SC経営のヒント128:上手な閉店セールの仕掛け方 その3

編~
テナント専門店にとって閉店セールの開催時期(立ち日、期間)が
一番気になる点だと思います。閉店セールに限らず、大型催事では中心となる
ファッション関連のテナントが最も売上をあげやすい開催時期にするのが
一般的です。
しかし、決定権はテナント専門店にないので臨機応変の対応が必要となります。
例えば、閉店セールが9月のような端境期(季節の変わり目)になってしまう
場合は、夏物の在庫は少ないし、秋物はプロパーで売りたい悩みがつきません。
このような場合はどうしたら良いのでしょうか?
1、閉店セールは晩期商法で
店舗改装のための閉店セールの基本は在庫を売りつくさないことにあります。
つまり、必要な(秋物)在庫は残し、売りにつながる(夏物)在庫は再投入が
必要になるということです。
というのも、閉店セールのお客様は実需ニーズが高いため、夏物処分を全面に
訴求(最大70%引き)していくことが重要です。
できるだけ、問屋・メーカーさんに早めにお声掛けして商品協力を
いただくことが大切です。テナントは夏物の晩期商法に徹し、秋物については
在庫を絞って20%引きを上限にします。
※晩期商法
実需のピークを過ぎた商品をメーカー、問屋から上代の10~20%で
仕入れて、上代の50~70%引きで売っても利益を出す商法スタイル
2、陳列は「さばく店」づくりで
閉店セールの売場は「さばく店」づくりが基本となります。具体的には、
アイテム別やメーカー別陳列からサイズ別陳列(S、M、Lか24.0cm、25.0cm、
26.0cm)や価格帯別陳列(千円、5千円、一万円均一)にすることが大切です。
滞留時間を高め、接客主体で売る「行く店」「来る店」から、セルフで短時間で
買物を終えられる「さばく店」づくりが大切です。
また、閉店セールが1ヶ月間以上の長期になる場合、チラシ折込が入る週末は
「さばく店」づくり、平日は普段の「行く店」「来る店」に戻すといったことが
できるのが理想です。
3、売場は店頭への圧縮法で
閉店セールも終盤に近づくと、在庫がどうしても薄くなります。これは通常の
サマーセールやウインターセールでも同様ですが、ここでのポイントは店頭
(1/3)の坪当たり在庫だけは維持することです。
それには、売場の後方や中央で薄くなった在庫を店頭に圧縮することです。
主通路を歩いているお客様には期間中はいつでも、買いたい商品がある
ということが大切です。
それでも在庫が薄くなる場合は、大型POP(模造紙大)、紅白幕、のぼり
といった店頭のにぎやかさでお客様をその気にさせるようにしていきましょう。
閉店セールだから来る、閉店セールだからお客様が売れるといった時代は
ずっと前から終わっています。閉店セールで勝つためには、それなりの
成功ルールがあり、それを愚直にやり遂げることが必要なのです。
今回のご提案は閉店セールに限らず、大型の催事やセールに共通するものでも
ありますので、ぜひ参考にしていただければ嬉しいです。
また、皆様が取り組まれた結果をレスいただけることを期待しています。
次回の上手な閉店セールの仕掛け方、テナント専門店編後半もご期待ください。
>>SC経営のヒント132:上手な閉店セールの仕掛け方 その4
>>SC経営のヒント125:上手な閉店セールの仕掛け方 その2