『大衆より個衆の時代』

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                         2004年 3月 9日
   
     週刊メルマガ あなたのショッピグセンターも必ず甦る!
    

◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本日の感 ━◇
 『トイレにあるメッセージ』

最近お気に入りのお店に『汁べえ』という居酒屋があります。小田急線
下北沢駅南口を歩いて5分、ミスタードーナツが見えたら右手の路地を入
り、右側に見えるこのお店はまさに路地裏の隠れた繁盛店なのです。

この『汁べえ』のトイレには『このお店は美味しいものを食するお店では
ありません。元気になってもらうお店です。』というメッセージが貼って
あります。このメッセージ通り、なんとも店員の気さくで元気なこと。
スタッフはお世辞にもかっこいいとはいえない、パンク頭のお兄さんや、
ずんぐりむっくりのお姉さんたちなのですが、それはそれで味があってな
かなか良い感じなのです。

料理も実は美味で、おすすめの『あぶり鯖』は、瓦にのせたシメ鯖を目の
前でガスバーナーであぶるといったパフォーマンスつきなのです。
また、毎日22:00に開催される5mはある一枚板にのせられた寿司を
1貫80円で提供するタイムサービスも一見の価値あり。

どんなお店にも、経営理念や経営方針はあるものですが、それをスタッフ
の全員が実践し、お客様がそれを実感できるお店はそうはないものです。
お客様が共感、共鳴するメッセージストア、そんなお店づくりに挑戦して
いきたいものです。

それでは、本日の再生のヒントをお届けします。

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◆◆◆ショッピングセンター再生のヒント4『大衆より個衆の時代』◆◆◆

『Custmer is allways right』
この言葉は全米No1の坪効率を誇る食品SM、スチューレオナルドの石碑
に刻まれたルール1のフレーズです。一般的にこの言葉は『お客様は常に正
しい』と訳されていますが、これが誤訳であることをある時お客様から教え
てもらいました。ここでいうCustmerとは自店をよく利用する顧客
(つまり上得意客)を指しているというのです。つまり、『自店をよく利用
するお客様の声は正しいが、たまに来るお客様の声はウソである』というの
です。

この話しからコンサルティング現場で取り組みを見直した事例を一つご紹介
します。それは、お客様グループインタビューのやり方です。

よくあるお客様グループインタビューやアンケートは、必ずしも顧客を対象
としていないことから、集まる意見にまとまりがなく、実現可能性が低いの
が実態でした。一方、買上金額の高い上得意客である顧客を対象とした場合
は、自店を利用する頻度も高いことから、その中で語られる意見は極めて具
体的で前向きな改善提案が多く、実現可能性が高いのです。
つまり、お客様の意見を取り入れる場合は、買上金額の高いお客様の意見を優
先すべきなのです。

この時に注意したいことは、この顧客の中にパート・社員さんが入っている場
合です。その際には、このパート・社員さんの声にも積極的に耳を傾けること
重要です。というのもこのパート社員さんは、自分達でも買い物をする一方で、
現場で最もお客様の意見を聞いている人達だからです。

売上不振の要因はハードよりもソフトつまり、商品か人に原因があるものです。
迷ったら、まずはお客様に素直に聞いてみる。それが再生の第1ステップとい
えるのではないでしょうか。

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