SC経営のヒント114:売上予測の糸口

ご挨拶
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こんにちは。船井総研の山本です。
いつもご愛読いただき有難うございます。
今回は店舗開発読本の読者様からご返送いただいたアンケートの中で、
最も多く関心がよせられていた、売上予測の手法についてお伝えしたいと
思います。デベロッパー様、専門店企業様へも今後のご計画に参考に
なればと思います。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
山本 匡
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■売上予測の糸口
新店を開発するにあたって、売上予測をするが、なかなか想定どおりに
出来ないということも多いのではと思います。実際、こればかりは
トライアンドエラーで何度も何度もチャレンジしてみないと、予想すら
できない世界のものだといえます。
ずいぶん前のことですが、駆け出しだった頃、当時の上司から、街を
歩いていて見かける店の売上予測をしてみろ、と教わりました。彼いわく、
「若くても売上が予測できる人はできる。ベテランでもできない人は
できない。売上を予測するという意識が大事なのだ。」
そのとおりだと思います。貴重なことを教わったと思います。
経済予測などで使われる手法に、「先行指標」というものがあります。
たとえば、運輸会社の取扱物流量が増えれば産業界の景気が良くなるとか、
消費者物価指数が上がると景気が良くなったとされるとか。風が吹いたら
桶屋が儲かるではありませんが、どこまで相関性があるのかよくわからない
ものも含め、各種の指数を頼りに予測をたてるという手法が一般的です。
これと同様に、店舗の売上予測も、様々な要因が複雑に絡みあっている
ように見えますが、その中で最も相関性の高いシンプルな指標を見出す
ことが大事です。
たとえば、食品売り場の売上の何%になるとか、全館の売上の何%になる
とか、周辺600m圏の昼間人口と売上がリンクしているとか、店頭通行量の
何%が入店してくださるとか、なるべくシンプルで分かりやすいものが
よいです。
店の売上は、いくつもの要因が複雑に絡み合っている。そうといえば
そうではあるのですが、あまり精密にやったところで、検討していない
様々な要因がほかにも出てきますから、完璧を求めすぎないことが大事です。
重要なのは、各種要因の中でもっとも影響度の高い、相関性の高い要因が
あるはずだということです。
業態によって異なるその相関指数探しが、売上予測のキーポイントに
なるのです。