━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.294 ━ 2011.09.15
船井総研 コンサルタント 丹羽 英之 発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:ターゲットと販促媒体のミスマッチ』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『ターゲットと販促媒体のミスマッチ』
販促が当たらなくなったと言われて久しいですが、
その理由はターゲットと販促媒体のミスマッチにあります。
それ以前に、商品、店舗がこれまでリニューアルされてきているのに、
販促がリニューアルされてきていないので、
商品特性に合った販促媒体(ツール)を利用できていないことも
大きな理由です。
例えば、商品はますますパーソナルユース化し、
店頭での商品回転率が上がっているのにそれに適した
販促媒体(ツール)を選べていないのが実際です。
商業施設では、92年をピークに売上が下降線をたどっている施設が
ほとんどです。92年までの販促は在庫量・アイテム数・価格幅が
ポイントで、販促の主流は多アイテムチラシでした。
ここで掲載される商品はホームユース商品(家族のため、
生活のため必要な商品)でした。
今でも、食品がチラシで集客できるのは
食品がホームユース商品だからです。
92年以降は商品を全面に出すのでなく、
人を全面に出すメッセージチラシの時代があり、
現在はモノからコト(思い出)の時代で、
イベント・催事が主流になっています。
ただ、お客様は商品を買いにきますので、
本来は商品を全面に出した販促がしたいということで、
従来の販促をしては当たらないを繰り返しています。
特にファッションなど、パーソナル化が進んだショップ、
テナントはそもそも紙媒体が向いていないと言えます。
理由は単純で、そもそも新聞をとっていない世代が多く、
チラシそのものを見ていない。
また、よく駅ビルであるようなカタログ(パンフ)も微妙です。
なぜなら、カタログ(パンフ)はシーズン毎に出すことが
多いのですが、92年頃までのファッションの商品回転率は
4~6回転でしたので、これに合っていたのです。
現在は6~12回するショップ、テナントも多く、
カタログが出来上がった頃には商品が店頭にない、
また、カタログが出るまでクレームが出ないように
商品を残しておくといった本末転倒のことが現場でおこっています。
それでは、これからどうしたら良いのでしょうか?
商業施設の魅力は一箇所で全てのものが揃うことですが、
販促は必ずしも全店が参加する必要がありません。
全店参加が前提となると、ターゲットや商品にあった
販促媒体(ツール)がミスマッチをおこしてしまうので、
ゾーン(業種)毎の販促に切り替えていくのがベストでしょう。
例えば、食品ゾーンは足元商圏を対象に頻度よく、チラシを折り込み、
ファッション、雑貨ゾーンではバーゲン告知以外は
インプロのみで対応する。
例えば、このインプロにはデジタルサイネージ(電子看板)を
利用するのが良いでしょう。
電子看板は差し替えが用意で、
飲食店などのメニューボードにも向いています。
また、動画POPとして、接客でききれないお客様に対して
商品価値を伝えることができて非常に効果的だからです。
また、サービス関連のショップはフリーペーパーを
共同利用するのが良いでしょう。
館全体で行う販促は客層を広くとる子供向け催事に特化し、
とにかく館の入館客数アップに特化するといったやり方です。
商品のパーソナルユース化が進み、ターゲットと販促の
ミスマッチがおこっている現状では、共同店舗であっても、
全店参加にこだわることなく、
これから販促のリニューアルに挑戦していただきたいものです。
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■週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
ご意見・ご感想お問い合わせなどは⇒ info-sc@funaisoken.co.jp
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〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-6-6日本生命丸の内ビル21階
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カテゴリー: 販促プロモーションのヒント
【SC経営のヒント291】:『変えてはいけないリニューアル』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.291 ━ 2011.08.04
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:変えてはいけないリニューアル』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『変えてはいけないリニューアル』
最近、リニューアルをして売上を落とす施設をよく見かけます。
それは、リニューアルをきっかけに、変えてはいけないところまで
変えてしまっているからのようです。
商売は常に、原理・原則に従いつつ、時流適応しなければなりません。
原理原則とは変えてはいけないことであり、時流適応とは
変えなければいけないことです。
とかくリニューアルでは変えることを優先しますが、リニューアル
であっても変えてはいけない原理・原則は守らなければなりません。
例えば、商品では坪在庫を落とさないことが絶対の原理・原則です。
また、リニューアル前に、お客様の声を聞くことは大切ですが、
このお客様の声を聞くにも自店の利用頻度の高いお客様の声を聞く
という原則があります。自店をよく利用するお客様は自店に対して
前向きな改善提案を持っていることが多いからです。
一方、自店をあまり利用しないお客様は、他店との比較の中でかなり
勝手な意見を述べますし、それを実現したからといって、自店を利用
してくれる保証はありません。
よくある失敗例が、お客様の声を鵜呑みにして、カートを通しやすく
するために通路幅を広げ、つきだしをやめる。また、見通しをよく
するために棚を低くするなどです。これらは結果として、店頭の商品
在庫が減って売上が下がってしまうのです。
前回メルマガにもあったように、売上=在庫×回転率です。在庫が
落ちれば当然に売上が下がります。また、リニューアルを機に商品を
大きく入れ替える店舗も売上を落とします。
それは、これまでのお客様を無視することになるからです。
館全体がターゲットを変えてリニューアルするのであれば、それも
ありなのですが、そうではない場合は新商品(メーカー、デザイン)
の投入は全体の2割までで抑えるのが原則です。その際、既存商品
(在庫)の売場をそのまま圧縮し、空いたスペースに新規商品(在庫)
を投入するのがベストです。
とかく、リニューアルというとハードのデザイン性や目新しさに目が
行きがちですが、変えてはいけない原則を守りつつ、時流適応して
いかなければ業績アップにつながりません。
次回は、販促における変えてはいけない原理・原則についてお伝え
させて頂きます。
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【SC経営のヒント288】:『販促も大リニューアル』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.288 ━ 2011.07.14
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『Main Contents:販促も大リニューアル』
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『販促も大リニューアル』
商業施設のリニューアルは、ハード、ソフト共に
定期的に実施するのが通例ですが、
なぜか販促だけはリニューアルされていないのが実際です。
調子の良いSCでは、1年で1割のテナントを入れ替える
ソフトリニューアルに挑戦していますし、5~7年を目安に
ハードを含めた改装(部分)リニューアルをしています。
ここ10年で、ソフト、ハードを含めて
1回もリニューアルができていない商業施設の現状は
かなり厳しいと言わざるを得ません。
テナント専門店の業績が商品の品揃えで決まるように、
SCの業績はテナントの店揃えで決まります。
時代に合った商品・サービスを準備し、
それを効果的に告知することが販促だとしたら、
テナントの入れ替えによって販促もリニューアルするのが
当然と言えます。
特に、リニューアルを機に大きくテナントを入れ替えたSCでは
顧客層が変わることがあります。
そこでは、中心となる顧客層に合わせた
ツール・媒体選びが重要です。
例えば、食品SMの売上構成が高いNSCでは
中心となる顧客層が年配の主婦なので
チラシ、ポイントカードが有用ですが、
駅ビル、ファッションビルであれば、
若年層が中心顧客なので、
タッチポイント式のケータイメール販促のほうが効果的です。
また、レジャー、サービス系のテナントが多い場合は、
露出期間の長いフリーペーパーのレスが高いですし、
ファミリーが多い場合は、無料で子供を遊ばせられる
イベント催事が効果的です。
最近は、ネットがTVの視聴時間を越えてきていますし、
今後はスマートフォンが主流になるでしょう。
このように、お客様が利用するツールが常に変化をしている中で、
従来通りのチラシ、DM、ポイントカード、TVが主流の販促が
当らないのは当然です。
実は、こうした新しいツール・媒体へのリニューアルには
大きく2のメリットがあります。
1つ目は販促コストが安くなり、
同じ予算内で頻度よくお客様にアプローチできる点。
2つ目はデータがとりやすく、このデータを活用することで、
館内シェア(買いまわり店数)アップに貢献できる点です。
この店あまりの時代に、
リニューアルするテナント専門店の後方支援を
デベロッパーがどう応援できるかが問われはじめています。
販促を大リニューアルすることで、
真の地域一番店を目指してもらいたいものです。
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【SC経営のヒント285】:『SCの基礎集客力を上げよう!』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.285 ━ 2011.06.23
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『Main Contents:SCの基礎集客力を上げよう!』
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『SCの基礎集客力を上げよう!』
SCの基礎集客は核店舗で決まります。
ここで言う核店舗とは、館集客に頼ることなく、
自らが販促をして集客できる店舗を指します。
例えば、GMS、SM、HC、大型専門店などとなりますが、
この核店舗の基礎集客が高ければ
支えられるテナントの客数が読みやすいのが実際です。
ですから、フロア集客を上げるためにも、
核店舗が各フロアにあるのが理想です。
これらの核店舗で最も基礎集客力が高いのがSMです。
それは、SMが最も購買頻度が高く、
マーケットが大きい食品を扱っているからです。
購買頻度の低い衣料、住関連を扱う大型専門店に比べて、
販促することで1日単位で基礎集客を上げることができるのが
SMの最大の魅力です。
例えば、平日の火曜市や100均一、
週末の朝市やポイントデーなどでです。
最近はSM+大型専門店(衣料・住関連)で
GMS機能を持たせたSCが増えていますが、
やはり、基礎集客力はGMSのほうが高いといえます。
衣料、住関連は食品ほど、購買頻度が高くないので、
どうしても販促の頻度が減ります。
GMSの場合は、同グループなので、
食品、衣料、住関連が同一日に販促することができ、
月単位で紋日をつくりやすい点がポイントです。
つまり、GMSのほうが特定曜日にお客様を集客する名物催事を
つくりやすいのです。
例えば、1,2,3の市、20日、30日の感謝デーなどです。
多くのSCで売上が下げトレンドにあり、
販促費も同様に下がっている中で、基礎集客を上げるには
従来の販促内容を見直さなければなりません。
その際に、重要なのは回数(頻度)です。
減った販促費の中で回数だけは昨年並みを維持する。
または、それ以上の回数をするには、
最も基礎集客力のあるSMを全体販促の柱にすることが必要です。
全店参加型の販促は、広域商圏となるため販促費用が嵩みます。
一方、SMは足元商圏なので、商圏(枚数)を絞り、
回数を多くできるメリットがあります。
下げトレンドにあるSCは、まずはSMを柱に圧倒的に集客できる
名物催事づくりに取り組みましょう。
全店参加型の販促から、基礎集客の高いSMに販促費を
投入することで、結果的に全店の客数アップに
寄与する販促施策への切り替えが求められています。
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【SC経営のヒント282】:『共有(シェア)の時代に、新しいコミュニティをつくろう!』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.282 ━ 2011.05.27
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『Main Contents:共有(シェア)の時代に、新しいコミュニティをつくろう!』
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『共有(シェア)の時代に、新しいコミュニティをつくろう!』
震災後、消費者の購買心理は大きく変化したと言えます。
それは大きく、エコノミーからエコロジーへ、安全・安心の訴求、
より実用性、機能性へのシフト、省エネ意識の高まりなどです。
より機能性、実用性へのシフトや省エネ対応で、
ホームセンターなどに特需が生まれています。
このような意識はこれまでもあったわけですが、
この震災を契機に一気に加速したといえます。
このような購買心理に対して、先行してきたのが、
通販生活を出す「カタログハウス」です。
通販生活の扱い商品のコンプセプトは大きく3つあり、
(1)モデルチェンジしない商品、
(2)リサイクル可能な商品、
(3)保証期間が長い商品
です。
このコンセプトに共感した顧客は有料のカタログを購入し、
会員になって商品を購入するのです。
消費の担い手となるショップ、テナントは、
このような変化に対応するためにも、
まずは、先行するカタログハウスを
参考にしていただきたいものです。
また、所有(私用)から、共有(シェア)への
価値転換が加速しそうです。
1つの商品を皆で共有するシェアの時代には、
その商品を所有する人々とシェアするため、
実質価格が高くても、個々人で見れば割安ということになります。
つまり、価格が高くても、より価値のある製品・サービスが
求められる傾向になります。
また、大量に消費しないで、長く使えることが前提であれば、
1年(1回)当たりの獲得コストが下がります。
良いものを皆で長く使う時代が、もうそこまで来ています。
そして、この共有(シェア)をきっかけに
新しいコミュニティに参加し、
新たなコミュニケーションが生まれることがポイントです。
ショップ、テナントはモノ、空間、時間を共有するサークル、
会員制度をつくり、そこで時代に対応した商品・サービスを
提供する仕組みをつくりたいものです。
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【SC経営のヒント279】:『企業は人なり』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.279 ━ 2011.04.22
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:企業は人なり』
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『企業は人なり』
4年9ヶ月、船井総研にいたOB(後輩)が
今日の朝礼で話をしてくれました。
彼は、震災で被害の大きかった岩手県大槌町の実家に戻って
中古車屋さんを継いでいます。
この震災で2店舗が津波に流され、1店舗も全壊だそうです。
祖父も亡くなり、社員も1名亡くなり、
生まれ育った実家も全壊したそうです。
この震災で全てを失い、まさにゼロからのスタートのようですが、
彼はプラスのスタートだという話をしてくれました。
経営はまさに「人、モノ、金」で決まります。
今回の震災で店が流され、商品(金)も流されましたが、
自分には誇りにしたい社員(人)が残っている。
彼らは、震災の翌日全壊はしているが唯一残った店舗に出社し、
瓦礫を片付け、親族が行方不明になっているにも関らず、
お客様の家をまわり、安否確認していた。みんな震災で車が流され、
乗り合いで出社してくる。そんな社員たちに囲まれ、
あらためて人の大切さを実感しているそうです。
大槌町は震災の被害がとくに甚大で、あまりの被害の大きさに
復興への一歩が踏み出せない企業が多いそうです。
そんな中、彼は最大の経営資源である「人」が残ったのは
大変な財産であり、まさにプラスのスタートだと
考えているとのことでした。
彼は不謹慎かもしれないけど、
生きていることがラッキーだと思っている。
自分を含め、生かされたものが復興に向けて
できることをやるだけだ。と話ました。
震災後、1ヶ月が経過し、まだまだ復興への第一歩を踏めない企業も
多いと思いますが、明日に向けて確実に第一歩を踏み出している
人たちを励みに、共に前に進んでいければと思っています。
幸いにも、今回の震災で大きな被害がない店舗においても、
この震災の影響はまだまだ続くと思われます。
この震災をきっかけとして
お客様の大きな価値転換がおこりそうです。
当面の消費動向は、安全・安心、実用性、機能性が先行しています
ので、まずはこれに商品、売場、接客を対応させていきましょう。
そして、このGWは安、近、短となりそうですので、
子供を無料で遊ばせられる商業施設にこれまで以上に
多くのお客様が集まります。子供たちは日本の未来です。
その子供たちに元気を与えることで、
復興への支援をしていきたいものです。
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【SC経営のヒント277】:『好調な駅ビル、苦戦する駅隣接の商業施設』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.277 ━ 2011.03.03
船井総研 コンサルタント 丹羽 英之発行
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:好調な駅ビル、苦戦する駅隣接の商業施設』
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『好調な駅ビル、苦戦する駅隣接の商業施設』
まちづくり3法の改正以来、郊外に大型商業施設(1万平米以上)が開
発できづらくなり、大手デベロッパーは中国か日本の都市部(商圏
130万人)での開発・リニューアルに注目しています。都市部に強い
パルコの株式取得もここに攻勢をかけたいデベロッパーの意向の表
れのようです。
今のところ、都市部での勝ち組は、駅ナカ、駅ビルといえそうです。
一般的に、商業施設の売上は核店舗の集客で決まります。だいたい、
核店舗の売上高×2倍が商業施設全体の売上高であることが多く、
これは核店舗の集客(売上)で支えられるテナント数に限界があ
ることを意味します。ここで言う核店舗とは、自力集客(自力販
促)ができ、館全体の集客に貢献する(大型)店舗を指します。
ですから、(郊外型)SCでは、GMSと大型専門店が核店舗と言えま
す。この核としてのGMSは、機能として衣料・食品・住関連が必要
ということで、食品SMと衣料・住関連の(大型)専門店という構
成でも大丈夫です。また、専門店の規模と銘柄は商圏の大きさに
よって決まります。大商圏(50万人以上)ならロフト、中商圏
なら無印(30万人以上)、小商圏なら100均といった感じです。
一方、都市部で勝ち組の駅ビルは、駅乗降客が核店舗の機能を果た
すことが、(郊外型)SCとの大きな違いといえるでしょう。実際に
乗降客が核となるのは都心部のターミナル駅だけで、それ以外の駅
ビルは後背地にある商圏を取り込むことが必要なのですが、この後
背地にある商圏を取り込むには、マーケットが大きく、来店頻度の
高い食品が鍵となります。
例えば、食品の売上構成比は館全体の20~30%あるのが普通ですから、
核店舗の中でも特に食品がポイントと言えるでしょう。
実際に、駅ビル、(郊外)SCともに、商業施設の規模、新旧に関わ
らず、購買頻度が高く、マーケットの大きい食品を全体販促で強化
していくことが、即時業績アップ策なのです。
一方、一番苦戦しているのが駅隣接の商業施設ではないでしょうか。
駅に隣接する商業施設は、駅ビルや郊外SCとのターゲットの違いを
打ち出せず、雑居ビルの様相を呈していて、集客の核がないのが実
際です。
特に、隣接する駐車場(駐輪場)が少ないことが多く、本来は核と
なる食品で後背地のお客様をとれないのが一番の苦戦の要因でしょ
う。
そんな駅隣接の商業施設でも、ファミリーをターゲットとしている
SCが好調のようです。
また、好調な駅隣接の商業施設には下記のような特徴があります。
・300坪クラスの大箱の専門店を数持っている。
・大箱の専門店が商圏内一番面積店である。
・この大箱の専門店がGMS機能を補完している。
・フルライン、全客対応のテナントが多い。(ターゲット、商品を
絞り込み過ぎない)
・過去一斉を風靡したテナントが生き残っている。
やはり、商売は「どこで、誰に、何を売るかが」基本となります。
ショップ・テナントも自社の立地特性を正確に把握し、ターゲット
を明確にして商売をしていきたいものです。
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【SC経営のヒント274】:『平日の販促カレンダーをつくろう』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.274 ━ 2011.02.10
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『平日の販促カレンダーをつくろう』
業績を伸ばしているショップ・テナントを見ていくと、
休日と平日の商売のやり方が違うようです。
休日は集客商品と定番商品を売り、
平日は収益商品を提案しているお店が強いお店といえそうです。
というのも、休日はどうしても全館集客が多いので、
SCに入店しているショップ・テナントも
お客様を捌くことを優先しがちです。
つまり、売場は価格訴求の集客商品を前面に展開し、
それをセルフで売ることを基本にしています。
しかし、この価格訴求の集客商品は知名度の高い
NB(ナショナルブランド)の商品が多いので、
集客はできるのですが、なかなか利益がでないのが実際です。
従来の販促は、購買頻度が高く、自店での買上点数の多い
主力商品を競合他店と比較して、安くチラシに掲載することが
基本でした。
また、チラシ販促は売上(客数)の最大化が目的ですので、
売上(客数)指数の高い週末(土・日)に折り込まれるのが
普通です。
ただ、この週末のチラシ販促で呼びこんだお客様に、
平日来店いただけるフックを準備しておくことが必要です。
平日は週末に比べて、来館客数が少なく、
接客時間が多くとれるはずです。
ですから、休日のように集客商品をセルフで売るのではなく、
接客で収益商品の価値を伝えることが大切です。
ここで言う収益商品とは、自店の扱い商品の中で価格が高く、
粗利もとれる商品を指します。
できれば自店でしか取り扱っていない、
希少性、限定性、地縁性のある商品が理想です。
よく商店街でやっている逸品運動などは収益商品のモデルと
いえそうです。
この収益商品の価値をお客様に知っていただくために、
各ショップ・テナントが企画する体験、体感、試着、お試し、
教室、セミナーを平日に集めて販促カレンダーにしている
ショッピングセンターが盛り上がっています。
そして、この教室に自店の収益商品だけでなく、
お仲間のショップ・テナントの商品を添えているお店が
圧倒的に支持されています。
例えば、
リカーショップの企画するワインの定期試飲会(頒布会)に、
洋菓子屋さんの高級チョコを添える。などです。
これらの教室販促の良いところは、お客様にとっては無料で学べて、
単独で売り込まれることのない安心感があることです。
一方、ショップ側には、定期的に開催することで
参加したお客様からの紹介(口コミ)が得やすいという
メリットがあります。
ぜひ、SCの買い回り店数アップのためにも、
平日販促を強化していただきたいものです。
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【SC経営のヒント271】:『ピンチをチャンスに変えよう!』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.271 ━ 2011.01.14
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『Main Contents:ピンチをチャンスに変えよう!』
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『ピンチをチャンスに変えよう!』
ここ最近、新規オープンするSCへの競合対策のお話を頂くことが増えました。
競合対策は前叩き(前準備)が原則ですが、オープン後の様子を見てから対応
しようという店舗が多いのも実際です。
しかし、売上が下がってからでは店舗にコストがかけられず、売上と連動する
販促費が下がってしまうので、後からでは競合対策はできないのです。
例えば、売上50億円のSCが競合出店の影響で昨対90%になれば売上が5億円減り、
昨対80%になれば売上が10億円減ります。実際に様子見をしたSCのなかには毎
年売上を下げ続け、結果として5年で売上が半分になっているSCもあります。
(昨年対比90%でも5年続ければ売上は半分です。)
一方、前向きに予算を組んで競合対策をすることで、10億円下がるところを
5億円にできるとしたら、それは非常に費用対効果が高い競合対策と言えるで
しょう。
競合出店した際に、地域一番店だけが100%をクリアし、2番店が90%、3番店が
80%、4番店70%ということはよくあります。これは地域一番店だけが、競合出
店というピンチを自店(SC)が変わるチャンスと捉え、ソフトリニューアル
など前準備ができている結果といえるでしょう。
とはいえ、地域一番店でなくても競合対策は可能です。そして、そのポイント
は力相応であることいえそうです。
力相応とは、競合となる新規SCの規模と自店(SC)の規模との比較により、
対策を打つということです。自店(SC)が新規SCよりも規模が小さい場合は
食品強化が基本であり、自店(SC)が新規SCと同規模以上の場合は衣料・
住関連の先売りが基本となります。
食品は足元商圏がベースですので、チラシ配布枚数を抑えつつ回数を優先でき
ます。まずは食品を柱に、平日にお客様を予約できる紋日をいくつつくれるか
がポイントになります。平日対策がしっかりできれば、週末のお客様が落ち込
んでも売上減を最小限に抑えることができるからです。というのも、SCの上位
顧客はそのSCの食品(SM)の利用率が高く、結果として浮気しづらいからです。
一方、自店(SC)が新規SCと同規模以上の場合は先売りが基本となります。
食品は買いだめができないですが、衣料、住関連は買いだめができますから、
新規SCのオープン前にキャッシュバックセールなどでの先売りしてしまうこと
が重要です。
これをキャッシュバックでなく、商品券で返せば次回来店へとつなげることが
できるので競合対策としてより効果的といえます。
これらは、前叩き(前準備)のための短期的な競合対策ですが、本来的には競
合出店を好機と捉え、自店(SC)の商品力、売場力、販促力、接客・サービス
力をテナントと一体となって見直し、ソフトリニューアルできればベストです。
ぜひ、ピンチをチャンスとして捉え、新たなチャレンジのスタートにして頂き
たいものです。
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■週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
ご意見・ご感想お問い合わせなどは⇒ info-sc@funaisoken.co.jp
発行人:丹羽 英之(にわ ひでゆき)
編集担当:丹羽 英之(にわ ひでゆき)
発行所:株式会社船井総合研究所 第四経営支援部
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-6-6日本生命丸の内ビル21階
TEL : 03-6212-2930(直通)
E-MAIL :info-sc@funaisoken.co.jp
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【SC経営のヒント268】:『個人的な記念日に注目!』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.268 ━ 2010.12.23
船井総研 コンサルタント 丹羽 英之発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:個人的な記念日に注目!』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『個人的な記念日に注目』
売上アップするには、「原理・原則に従うか」、「時流に従うか」のどちらか
が必要です。
売上アップの「原理・原則」では、売上構成比の高い商品や売上伸び率
の高い商品に注力する。
あるいは、MS(一人当たり年間消費支出金額)の大きい商品を強化する
ことです。
具体的には、これらの商品を店頭近くの主通路沿いに配置、フェイスを
1.3~1.5倍にし、在庫を2倍持つというやり方です。
また、限られた人、モノ、金でより費用対効果の高い販促をしていくことが
大切です。
そのためには、月別(週別)の売上構成比の高い月(週)に、より多くの
販促経費をかけていくのです。
当然、12月は売上構成比の高い月ですので、売上構成比の低い2月と
同様の販促経費にはせず、この12月にどれだけ多くの予算をかけるか
がポイントになります。
上記は原理・原則に基づいた売上アップ手法ですが、実は日本のような
成熟したマーケットでは、今のお客様の買い方にあわせた「時流」を優先
させてほうがより成果が出やすくなっています。
例えば、宝飾、貴金属は12月の売上構成比が特に高い業界ですが、
上記のような原理・原則に従えばどの店舗もこの月に積極的に販促を
仕掛けることになります。
実際、お客様はこの時期に積極的な勧誘(DM、TEL)を受けるわけですが、
これではお客様の取り合いになってしまいます。
そして、結果として商品力、人間力に優れた一番店に集中することになって
しまいます。
今のお客様はどういう時に、宝石・貴金属が欲しいかというアンケート
データがあります。それには「クリスマス」よりも、お誕生日や結婚記念日
といった「個人的な記念日」に欲しいという人のほうが多いのです。
つまり、この「個人的な記念日」を特定でき、適切なアプローチができれば、
競合の多い12月にあえて販促を仕掛けるよりも、費用対効果が高くて
成約率の高いアプローチが可能となるのです。
ギフトも誰かに贈るだけでなく、自分へのご褒美として贈る時代になって
います。業種・業態を問わず、パーソナルな情報を店頭で収集して、
「個人的な記念日」に欲しいものをダイレクトに提案したいものです。
圧倒的な支持を受けている地域一番店(ショップ・テナント)とは、実は
「個人的な記念日」といったパーソナルな需要に応えているのです。
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