━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.275 ━ 2011.02.17
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:チェーン店経営の新しい姿』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『チェーン店経営の新しい姿』
スーパーマーケット業界は、すでに成熟業界となっている業界では
ありますが、そのなかで際立った躍進を続けている企業様があります。
ひとつは、北九州を地盤とするハローディ、もうひとつは、
福山を地盤とするエブリィです。
この2社は、商品政策、価格政策、売場づくりなど、
様々な面で既存のスーパーマーケットとは
異なるアプローチをとっていることがよく話題に上ります。
もちろんそれは両社のユニークネスとして学ぶべきところが多いです。
が、私自身の感想は各種報道のそれとはちょっと異なっています。
どこに着目しているかというと、
「徹底して社員の力を引き出す経営」をしていることが、
躍進のポイントではないかと感じています。
会社は社員とともにあり、社員あっての会社です。
マンパワーを必要とするスーパー業界ではなおさらです。
しかし実態はどうでしょうか。
大手のチェーン店では本部の人間が高圧的に現場にモノを言い、
トップや幹部が店に来たら大名行列になっている・・・
こういう会社は以前より減ったとは思いますが、
いまだに本部と店舗、幹部と従業員という対立構造のなかで
経営を行っている会社が多いように思えてなりません。
もちろん経営ですから、ある程度の厳しさがあるのは当然としても、
心の通わないコミュニケーションに現場が疲弊しているケースが
とても多いように感じられてなりません。
そう考えると、21世紀に躍進している企業はすこし違うと思います。
社員を大事にして、社員の創造性を引き出す工夫があります。
人間性経営を軸として、社会性・教育性・収益性を
バランスよく追求しようとしています。
つまりは、よき「社風」づくりができている会社ほど、
これから躍進のチャンスが待ち受けているのではないかと感じています。
SC自体の経営も、誘致するテナント企業も、
これからの時代を先取りした「社風」づくりに取組むべきだと思います。
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■週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
ご意見・ご感想お問い合わせなどは⇒ info-sc@funaisoken.co.jp
発行人:山本 匡(やまもと ただし)
編集担当:山本 匡(やまもと ただし)
発行所:株式会社船井総合研究所 第4経営支援部
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-6-6日本生命丸の内ビル21階
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タグ: 開発
【SC経営のヒント266】:『比較販売 その2』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.266 ━ 2010.12.09
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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『Main Contents:比較販売 その2』
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『比較販売 その2』
スーパーや店頭でよく売れる製品は、やはりナショナルブランドが
強いです。
そのことはどこの店でも業態でも同じことであり、宣伝にかける費
用が桁違いであるが故に当然のことといえます。
しかし、小売店にとって「数が売れる」商品であり、集客には寄与
しますが、「低粗利」であり、収益には寄与しづらい商品が多いの
です。
あるチェーン店でカテゴリを絞って、NBのダントツNO.1商品と、
やや高単価で粗利のとれる2番手商品の一定期間の実績を比較して
いただいたら、売上数量ともにNO.1商品が圧倒しているのですが、
非常に低粗利であったため「粗利高」は二番手商品のほうが稼いで
いたという結果が出ました。
こういうことはよくあることですが、このように低粗利で数が出て
いる商品が多ければ多いほど「売れている」と安心しがちですが、
結局は品出しに人手をとられ現場は疲弊し、売上ほどに利益が上が
らず儲からない店になりがちです。この店では、NO.1商品と二番手
以下の商品を比較して、「新たなスター商品をつくろう」という取
り組みを始めました。
比較販売の要点としては、ただ並べるだけではなく、お客様が一目
で「2つの製品の質の違い」を理解していただけることが重要です。
たとえば実演すれば売れるという洗剤がある場合、そのプロモー
ションビデオを売場で流すなどもよいです。POPの寸法も大きめにし
て「分かりやすい価値」を訴求します。
あまり長々と説明口調なものでは読んでいただけず、
「ヌルヌルになりません!」
「ホイル焼きのときに魚や野菜がこびりつかないクッキングホイルです」
など、ぱっと理解できるものであることが重要です。
すでにこのような取り組みを先行して実施した中堅チェーン企業では、
年間粗利率が5ポイント以上改善しました。
売上は下がったものの、粗利高が伸び、過去最高の経常利益と
なりました。
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【SC経営のヒント263】:『比較販売 その1』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.263 ━ 2010.11.11
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『Main Contents:比較販売 その1』
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『比較販売 その1』
ナショナルブランド商品はTVで宣伝され知名度も高いので愛用者も
多く、そういう商品がセールの目玉にもなりやすいため、スーパー
やホームセンターのチラシ目玉アイテムになることが多いです。
とはいえ、どこの店も同じような商材を目玉にすえるために粗利率は
低下し、売上はたつものの儲からない商品になることが多いです。
最近提案している取り組みの一つに「比較販売」というものがあり
ます。これは、知名度の高い商品と比較して、特定の用途に優れた
商材を選定して、売場で同一場所で提案しながら展開するというも
のです。
もちろん、選定される商品は知名度の高い商品と比べて高単価・
高粗利なものとします。また、特定の用途に優れていることが顧客が
使用して実感できるだけの性能差があることも大事です。
たとえば洗剤ですが、これも住居用の洗剤でカビとり性能に優れた
ものや洗濯用に柔軟材を必要とせずとも柔らかく仕上がる商品があ
ります。
メーカーの宣伝力にも限界があるため、そのような性能差はエンド
ユーザーにはなかなか伝わっていないのですが、一方で
「年末の大掃除にカビを落としたいが、なかなかうまく落ちない」
「敏感肌なのでなるべく柔らかく仕上がる洗剤がほしい」
といったニーズがあるわけです。
そういった「比較」をきちんと来店客にお伝えして、価値を納得して
いただけるように提案してゆくというのが、この比較販売の考え方の
骨子です。
「価値訴求」という言葉がよく使われますが、単品の価値を単独で訴
求しても分かりにくいものもあり、有名な商品、一般的な商品と比較
して提案すると分かりやすくなります。
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【SC経営のヒント245】:『最近の年齢層別需要動向』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.245 ━ 2010.06.23
船井総研 コンサルタント 山本匡 発行
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『最近の年齢層別需要動向』
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■最近の年齢層別需要動向
時流の把握のひとつのなかで、性別年齢層別の動向を見ることは
大きな指標になります。
いま現在、失業率が上昇しているのは、20代男性です。
学校を出ても職場が少なく、アルバイト、パート、準社員、派遣
などの形態で働いている人が増加しています。中高年のリストラば
かり新聞記事になりやすいのですが、実際には採用抑制とともに若
年層が最も仕事がない状況になっています。
このことは、20代男性需要の落ち込みに直結していると思われます。
ゲームセンターの参加率データを拝見すると、この数年間で20代男性
の参加率が25%程度低下しています。もともとそういった年齢層が主
要ターゲットとなる業種業態では、同じような傾向がみとれると思い
ます。たとえばCDレコード販売、カー用品、ファッションなどでは20
代男性の購買力に期待できなくなり、ファミリー対応などに目先を変
化させねばならなくなっています。
一方、30代男性と20代女性は(ゲームセンター調査では)落ち込んで
いません。ですので、この組み合わせで集客する企画で売上を伸ばし
ているゴルフ場もあります。
SCのように幅広い年齢層をターゲットとしている業態の場合、この所
得動向・消費動向の変化に合わせた各店舗の営業、販促の組み立てが
必要になります。
現在の動きとしては、三世代対応と30代男性の夜需要獲得がポイント
ではないでしょうか。
たとえば温浴施設ではファミリーメニュー強化です。子供が食べやす
いメニューを用意し、唐揚などに「やわらかい」「あっさり味」など
と表示している店があります。塗り絵をネットでダウンロードして活
用することもできます。また、30代男性の夜需要にマンガを1万冊そろ
えて成果を上げているところもあります。
これまで多くのSCでファミリー・ヤング客層の拡大が進んできました
が、今後はRSC、CSC、NSCのタイプ別に狙うべき客層イメージを見直し
てゆく必要があるといえます。
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編集担当:菊池正寛(きくちまさひろ)
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【SC経営のヒント242】:『接客販売型リージョナルチェーンの強み』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.242 ━ 2010.06.03
船井総研 コンサルタント 山本匡 発行
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『接客販売型リージョナルチェーンの強み』
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『接客販売型リージョナルチェーンの強み』
かつて地元主導型ショッピングセンターは、地元店舗が主体で開発
されたところが、その後増床にともなってナショナルチェーンが出
店することで店数を増やしてきました。その後、大手チェーン主導
型の巨大SCはナショナルチェーン主体のテナントリーシングを中心
としてテナント構成を固めてゆきました。
そしてナショナルチェーン主体のSCが全国に出来上がった結果、ど
このSCも同じようになってしまった・・・とよくいわれますが、そ
のこと自体があまり問題とは思いません。それより大きな問題は、
巨大モールで成功するテナントと、CSCクラスで成功するテナントは
タイプが違う、ということではないかと思います。
商圏人口別に限界価格というものがあり、NSCやCSCのほうが相対的
に中心価格が下がる傾向になります。しかしそれだけではなく、SC
の規模が異なれば、来店頻度、来店客層(年齢層)も同時に変化し
てゆきます。大きいほどファミリー、ヤングになり、小さいほどミ
セス、ティーンズのウエイトが大きくなります。そして、この限界
価格は、接客度合いが上がるにつれ価格も上がるという特徴があり
ます。
また、SCに入店するナショナルチェーン、とりわけアパレルと服飾
雑貨はセルフ販売に近い業態が多く、接客で高単価品を売りこなす
タイプの店が少ないといえます。
CSCをリニューアルしてナショナルチェーン主体にした結果、RSCも
CSCも同じような企業・ブランドが増えました。しかし、これが必ず
しもCSCにとって理想的な姿ではなく、特に最近ナショナルチェーン
がかつての勢いを失いつつあるなか、リージョナルチェーンの接客
販売の店舗の強みが忘れ去られているように感じられます。
靴やカバン、宝飾などのGMSが不得手なブランド系商品については、
地元系有力リージョナルチェーンのほうが販売力がある店が多いで
す。このような店の強みがあまり評価されていないように感じられます。
あわせて、90年代~2000年初頭にリニューアルをしたところは、1店
舗あたりの面積が広めになっているところが多く、現状ではダウン
サイジングをはからねばならないところが多いように思います。
RSCも同様ですが、CSCのリニューアルにあたっては、テナント銘柄選
択をリージョナルチェーン主体に、今一度見直す時期が来ているの
ではないでしょうか。
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