利益を最大化する販促手法とは?

前回に引き続き、利益を最大化する販促手法についてお伝えします。

業績アップのポイントは、売上上位の10週/52週を勝ち切ることにあります。
年末、年始商戦は、業種・業態を問わず、トップ10週に入っているため
前回はその前提でお伝えしています。

とは言え、注意しなければいけないのは
利益を最大化するためには、ピークアップ法から底上げ法に切り替えるとお伝えしましたが、
年間を通じてのピークアップ法は基本にあり、このピーク内を平準化することが重要だということです。

また、前回伝えきれなかった利益を最大化する販促手法のポイントをお伝えします。

前回のポイントは、既存客への事前告知、再来店を基本としていますが、
今回のポイントは新規客の獲得と再来店になります。

その上で、重要な取り組みが下記の4点となります。

①1日して劇的に売場を変える(昨日と違う売場をつくる)
②期間中の新規入会者数を最大化する
③30日以内に新規入会者の2回目来店をさせる
④終了後に次年度の行動計画を作成する

①「1日して劇的に売場を変える」
イベント当日の売場は、昨日までの通常営業と全く違う売場展開ができるかが
入店率、買上率をアップするポイントになります。

特に、新規客獲得には店頭、ファサードでの演出が重要になります。
具体的には、のぼり、風船、フラッグ、ストリーマー、紅白幕など、動く販促物が効果的です。

また、当日イベント的にガチャ、ガラポンなどを行う場合は、店頭の一番目立つところで実施するのが効果的です。

これらは、既存の売場、商品を変えることなく、演出だけで売場が変わった感を演出できることがポイントです。

いかに、視覚的に店前通顧客の視界に入る演出を心掛けましょう。

②「期間中の新規入会者数を最大化する」
ハウスカードの入会は、最も客数の多い時に増えるのが一般的です。
忙しい時は、スタッフも接客とレジに集中したいのはわかりますが
お客様がレジ待ちしている時間を効果的に過ごしてもらうためにも、
レジ待ち時に入会手続きが済むようにオペレーションを組むようにしましょう。

③「30日以内に新規入会者の2回目来店をさせる」
入会いただいたお客様には、30日以内の再来店の仕掛けを準備しておくことが必須です。
前回、割引から割増は再来店を促せると書きましたが、この再来店までの期間が短いことが重要です。ですので、お買い物券なども有効期限をあえて3か月以内にするなど
お客様の来店動機を高めることが重要になります。

④「終了後に次年度の行動計画を作成する」
イベント終了後、1週間以内に、今回イベントの振り返り(検証)をして、次年度の
アクションプラン(行動計画)を立てるようにしましょう。

その際に、イベント期間中の売場写真を残しておくと、次回の売場展開がしやすくなります。
それらをまとめた売場展開指示書をつくるように習慣化しましょう。

特に、チェーン店においては、店長や店頭スタッフが定期的に入れ替わることも多いので
申し送りとして、この売場展開指示書があれば残っているスタッフでの展開が可能になりますし、省人化がはかれるようになるのでおすすめです。

以上の新規に向けた4点と前回の既存に向けた3点を考慮して
年末、年始商戦への準備をすすめていくのは如何でしょうか?

小商圏・高付加価値業態

コンビニ全盛時代になり、多くの商品はコンビニの品質と価格が一つの基準値となって評価されるようになってきました。
お祭りのテキヤさんが取り扱っていたメニューはほとんどコンビニに網羅されてしまい、いまのテキヤさんは900円などのより高付加価値な価格帯で勝負するように変化してきています。
おでんも、コンビニ店頭商材で普及したため、個人のおでん屋はあまり見かけなくなりました。
コモディティ商材の多くはコンビニに席巻されてしまったといえます。

そのコンビニが市場飽和にともない高付加価値路線の商品を投入するようになってきました。
そこで商機が拡大したのがラーメンやおにぎりなどといったコモディティ商材だと感じています。

関東近郊では、オープンサンドのように具材を上にのせたおにぎり店や、客単価が1500円を超えるような個人のラーメン店が出現しはじめています。
おしゃれな内装、インスタ販促などの今流の手法を取り入れつつも、しっかりした味と接客という基本もきちんとできている店が大半です。

高付加価値路線で勝負するなら、セルフのチェーンストアより対面の専門店のほうが有利。
なおかつ観光立地ではなく通常のオフィス立地や住宅地で成立するようなものであること。
そういうところで勝負できる店づくりというのが今後小商圏で勝ち残れるキーポイントになってきています。

特に有名観光地は賃料が高止まりしていて新規創業にはハードルが上がりすぎています。賃料の安い住宅立地で、駅から中途半端に遠い場所で成功している企業が出てきています。

今現在は多くの店が都市部周辺の路面店展開ですが、複数出店できるようになった企業はインテナント出店の可能性が高まります。

「生活型立地」における「コモディティ商材」の「高付加価値路線」に着目する時代になってきたと思います。