【SC経営のヒント566】@cosme TOKYOに見るリアル×デジタル店舗とは?

船井総研の藤田です。

化粧品市場は経済産業省『生産動態統計』によると、
2017年の出荷額は1兆6,325億円となっており、
成熟業界ではあるものの、インバウンド需要の増加により、
市場は伸び続けています。

化粧品のサブスクサービスが始まったり、ニトリが化粧品業界に参入したりと、
新しいニュースは絶えません。

そんな中、年明けに大規模化粧品小売店舗である「@cosme TOKYO」がオープンしました。
オープン日である1月10日に視察に行ってきました。

初年度売上目標は40億円、約400坪で、参加ブランドは200以上です。

店作りにおいて面白いと思った点が以下の3点です。

①@cosmeで蓄積したデータをVMDにふんだんに活用
⇒@cosmeの一番の財産・強みは、口コミの圧倒的なデータ量です。
 デパコスも、バラエティコスメも、プチプラも、全て同じフロアで
 各カテゴリのランキング別に並んでいるのが印象的でした。
 価格もブランドもバラバラです。
 まさに@cosmeのHPの世界に入り込んで、ランキングを見ているようでした。
 
 細かく口コミの数や、店員の手書きPOPが掲載された化粧品は
 思わず手にとってしまいます。ネットとリアルの融合ですね。

②サイネージの設置数多
⇒レジの上は全てサイネージで覆われ、レジにて直前に買われたものや、
 ランキングの変動がリアルタイムで映し出されます。
 まさに生きた店舗です。
 「今あれが売れているんだ~」と、ぼーっと見てしまいます。
 何が売れているか、@cosmeユーザーが一番知りたい情報ですね。
 
 また、各ブランドのコーナーもサイネージを多用していて、
 店全体の雰囲気に活気があります。
 意外と百貨店だとサイネージを使っている店舗(ブランド)は少ないのです。

③「体験」できる仕掛け
⇒ブランドと消費者を繋げる一つの工夫だと思います。
 各所に体験を促す仕掛けがあります。
 (1)ブランドに貸し出すイベントスペースを完備
    ※当日は男性の美容部員がメイクアップ教室をやっていました
 (2)タレントやインフルエンサーがライブ配信するスタジオ
    
 (3)肌診断ができる設備
   ・・・・等々

新しい形の店舗でしたが、
アイスタイルの代表が言うには「しっかりと小売店としての収益を出す」とのことです。

化粧品はどこでも同じ品質で、同じ価格で購入できます。
「選ばれる店舗」になるためには、
自社の強みは何かを正しく認識し、消費者の変化にどんどん適応していける店舗ではないでしょうか。