小商圏・高付加価値業態

コンビニ全盛時代になり、多くの商品はコンビニの品質と価格が一つの基準値となって評価されるようになってきました。
お祭りのテキヤさんが取り扱っていたメニューはほとんどコンビニに網羅されてしまい、いまのテキヤさんは900円などのより高付加価値な価格帯で勝負するように変化してきています。
おでんも、コンビニ店頭商材で普及したため、個人のおでん屋はあまり見かけなくなりました。
コモディティ商材の多くはコンビニに席巻されてしまったといえます。

そのコンビニが市場飽和にともない高付加価値路線の商品を投入するようになってきました。
そこで商機が拡大したのがラーメンやおにぎりなどといったコモディティ商材だと感じています。

関東近郊では、オープンサンドのように具材を上にのせたおにぎり店や、客単価が1500円を超えるような個人のラーメン店が出現しはじめています。
おしゃれな内装、インスタ販促などの今流の手法を取り入れつつも、しっかりした味と接客という基本もきちんとできている店が大半です。

高付加価値路線で勝負するなら、セルフのチェーンストアより対面の専門店のほうが有利。
なおかつ観光立地ではなく通常のオフィス立地や住宅地で成立するようなものであること。
そういうところで勝負できる店づくりというのが今後小商圏で勝ち残れるキーポイントになってきています。

特に有名観光地は賃料が高止まりしていて新規創業にはハードルが上がりすぎています。賃料の安い住宅立地で、駅から中途半端に遠い場所で成功している企業が出てきています。

今現在は多くの店が都市部周辺の路面店展開ですが、複数出店できるようになった企業はインテナント出店の可能性が高まります。

「生活型立地」における「コモディティ商材」の「高付加価値路線」に着目する時代になってきたと思います。