『働き方改革をチャンスに変える!働き方改革時代の経営モデルとは?』

既存施設、既存店舗は商圏を軸に出店、MDを検討してきました。
自社ブランドの必要商圏人口を基準に開発・出店してきたと言えます。

このモデルでは、既存施設・店舗の業績アップは商圏内シェアをあげることですので人口が減れば客数が下がり、競合が出れば業績が下がります。日本の人口は減り続けるので、既存のビジネスモデルでは厳しいことは明白です。

また、これまでは商圏内シェアをアップするために、定休日の返上、営業時間の拡大をしてきましたが、これも働き方改革の影響で難しくなっています。

それでも、固定化した本部経費を賄うには、既存店舗の業績を下げるわけにはいきません。
新規採用も難しい中、根本的に既存のビジネスモデルを見直す必要性があります。
有店舗の業績が厳しいなか、EC化率は伸び続け、オムニチャネル化は避けては通れません。

しかし、本気で取り組み、成果をあげている施設、店舗が多くないのではないでしょうか?

お客様は、その時の気分やスケジュールによってネットと店舗を使い分け
もっと言えば、使い分けている感覚すらないのが実際です。

お客様がどこでも接客が受けられ、どこでも商品を試せて、どこでも買えて、どこでも受け取れる、これが求められているのです。
とはいえ、現実の展開では、商業施設の各店のネットでの売上計上はどうするのか
チェーン内でも、ネット部署と店舗部署の売上の取り合いになっていのが実際です。
当然、施設・店舗においては、商品連携、顧客連携ができていてこのシームレスな購買行動についていかなければなりません。

また、商圏人口をベースにした金太郎あめの出店から、顧客目線で最適なオムニチャネル施策 への切替が必要となります。

例えば、有店舗の人の採用は商圏(立地)が左右します。
地方に行けば行くほど人の採用が難しくなります。
かといって、地方の店舗は人が少なくていいわけではありません。
有店舗のモデルではどうしても、必要人員が決まってしまうのです。
とはいえ、数だけそろえればよいものでもありません。

既存モデルが接客を基本としている以上、接客力がなければ売れないのです。
人がとれない、接客力を鍛えるのが難しいのであれば、人がいなくてもよい、接客しなくても良い店舗モデルに切り替えていくべきです。

例えば、web接客を基本としたチャットセンターがあれば遠隔でも商品接客のプロが回答し、それをAIの回答に変えていくことができる時代になっています。
AIによるweb接客は、24時間、年中無休、商圏関係なく対応が可能なのです。
また、多言語化も対応でき、日本における唯一の伸びしろであるインバウンド対応にも適しています。
このweb接客を前提にすれば、あらたな店舗の役割が見えてくるのではないでしょうか?

食品・飲食の業界が、セントラルキッチンで商品を各店に配送するように
チャットセンターが店舗にお客様を送客することができる時代です。
有店舗の体験、試着、現物確認のニーズは絶対になくなりません。

体験を軸に店舗を組み立てた場合、店頭では体験のサポートをすればよいので、これまでのような接客のできる優秀な店員が必要ではないのです。
これまでの店員は接客もでき、陳列もでき、数字も求められていませしたが、お客様とコミュニケーションさえとれれば問題はありません。

働き方改革の時代をチャンスととらえ、顧客目線の最適なオムニチャネル施策に挑戦してみてはいかがでしょうか?

執筆者 高収益化支援部 丹羽英之