チャレンジの法則

売れ筋商品というのはどこの店においても存在しますが、それは限られた数の商品に絞ることが出来ます。
であれば、その商品だけ扱えば売上はとれるのでは?と誤解されがちですが、実際には取扱商品を絞ると売上は下がります。
実際、以前に大手流通がそういう業態を開発しましたが、大失敗して撤退したうえに会社ごと傾く原因になってしまいました。
この理由は、商品を絞ると集客力が減少するためです。

たとえばカップヌードルは、標準カップヌードルとカレーとシーフードが3大売れ筋です。であれば日清食品はこの3つだけ売ればいいじゃないかとなるでしょうか?実際にはカップヌードルは毎年次々と新しい味が登場しては消えてゆきます。もちろん新味を開発される方々は「新しい定番を作ろう」と意気込まれていると思いますが、実際にそのような商品を開発するのは容易ではないということです。それでも毎年毎年、新しい商品にチャレンジし続けています。
このチャレンジこそが「カップヌードルの市場自体を活性化させる」ことに大きな役割を果たしているわけです。
これはどこの業界においても同様ですね。

商業施設においても、どうせ売れる店は一部、どうせ売れる商品は決まっている、どうせ売れるイベント企画はこれとこれだけ・・・などという、「あきらめ感」に負けてしまってないでしょうか?

売れる商業施設の特徴はいくつかありますが「外から見て楽しそうに見える」「行けば毎回何かやっている」「中を歩いているだけでワクワクする」といったことになります。お客様は理屈で来店されるだけではなく、なにか楽しそう面白そうワクワクしそう・・・という感情で来店されるのです。
中のスタッフが「どうせ・・・だから」と思ってチャレンジをやめてしまうと「売れ筋だけ置いている店」と同じになってしまうのです。そんな店面白くない。だからお客さんが来なくなって売上が下がってしまうのです。

売れ筋は売れ筋、どんどん売ればよいです。それ以上に「店にお客様がたくさん来店されるように、どんなワクワクを仕掛けようか」このことに対するチャレンジをやり続けることが大事です。
答えは一つではなく、失敗も多々あるでしょうが、それでもチャレンジし続ける。
それが繁盛店・繁盛SCをつくるということです。

大手外食チェーンのカスタマージャーニー。生産性と満足度の両立には何が必要か?

皆さん、こんにちは。

いつもメルマガをご覧いただきありがとうございます。

 

先月から、新しい顧客体験の創造をテーマに、マーケティング、マネジメントの両面から期待される成果を出し続けるプロ店長の事例をシリーズでお伝えしています。

「接客」「売り場」とテーマにお話ししてきましたが、今回は外食産業を参考モデルに、1・2回目を振り返ってお伝えできればと思います。

 

セルフ化の課題「生産性」と「良い購買体験」をどう担保するか?

コロナの2年余りで習慣化した人の行動やニーズに合わせて、「三密を避けたい、並びたくない」など非接触ニーズに応えることが世の小売り・サービス業には求められています。

一方で店側も、売上が下がるなかで原材料・輸送費などは上昇し、お店として利益が出づらく、いかに効率化・省人化していくかという現状があります。

つまり世の非接触ニーズとお店側の効率化・省人化ニーズは、方向性として一致しているということになります。

 

しかしながら、そういった効率化やセルフ化にはいくつか課題があります。

ひとつは、労働生産性が上がりにくい・測りにくいものがショッピングセンターのテナントである小売業や外食業などのサービス業には多いこと

また、買い物・サービスの体験価値を下げずに利便性や生産性を上げること、そのうえで他店とどう差別化をするのかということです。

 

 

ここで大手イタリアンレストランFCを例に取り組みを見てみたいと思います。

まず省人化・利便性の向上面での取り組みです。

 

同店では来店後に店頭で並ぶ前に、発券機のQRコードを読み取ります。その後着席しメニューを決めると、スマホオーダーへと進みます。

この料理を待つ時間の時点で、最初のQRコードから登録したメールアドレスに案内メールがとどいており、ラインなどに登録が可能です。その場で会員登録するとアイスクリームなどのサービスがあり、会員情報取得の最初のハードルは超えやすい仕組みができています。

 

また、会員情報で誕生日も入力するため、記念日マーケットで組来店率を上げるための動機づくりのプッシュもできるようになっています。

カラオケやレジャー業態も同様ですが、誕生日などの記念日用のセットメニューが組まれていることが多くあると思います。

同店では、「デコレーションデザート1品プレゼント」「ARを使ったオリジナルフォトフレームで記念撮影」などが用意されており、本部主導で店舗への負担が少ない設計になっています。

 

 

シーズンメニューのプロモーションでは、イチ押しの商品やフェアを絞り、それ用のハッシュタグでSNS投稿するとサービスが受けられるなど、「推したい商品」と「導線設計」による「欲しい情報と伝えるべき情報」が明確になっています。

 

定量的な接客はできるだけセルフ化し、ただ省人化するのではなくCRMを積極的に活用するきっかけに変え、レスポンスが大きくなるように導線を設計する。

このようなカスタマージャーニーマップの考え方を取り入れることで、外食に限らずあらゆるサービス業で、生産性と満足度の両立が可能となります。

 

さらにこういった取り組みが成功している店舗で、根底にあるのはプロ店長の存在です。

取り組みの認知度と導入率がアップさせるためには、本部主導で店舗への負担が少ないとはいえ、スタッフの積極的な声がけが最重要です。

店舗スタッフ主導で顧客コミュニケーションを図っていくことが、導入率に大きな差を出します。

重要なのは、本部が提供する仕組みだけでなく、プロ店長を起点にその仕組みを価値あるものに変えていけるかというスタッフマネジメントの点であるといえます。

既にある仕組みや道具、外部環境をいかにうまく使うか、そういう意識を持ったプロを目指すのがスタンダードになるといえます。

 

 

船井総研では、そういったプロ店長を目指すための、取り組みの目的やゴール、定点観測すべきポイントなど、施策を見直し、その効果を測るための研修を行っています。

今後は、「やるべきタイミングで、やるべき施策を、一つ一つ丁寧にやりきらせる」プロ店長が勝ちます。

その実践研修のコンテンツ詳細が気になる方はぜひお問合せください。

売り場づくりは「ニーズ別」が肝

皆さん、こんにちは。

いつもメルマガをご覧いただきありがとうございます。

 

先々週から、新しい顧客体験の創造をテーマに、マーケティング、マネジメントの両面から期待される成果を出し続けるプロ店長の事例をシリーズでお伝えしています。

今回は「売り場」をテーマにお話ししたいと思います。

 

コロナ禍で行動自粛となってから約2年間、買い物や気晴らしに出かける人の数が減り、ショッピングセンターの来客数も減っていきました。

それはもちろん売上にも直結していて、みなさまも数字作りに頭を悩ませているのではないでしょうか。

 

しかし反対に、良い方向にユーザー行動が変わった点もあります。例えば・・・

 

・外出する回数が減っているから、1回あたりの買い上げ点数は増えている

・何となく見て回るのではなく目的買いが増えているため、滞在が短くても決定率が増えた

・ECでの購入率が増加した

 

このようなコロナ禍の購買行動の変化は、2年という長い間に習慣化し、定着したといえます。

業種問わずECの伸びが顕著ななかで、お客さんには「店舗でしかできない体験」がますます価値を高めています。そのために事前情報提供や情報とリンクしたシームレスな売り場づくりを提案していかなくてはいけません。

 

つまり我々は、変化し定着した購買行動に対する対応を、アフターコロナの今後もますます加速させるべきではないでしょうか。

 

 

「サッと済ませたい」「濃い時間を過ごしたい」

カスタマージャーニーを意識した売り場づくり

上記でも申し上げたように、いつでもどこでもシームレスな買い物体験を実現させることが、今後大きな方向性になってきます。

必要以上に長時間滞在したくないニーズと、それでいて満足度の高い買い物をしたいというニーズを両立してもらうためのカスタマージャーニーとしては、顧客情報に合わせた事前情報→目的がわかりやすい店舗→良い購買体験に価値を置いた売り場づくりが重要です。

早くしたい人ほど、事前情報をしっかり告知しておき、店舗では試着するだけorピックアップするだけで、快適な買い物ができるような仕組みづくりを心がけます。

 

具体的には、例えばどんな売り場づくりが望ましいのかニーズ別に考えてみると…

 

 

①早く済ませたいニーズを満たす

近づいて人と話す接客=悪いことというイメージで、とにかく手早く用事を済ませたいニーズには、わかりやすい目的地を作ってあげることが重要です。

 

・これまではセールでしか行っていなかったような、サイズ・プライス別のコーナーで商品を見つけやすくする

・(事前に購入などしていた場合に)商品だけすぐに受け取れる、受取カウンターをレジ前に出す

・サービスカウンターと試着室を前面に出して増やす

・事前オーダーや決済の仕組みを増やす

 

②目的買いニーズを満たす

冒頭でもあったように、1回あたりの買い上げ点数や金額、決定率は高い傾向にありますから、お目当てのメイン商品+αのセット商品を強化が効果的です

 

・ギフトパッケージなどのセット組み商品の陳列を強化する

・複数個購入で安くなるバンドル商品を提案できるように配置する

 

③体験ニーズを満たす

サッと目的のものだけ買いたいニーズの反面、外出一回当たりの満足度を上げたいニーズも高まっています。せっかく出かけたのだから、濃い時間を過ごしたいという気持ちです。商品の量・質・幅でなく体験スペースを増やすことで、満足度アップにつながります。

 

・試着室やメイクのタッチアップスペースを増やす

 

 

さらに、ショッピングセンターは館としての集客力が強いため絶対客数は多いですが、購入率は決して高くありません。その中で購入率を上げるためには、事前情報の提供が必須です。

 

来店時にお客様の個別情報を取得、情報や傾向を整理し、イベントのタイミングできちんと個別アプローチを行い集客につなげます。

さらにそこで、前回お話しした接客セルフ化や上記のような売り場づくりで誘導していく。さらにその情報を…という循環を作り上げます。

 

 

以前にもまして「やりきること」が重要

 

 

本稿で申し上げている「ニーズ別の売り場」や「個別アプローチ」などは、実は新たな取り組みというわけではなく、読んでいる皆様も「知ってるな」「やったことあるな」とお思いかも知れません。

しかし、やった方がいいのはわかっているけれど目の前の対応に追われて後回しになっていた、という施策もあるのではないでしょうか?

 

つまり、これまでは館の集客も多く勝手に売り上げが立っていたものが、

絶対客数が減ったことで、一つ一つの施策をやりきっているお店とそうでない店の違いが明確に出ているということなのです。

 

「前からある方法だがコロナでやるべきことが明確化し、従来からやってきたことがより重要になってきた」ことを意識する必要があります。

 

さらに各店の取り組みに加えて、SC全体の取り組みも重要です。

SC全体が、体験価値提供に取り組み、それに各店が相乗りできる状況を作り上げることで相互の価値が高まっていきます。

ネット体験=リアル体験をお客さんは求めていて、ネットの利便性+店舗の価値を提供できること、それができるSCが残っていくといえます。

 

船井総研では、取り組みの目的やゴール、定点観測すべきポイントなど、施策を見直し、その効果を測るための研修を行っています。

繰り返しになりますが、「やるべきタイミングで、やるべき施策を、一つ一つ丁寧にやりきらせる」プロ店長が勝ちます。

その実践研修のコンテンツ詳細が気になる方はぜひお問合せください。

 

構造を見ること

SCで重要なのは「事業構造」

新しく開業したSCを見るときに、どういうところを見ていますか?とよく訪ねられます。
基本的には「自分だったらどう作るか」という視点で見ているのですが、テナント構成やインテリアのイメージもさることながら、もっと基本的な「事業構造」のところを重視します。

事業構造において大切なのは地代や投資とそれに見合った収益を得ることですが、外見的に分かりえることとしては、収益性や永続性を考慮されたテナント構成になっているかどうか、です。
分かりやすい例でいうと、スーパーストアの面積比率、物販と非物販のバランス、さらには飲食店舗の数などです。

2000年以降、モール型SCが増えて、SCの非物販の比率は上がっています。90年代はせいぜい1割程度だったのが、2000年ごろには22-23%くらいになっていますし、現在は館によってはそれ以上になってきています。
その中で、飲食店舗数が多めの館が増えつつあると感じています。
コロナで外食産業全体がダメージをうけて、弁当やデリバリーなどに代替しているなかで、SCのレストラン街やフードコートにも空き区画が目立っているのが実情。そういう中で、通常のSCよりも飲食店舗数を増やすというのはチャレンジングなことです。
魅力ある飲食を入れたいというのがデベロッパー側の意図とは思いますが、クローズドな館の中では物販と飲食の適正比率はおのずと定まるものであり、力を入れたからといってその部門だけ市場規模が拡大するかというと、そんなに簡単ではありません。そもそも箱型の館での飲食は夜需要に弱く売上は伸びにくいものです。
都心ターミナル立地であれば可能性は大きいですが、郊外立地では夜型飲食に力を入れてもなかなかうまくいかないものです。

テーマ性の重視したオープンモール

一方では、都市部でオープンモールにしたり、屋台村的なつくりにしてチャレンジしている魅力的な館もあります。テーマ性を強く持たせた独立した箱や、オープンな構造であればうまくいく確率が高まるように思えます。
従来の商業施設の考え方では、投資コストや将来変化を考えて「すべて大きな箱の中に入れる」というのが王道でしたが、この先商業開発を考える際には、もうすこし柔軟でもよいかと感じました。
あくまで原則的にはオープンモールは不利なのですが、昨今の地方創生的成功例や、都市部でも新しい意欲的な館はオープンモール化にチャレンジしている例もあります。もちろん不動産効率は高いものではないため、どこかを犠牲にしてのチャレンジになります。

このように、店舗の物理的構造や、スーパーストアの面積比率や、物販非物販といったMD構造がうまくいっているのかは非常に重視しています。顧客導線や駐車場導線、駐車場位置、場内の走りやすさやINOUTの状況なども気になります。
最近では駐車場料金体系もチェックしていますが、商圏・顧客の状況に応じたオペレーションになっていることも大切だと思います。
店づくりは重要なことですし、人気のテナントが入っていることも重要なことです。
しかしそれ以上に重要なのはビジネス構造的に成立して長続きするように作られているかどうか、ということになります。