顧客の買い回り店数を上げるには!?

商業施設の業績を向上させるためには、施設内のテナントそれぞれが、顧客の「買い回り店数」を増やすことが重要です。

つまり、ひとりの顧客が施設内でできるだけ多くの店舗を回り、購入する店数を増やすことで、商業施設全体の売上がアップするのです。

ここでは、実際に成果を上げた事例をもとに、効果的な取り組み方法をご紹介します。

まず、店長会議などの場を活用し、各店舗が自店の強みを他店舗と共有することからスタートします。例えば、どんな商品やサービスが売れているか、最も人気のある商品やサービスは何かといった情報を具体的な数値とともに伝えるのです。これにより、他の店舗のスタッフも、その店の強みを理解しやすくなり、互いに協力しやすくなります。

次に、その商品やサービスを購入しているお客様の属性についても共有します。場合によっては、その顧客がどの店舗をよく利用しているのかも共有することで、顧客の行動パターンが見えてきます。この情報をもとに、各店舗は相互に協力し、他店の商品やサービスを自店のお客様におすすめしやすい環境を整えることができます。

さらに、季節商品や新商品の情報も定期的に共有することで、他店舗のスタッフもそれらの商品に詳しくなります。試食や試飲といった体験の機会を提供できれば、より実感を持っておすすめができるようになります。実際に商品を体験したスタッフは、他店舗の商品であっても自信を持って紹介できるようになり、結果として施設全体での買い回りが促進されます。

また、試供品や試着品を互いの店舗で設置したり、ディスプレイ商品を貸し借りすることで、トータルな提案を顧客に対して行うことも可能です。こうした取り組みは、お客様にとってもより魅力的なショッピング体験を提供することにつながります。

これらの取り組みは単に売上アップに貢献するだけでなく、従業員のサービス向上や、ロス軽減、予約受付の効率化といった波及効果も期待できます。実際、業績の良い商業施設では、従業員自身が施設内の商品を購入しているケースが多く見られます。従業員が自らの施設の商品に詳しくなることで、サービスの質も自然と向上し、結果的に売上にもプラスの影響を与えるのです。

店長会議などをきっかけに、施設全体で協力し合い、顧客に多店舗を回ってもらえるような環境づくりに挑戦してみてはいかがでしょうか。これこそが、商業施設全体の成長に繋がる鍵となるはずです。