━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.271 ━ 2011.01.14
船井総研 コンサルタント 丹羽 英之発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:ピンチをチャンスに変えよう!』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『ピンチをチャンスに変えよう!』
ここ最近、新規オープンするSCへの競合対策のお話を頂くことが増えました。
競合対策は前叩き(前準備)が原則ですが、オープン後の様子を見てから対応
しようという店舗が多いのも実際です。
しかし、売上が下がってからでは店舗にコストがかけられず、売上と連動する
販促費が下がってしまうので、後からでは競合対策はできないのです。
例えば、売上50億円のSCが競合出店の影響で昨対90%になれば売上が5億円減り、
昨対80%になれば売上が10億円減ります。実際に様子見をしたSCのなかには毎
年売上を下げ続け、結果として5年で売上が半分になっているSCもあります。
(昨年対比90%でも5年続ければ売上は半分です。)
一方、前向きに予算を組んで競合対策をすることで、10億円下がるところを
5億円にできるとしたら、それは非常に費用対効果が高い競合対策と言えるで
しょう。
競合出店した際に、地域一番店だけが100%をクリアし、2番店が90%、3番店が
80%、4番店70%ということはよくあります。これは地域一番店だけが、競合出
店というピンチを自店(SC)が変わるチャンスと捉え、ソフトリニューアル
など前準備ができている結果といえるでしょう。
とはいえ、地域一番店でなくても競合対策は可能です。そして、そのポイント
は力相応であることいえそうです。
力相応とは、競合となる新規SCの規模と自店(SC)の規模との比較により、
対策を打つということです。自店(SC)が新規SCよりも規模が小さい場合は
食品強化が基本であり、自店(SC)が新規SCと同規模以上の場合は衣料・
住関連の先売りが基本となります。
食品は足元商圏がベースですので、チラシ配布枚数を抑えつつ回数を優先でき
ます。まずは食品を柱に、平日にお客様を予約できる紋日をいくつつくれるか
がポイントになります。平日対策がしっかりできれば、週末のお客様が落ち込
んでも売上減を最小限に抑えることができるからです。というのも、SCの上位
顧客はそのSCの食品(SM)の利用率が高く、結果として浮気しづらいからです。
一方、自店(SC)が新規SCと同規模以上の場合は先売りが基本となります。
食品は買いだめができないですが、衣料、住関連は買いだめができますから、
新規SCのオープン前にキャッシュバックセールなどでの先売りしてしまうこと
が重要です。
これをキャッシュバックでなく、商品券で返せば次回来店へとつなげることが
できるので競合対策としてより効果的といえます。
これらは、前叩き(前準備)のための短期的な競合対策ですが、本来的には競
合出店を好機と捉え、自店(SC)の商品力、売場力、販促力、接客・サービス
力をテナントと一体となって見直し、ソフトリニューアルできればベストです。
ぜひ、ピンチをチャンスとして捉え、新たなチャレンジのスタートにして頂き
たいものです。
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■週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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発行人:丹羽 英之(にわ ひでゆき)
編集担当:丹羽 英之(にわ ひでゆき)
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