『師と仲間づくり』

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                         2004年 3月 2日
   
     週刊メルマガ あなたのショッピグセンターも必ず甦る!
            
◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本日の感 ━◇
 『師と仲間づくり』

このメールでもご案内させていただいていたSC・共同店舗再生セミナ
ーが先ほど終わったところです。セミナー終了後、参加された皆様にセミ
ナーの感想と今後の決意を書いていただきましたが、それを読む限りでは
かなり満足していただけたのではないかと実感しています。

今回は初めてセミナー終了後に懇親会を企画したのですが、この懇親会に
1名を除き全員が出席されました。船井総研では、師と仲間づくりという
ことを非常に大切にしていますが、積極的に名刺交換をされ、現状の課題
についての意見を交換される参加者の方々を見ていると、このような場を
提供することも一つの重要な仕事であると改めて認識させられました。

次回は、講座時間をもっと圧縮して、懇親座談会をメインにしたセミナー
を企画していますのでお楽しみに!

それでは、本日の再生のヒントをお届けします。

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◆◆◆ショッピングセンター再生のヒント3『全体より個の時代』◆◆◆

SC全体の売上が落ちていても、テナント専門店の中には売上を伸ばし
続けている店舗は必ずあります。このテナント専門店が商品、売場、販促
接客、サービスの面でどんな取り組みをしているのかを共有できる仕組み
を持っているのが強いSCです。

店長会とは本来、数字、販促計画といっ
たデベロッパーの報告の場だけではなく、このような伸びている店舗の報
告をメインしていくのが正しいやり方といえるでしょう。

これまでお付き合いさせていただいたテナント専門店さんの中で、このオ
ーナーの取り組みは凄かったという家電店の事例を一つご紹介します。
この家電店は香川県にあるナショナルの特約店で、本店とSC内に店舗を
構える町の家電店です。

売場面積はどちらも50坪前後で、周辺にはデオデオさんも含め家電量販
店がいくつも出店しています。
この店舗は四国のナショナル特約店の中ではNo1の売上で、丹羽がお付
き合いしていた時も売上を伸ばし続けていました。

町のコンビニ家電を目指し、取り付け、修理、メンテ、フォローを徹底的に行う姿勢が受けていたようです。具体的には下記のようなことをおこなっていました。

『娘を嫁に』
・商品を販売する際に、商品を娘に例えて本当に大事にしてくれるように
必ずこの一言を添えて商品をお届けするようにしていました。

『生涯価格』
・接客の際に一生涯フォローするといった生涯価格の重要性を伝えてい
ました。

『24時間サービス』
・本店では、修理・メンテを営業時間終了後も店長へ転送という形で
24時間のフォロー体制をとっていました。
・実際には部品や人の手配等もあるので、修理が翌日以降になることも
多いのですが、冷蔵庫の壊れたお客様のフォローでは、お客様の販売
している商品を夜中持ち帰り、修理できるまで店長が預かってくれた
など数々の逸話がありました。

『朝8時から対応』
・実際の店舗のオープンは10時からですが、取り付け、修理は朝8時
から行っていました。

『御用聞き』
・取り付け、修理の予約が入った際にそのお客様の周辺で、以前商品を
お買上になられたお客様を3件リストアップし、必ずご用聞きにお伺
いされていました。
・その際に、前述の嫁にいった娘は元気ですか?と訪問されていました。
・娘(自店で販売した商品)の状態を確認するのですが、ほとんどの場
合は問題がなく、そこでの会話の中から新しいオーダーをいただいて
いたようです。
(例えば、こんど息子が東京の大学に行くなど)

『1万件のドアコール』
・ナショナルのパナソニックフェアなどの際には自店のオリジナル企画
も付け加えて、全顧客リストに対して個別訪問を実施していました。
・また、リニューアルオープンの際には社員全員で10日間かけて、
1万件のドアコールを実施していました。

『お礼状』
・手書きのお礼状をお買上いただいた方全員に翌日には届くように送ら
れていました。
・また、携帯電話などは買い変えサイクルにあわせて事前にご案内を送
られていました。

『理念の浸透』
・毎年、1月1日の日に社長と奥様が二人で全従業員さんにお年始にい
っていました。このお年始には、前年の決算書と感謝のお手紙、今年
の目標を書かれたものをお持ちになられ、お年玉として決算賞与を渡
してられました。

⇒やはり重要なのは、トップの思想に共感・共鳴していただける従業員と
お客様をいかにつくれるかにあるようです。そのための宣言、浸透のた
めのツールや具体的行動指針が非常に明確だったように思います。

今、ショッピングセンターにはテナント専門店が共感・共鳴できるショッピ
ングセンター全体のあるべき姿の方向性を描くことが求められているのでは
ないでしょうか?

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『ハードよりソフト』

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                         2004年 2月24日
   
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◆◆◆ショッピングセンター再生のヒント2『ハードよりソフト』◆◆◆

リニューアル効果が長く続かない、リニューアルしたテナント専門店しか
売上が伸びない。昨今の商業環境においては、ハード先行の大型リニュー
アルよりも、ソフトを重視した部分リニューアルを繰り返す方が、お客様
が飽きることなく、結果として客数を増やすことができるようです。
また、大型リニューアルは投資金額が大きいにも関わらず効果が長続きし
ません。一方、必要に応じて行う部分リニューアルはリスクが少なく、繰
り返し効果が期待できるのです。

ここに、『ハードよりソフト』というショッピングンセンター再生の重要
なヒントがあるのです。このソフトリニューアルを現場で落とし込む際に
よくでる質問と、それに対する具体的手法を下記にまとめてみました。

●質問1
ソフトリニューアルで最も効果が期待できるのは、どの部門でしょうか?

●ご提案
再生のヒント1でもお伝えしたように「商圏の大小、店舗の規模を問わず
食料品強化から始めるべきでしょう。今の時流にあった店舗構成と売り方
へ、リニューアルを機に変わることができれば、マーケットが大きく、来
店頻度の高い食料品が最もSC全体への波及効果が期待できるからです。

●質問2
大型の競合SCが出店しますが、ソフトリニューアルで対応できますか?

●ご提案
ソフトリニューアルはSC内ばかりでなく、SC外のほうがお客様は変わ
ったということを認識しやすく、実は効果的なのです。大型の競合出店に
対しては、SC外に店舗をはりつけたり、周辺の大型専門店と協調をはか
って、商業集積で戦うという発想が重要です。
店舗のはりつけは、SC内と業種バッティングせず、相乗効果が期待でき
る、スーパー銭湯やカーディラー、居酒屋、クリニック、サロン、携帯
ショップ、キャッシュディスペンサー、フットサルなどがおすすめです。

●質問3
改装をしないテナント専門店はどうすればよいでしょうか?

●ご提案
ソフトリニューアルで重要なのは、改装しないテナント専門店もお客様に
変わったと感じてもらうことです。このソフトリニューアルに合わせて新
規メーカーの商品を投入する、POPを全部作り変える、レイアウト変更
を行う、照明を全部拭く、など各テナント専門店ができることを一斉に実
施することが、SCを変える大きなきっかけとなるのです。

このようにお金がなくても再生・リニューアルの手法はあるものです。
あきらめずに再生への第一歩を踏み出してみましょう。

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『品揃えより店揃え』

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                         2004年 2月10日
   
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◆◆◆ショッピングセンター再生のヒント1『品揃えより店揃え』◆◆◆

テナントの売上高が品揃えに左右されるように、SC全体の売上高は店揃え
に左右されます。業績不振の多くのSCは、この店揃えが固定されてしまい
お客様に飽きられてしまっているのです。

また、これらのSCはテナントとの契約期間が長く、入居時の保証金の元本
割れをしている場合が多いのです。そのため、デベロッパーも積極的にテナ
ントの入れ替えをしようとしないのが実態です。

ここに、『品揃えより店揃え』というショッピングンセンター再生の重要な
ヒントがあるのです。この店揃えを実際の現場で落とし込む際によくでる質
問と、それに対する具体的手法を下記にまとめてみました。

●質問1
SC全体に魅力が乏しく、入り手がいないのですが?

●ご提案
入り手がいない場合は、既存店舗でやる気のある店舗に、業種・業態を変え
てやってもらうかデベロッパーが直営で行うことをおすすめします。実際に
私のお付き合い先の宝石店のオーナーさんがフランチャイズで「はなまるう
どん」をはじめたり、デベロッパーが「銀だこ」をやっています。

●質問2
リーシングする際の業種・業態の選定で困っています?

●ご提案
商圏の大小、店舗の規模を問わず、食料品とサービスがおすすめです。
特に食料品はマーケットが大きて購買頻度が高く、小商圏で成り立つから
です。また、名物単品を持てば、SCの持つ商圏以上にお客様を集めるこ
とができるからです。ここでの食料品とは生鮮3品プラス惣菜を想定して
います。

●質問3
現状では店舗が埋まっていて、スペースがないのですが?

●ご提案
既存テナントで営業効率の悪い店舗の売場面積を圧縮し、空いたスペースで新規テナントを呼び込むようにしています。この場合、圧縮した既存テナントの多くは、売上が落ちることなく在庫効率がよくなり、SC全体としては、新規テナントの売上高が上乗せされることが多いのです。実際に私のお付き合い先では、空いていた催事スペースをゲームコーナーにしたり、総合衣料品店を圧縮して100円ショップを導入したりしています。

これらはあくまでも一例ですが、商圏相応、力相応のリーシングの可能性は
あるものです。あきらめずに再生への第一歩を踏み出してみましょう。

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