観光型と生活型の融合

南町田に続き、ふかや花園や平塚に新しいアウトレットモールがオープンしています。
アウトレットモールは大型商業施設のなかでは観光客のウェイトが大きな業態であり、広い商圏から集客するタイプの店となります。
もともと米国ではじまって日本でも20年ほど前から本格的に展開されるようになってきました。

米国のアウトレットモールにも様々なタイプがありますが、大都市から一定程度離れた観光地内に出店している場合が多いです。
90年代にはこのようなアウトレットモールは日本になく、米国に訪問していずれ日本もこういう時代になるのかと思っていましたが、
いまや御殿場などは世界屈指の巨大モールになっており、売上的にも相当なものとなっています。

御殿場や軽井沢などの大都市から離れたアウトレットモールは、ラグジュアリーブランドを多数導入して「わざわざ来訪」を促せるような構成になっています。スペシャルティ感を重視して、あんまり日常的なものは入れないで「特別な館」になっています。
一方で、南町田やふかや花園や平塚などは大都市から近く、近隣人口も多い立地になります。

既存アウトレットモールは集客が「土日祝集中型」になりやすく、結果として飲食店がしんどい状況になりやすいです。
多くの飲食店が平日閑散・土日は大行列で顧客からも苦情が来たりしています。なので、施設側としてはなるべく平日集客を増やしたい

平日集客を増やすには食品や生活用品など、どこにでもあるような普通の店を導入することになります。
そうすると、モール全体の「スペシャルティ感」が薄れてしまいます。
アウトレットと聞いてわざわざ遠くから来たのに、これじゃあ地元のSCとあんまり変わらない・・・とお客様が感じてしまうと、商圏を広げることが難しい。
このへんのバランスは本当に難しいところで、各社とも工夫をなされているのが興味深いです。

テナント側にも、日常品ではあるのだけれどもデザイン性や特別感を重視した「日用品なんだけどスペシャリティ感もある」という店が期待されるところです。

観光客は普段目にしないような特別なものを期待する、その一方で近隣顧客を呼ぶには日常的なものも取りそろえる必要がある。
駅ビル・モール・デパートなど、これから観光客を取れるだけ取りたいという現状で、最近の新しいアウトレットモールの取り組みはとても参考になるところが多いと思います。

“売れるルール”がわかるたった2つのポイント

皆さんは店舗全体やアイテムごとの“売れるルール”を知っていますか?

売れるルールがわかれば、計画的に「売りまくる」ことができますし、似ている商品のルールを応用すれば、新商品などでも売れ時を予測して陣列や在庫数を工夫することができます。

そんな売れるルールを見つけるためには、PDCAサイクルを回す上でたった2つのポイントを意識するだけで良いのです。

本日のコラムでは、売れるルールが見つかるPDCAの2つのポイントについてお伝えします。

 

➀売れている商品に着目する成功発見型のPDCAを回そう

客足や在庫量、売上…皆さんは普段からこういったデータを分析して店舗戦略を設計されているかと思います。ここでよくやってしまうのが、売れない商品に着目して売上を伸ばそうとする「課題解決型」のPDCAです。

確かに売れない商品を見出して発注量を減らしたり、陳列方法を変えたりすることも重要です。しかし、これまでのコラムでもお伝えしている通り、売上を最大化するための基本戦略は「売れるときに売りまくる」です。

これを行動ベースで言い換えると、データを通して売れ筋を見極め、なぜその商品が売れたのかを分析して行動に移す、ということになります。これが売れている商品に着目した「成功発見型のPDCA」です。

ついつい、「売れているから後回しにしよう」と放置しがちですが、売れている商品にこそ着目してその理由をルール化することが、売上最大化の近道になるのです。

 

➁週別管理でPDCAを高速に回そう

なぜ売れたか、を分析するためには、店舗の数字には表れない様々な要因も検討する必要があります。例えば天気や気温、曜日、館のイベントなど…こういった要因とデータを結び付けるには、“記憶の新鮮さ”と“検証の回数”が重要です。

月別での管理では、売れた理由の検討に抜け漏れがあったり、その理由を確かめるための検証回数も少なくなってしまいます。

季節性の高いアイテムなどは、売れる理由がわかる前にシーズンが終わってしまい、毎年ルール化できない状態が続く、ということも珍しくありません。

〇℃になったらサンダルが売れる、〇℃になったらキャップが売れる、といったようなルールを見つけるには、毎週月曜日に直近1週間のデータ集計と分析を行ない、火曜日には実行に移す…といった高速のPDCAを回していく必要があります。

 

いかがでしょうか。

ここまでご紹介した内容は誰でも簡単に取り組める内容だと思います。しかし、たったこれだけを押さえることで店舗の売上が大幅アップすることも珍しくありません。

売上最大化のファーストステップとして、ぜひ明日から「週別の成功発見型PDCA」を実践してみてください。