのお菓子はギフト需要ですが、ばら売りすることで自家需要を喚起でき、
両方の買い上げを促すことができます。

これまでは外部環境の変化による施設集客のダウンに対して、
施設内テナントはシェアアップで十分に売上高がとれました。
ここでのシェアアップは施設集客に対する入店率・買上率アップであり、
施設集客の落ち込み以上の入店率・買上率を上げることで売上があがりました。

一方、コロナでは3次商圏が取れない分、商圏人口が減り、
シェアだけではカバーできづらい施設・店舗がでてきているのが実際です。
ですので、これからは、自力集客と商圏を超える新たな商品・サービスを付加しなければなりません。
自力集客では、エリアリスティング、グーグルマイビジネス、
SNSの活用、商品・サービス付加ではテイクアウト、デリバリー、受取サービスなどが必須です。

バーチャルチェーンなどを利用した「新しい商品付加」なども出てきています。
お客様も店舗も配送・デリバリーコストを含めて商品・サービスを見極めています。

ピンチをチャンスととらえて、新たなビジネスモデルに挑戦する時代が来ているのではないでしょうか?

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ニューノーマル時代の新常識!

これからの”商業施設”プロモーションは、ワークショップがおすすめ!

商業施設デベロッパーの役割は施設集客、テナントの役割は売上をつくることにあります。
それぞれの役割は、ニューノーマルになったからと言って変わりません。

とは言え、3密回避により、リアル店舗における来店頻度が減り、
店舗の滞在時間が減っているのも事実です。

これまでのようにイベント中心の不特定多数のお客様を集める販促プロモーションから、
特定多数のお客様に切り替えていくことで、決定率の高いお客様を分散集客できるようになります。

この特定多数のお客様は利用するカテゴリー(店舗)、
来店頻度(曜日、時間)にグルーピングすることで、
お客様に適切なアプローチが可能となるからです。

つまり、不特定多数の集客を目的とした全体販促から、
特定多数のカテゴリー(店舗)販促に切り替えることが、
ニューノーマル時代のポイントになります。

具体的には、これまでリアルでおすすめしていた
「ワークショップ」をリアル、ZOOMの両方で開催する方法などです。

リアル店舗がお客様の再来店促進(次回来店予約)、
単価アップ(価値訴求)のために企画するワークショップは、
平日の客数は少ないが、客層の良い時間帯にすることがおすすめです。

複数人が参加するワークショップは、お客様のお悩みに応える形式で開催すると、
お客様の心理的なハードルが下がりますし、
結果として自店のロイヤリティアップにつながっていきます。

このワークショップはZOOMなどを使えばデジタル対応が可能ですし、
同時開催ができるのもメリットと言えるでしょう。

現状のインスタライブ方式はどうしても、売り込み色が強く、
また、視聴者の時間にあわせるとしたら、営業時間外になってしまうので、
まずはワークショップをおすすめしています。

ワークショップの利点は大きく下記7つになります。
・マルチ対応(接客)が可能
・閑散期(アイドルタイム)をいかせる
・デジタルコンテンツとすることで、マルチデバイス対応が可能
・店舗誘導のきっかけとなる
・単価アップのきっかけとなる
・接客時間を短縮できる(事前のお悩みにこたえることができる)
・ニューノーマルに対応できる

また、飲食、食品においては、体験キット、体験セットとして、商品を先にお届け、
リアルタイムで焼き方、作り方、食べ方の紹介ができるといったメリットがあります。

これまでのSCプロモーションは施設集客を最大化するために、
不特定多数のお客様を集客できるイベントが中心でしたが、
各カテゴリー、各店のワークショップを全面に出したプロモーションが
ニューノーマルに対応したプロモーションと言えるではないでしょうか?

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withコロナ時代、SCテナントは本気でOMOに挑戦しよう! 続編

先回、テナント専門店がOMOに本気で取り組む際に、
顧客属性毎のシナリオが大切であると書きました。
この顧客属性毎のシナリオは、業種・業態、扱い商品の違いはありますが
性別や年齢、住んでいる地域や所得、職業、
家族構成といった人口統計(デモクラフィック)的なプローチだけではなく、
感性・マインドといった属性に分けられるのがベストです。
実際の年齢ではく、マインド年齢が何歳で、カジュアル志向で赤が好きといった感じです。

インスタ、ツイッターといったSNSにアップされた情報から
自分たちに合ったクラスターを発見することができすし、
消費者のインサイトを知ることができる時代です。

それにより、感性・マインドといった属性分けが可能ですし、
そのクラスター毎のライフスタイル、ライフシーンを浮き彫りにすることができるので、
その後のシナリオ設計に有益となります。
ですから、ソーシャルプロファイリング調査からスタートすることをおすすめしています。

また、OMOにおける店舗の役割は、
現物確認、接客、アプリ登録、NPSの実施となっていくと書きましたが、
OMOへの取り組の有無に関わらず、
リアル店舗で重要なのは、コンバージョン(入店率、買上率)になります。

コロナ化においてのミステリーショーパーで浮き彫りになったのは、
お客様へのアプローチに対して、非常にナーバスになっている点でした。
お客様からの第一印象評価が下がるため、結果として入店率、買上率が下がってしまうという傾向です。

店頭スタッフの人数以上に接客はできませんし、
短時間で決定率をあげていくためにも、これまで以上に「セルフ対応」の売場にしていくことが求められます。

従来のPOPから、デジタルサイネージの活用、
QRを活用した商品説明動画、チャットボットを使ったチャット接客など様々は方法があります。

キャッシュレス、事前決済、取り置きも当たり前の時代になってきます。
ぜひ、今のお客様の購買心理に寄り添ったオペレーションに挑戦していきたいものです。

【前回のコラム】withコロナ時代、SCテナントは本気でOMOに挑戦しよう!

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withコロナ時代、SCテナントは本気でOMOに挑戦しよう!

テナント企業は、OMOに挑戦する際は、
従来の「店舗数×売上」という発想でなく、
「顧客属性毎のLTV(ライフタイムバリュー)×シェア」としていきましょう。

顧客属性毎のライフタイムバリューをアップするには
初回購入から10日目以内に2回目商品を購買してもらう必要があります。

つまり、顧客属性毎に、初回購入商品と2回目購入商品を決定し
生活スタイルの違いにあわせて、
MA(マーケティングオートメーション)をかけていくことなります。

ですから、顧客属性毎のライフスタイルの違いを理解し、
ジャーニマップを作成することがスタートになります。

例えば、家具の顧客属性は、
シングル、ディンクス、ファミリーといったセグメントとなり、
提案する商品、アプローチ、頻度を決定していくことになります。

この顧客属性は、理想は3~5、多くても10個までとすることが、
その後のPDCAを回していくのに適しています。

従来は、店舗のお客様をECへ誘導していましたが、
新規客をECで獲得し、店舗に誘導(EC完結もありますが)となります。

つまり、新規客獲得のためのセッション数が最も重要なKPIとなります。
セッション数は、SEO×(アフェリエイト+SNS)で決まりますので
商品(指名ワード)×人(第三者評価)がポイントになります。

そして、店舗の役割は、
現物確認、接客、アプリ登録(名簿取得、顧客属性)、NPSの実施となります。

これからの接客は(エンゲジメント)が重要で、
顧客属性毎に接客シナリオを変えていく必要があります。

また、顧客接点を最大化できるように、
個々の店頭スタッフが得意な顧客属性や商品カテゴリーで、
キュレーターとなって商品を紹介できるよう情報発信が求められます。

いずれにしても、
SCデベロッパーもOMOを可能とするサポート体制が急務なのではないでしょうか。