【SC経営のヒント379】:『最近のSCのテナントミックス』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.379 ━ 2014.06.12
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
 週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:最近のSCのテナントミックス』
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『最近のSCのテナントミックス』
昨今の大型SCでは、人気のナショナルチェーンや、そのナショナル
チェーンの別ブランド(新業態)が誘致されることが多いです。セ
レクト系のナショナルチェーンも新ブランドがひととおり出そろい、
アパレルから外食など多様化しています。
一方で、都市部の駅ビルやファッションビルでは、ユーズド(リサ
イクル)、100円ショップや300円ショップ、安価なSPA大型店の入
店も珍しくなくなってきました。この流れは百貨店といえど例外で
はなく、もはや駅ビル・百貨店・ファッションビルなどといった業
態の垣根を越えた競合が激化しています。
これまでSCのテナントミックスを決定付ける要素としては、「性別」
「ターゲット年齢」と「グレード」で考えられることが多かったと
いえます。この考え方は長らく主流の考え方であったといえます。
ここ10年は、グレードとエイジからもうすこし広がって「ファッ
ション感度」を重視しているところも増えていますが、依然として
テナントミックスを考える上でのひとつの幹でした。
「性別」という考え方もかつての主流ではありますが、昨今はユニ
セックスやメンズ&レディースというフロアが多数見られるように
なってきました。
しかし、昨今のファッションビルなどのMDを見ていますと、このエ
イジやグレードという垣根をこえて、「売れる店かどうか」という
ことや、「集客力があるか」ということに主眼が置かれているよう
に思えます。
これは、いい立地であるがゆえに「収益テナント」だけを集めてい
ればよかった時代から、郊外や周辺に競合店がたちならび、相対的
に立地の価値が低落して、その結果「集客」に相応の工夫をこらす
必要が出てきたからといえます。
郊外の大型SCは坪当たり賃料の高い「収益テナント」よりも、坪当
たり賃料の低い「集客テナント」のほうが大きな面積を占めていま
す。同じように、都会のファッションビルといえども「集客テナン
ト」の面積をある程度は確保しないと、全体としての集客力を維持
することが困難になってきた、と感じられます。当然ながら平均賃
料水準は低下するものの、集客力を維持しないとギブアップするテ
ナントが増えてしまいます。大都市のファッションビルですら、上
層階が郊外型のカジュアルなチェーンで埋め尽くされるという日も、
そう遠くない未来に実現することになりそうです。
ものごとへのアプローチを考える上で大事なことは、一見あたりま
えのような、この「分類」を見直すことにあると思います。
新店舗・新業態・新商品開発など、新しいものを生み出すには、こ
れまでの分類(グルーピング)を見直すというのが基本になります。
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発行人:山本 匡(やまもとただし)
発行責任者:山本 匡(やまもとただし)
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