研修を成果という実績に変えるには?

近年、商業施設のテナント向け研修の需要が急増しています。そのテーマは、売上アップ、インバウンド対応、SNSプロモーション、スタッフマネジメントなど多岐にわたりますが、いずれの場合でも共通して重要なのは、研修を単なる学びに終わらせず、成果という実績に結びつけることです。これを実現するためには、次の3つのステップが欠かせません。


① 知ってもらう:施設内の成功事例を共有する
まず、テナントのスタッフに成功のイメージを持ってもらうことが重要です。商業施設内で成果を出している店舗の具体的な取り組みや、その方法を共有しましょう。例えば、「この店舗はどのように顧客を呼び込み、どのように購買意欲を引き出しているのか」という詳細な事例は、他店舗の参考となります。自分たちも実行可能だと感じさせることが、「知ってもらう」ステップの肝です。

ここでは、具体的なデータや実例を提示し、目に見える形で「これならできる!」と納得感を持たせることがポイントです。たとえ優れたノウハウがあっても、それを知らなければ現場で活用されることはありません。まずは「知識を共有する場」を設けることが成功への第一歩です。


② やってもらう:最適なタイミングで行動を促す
知識を得ただけでは成果にはつながりません。それを「実践」に移してもらう仕掛けが必要です。そして、ここでの重要な要素が「タイミング」です。やみくもに実践を求めても効果は薄いため、成果が出やすい時期を見極めて行動を促します。

例えば売上アップを狙う場合、年間で特に売上が伸びやすい「勝負の1週間」を設定します。これは、年間52週の中で最も需要が高まりやすい時期にフォーカスするという考え方です。そのタイミングに照準を合わせ、行動を促すことで、効果を最大化できます。

また、「やるべきこと」を具体的かつ簡潔に示すことも大切です。「この時期にはこれをやればいい」という明確な指針があれば、スタッフは行動に移しやすくなります。余計な混乱を避け、行動のハードルを下げる工夫が求められます。


③ 成果を出してもらう:事前準備と連携が鍵
成果を出すためには、現場が最も忙しくなる時期に向けた徹底的な準備が欠かせません。売れるタイミングに備えて、商品在庫の確保、人員配置の調整、販促活動の準備などを余裕を持って行い、いわゆる「チャンスロス」を防ぎます。

ここで鍵を握るのは、本部やデベロッパーとの連携です。店舗だけでは対処しきれない課題も、全体の協力体制を築くことで解決が可能になります。例えば、デベロッパーがイベントを通じて集客を支援し、本部が在庫や人の応援を強化することで、現場が成果を出しやすい環境が整います。


成果を共有する「パチパチ会」の意義
これらのステップを経た後、最も大切なのは「成果を称える場」を設けることです。研修の最終回には、参加店舗の成功事例を発表し、優れた取り組みを行った店舗を表彰する「パチパチ会」を開催することをおすすめします。この場は単なるお祝いではなく、他店舗にとっても刺激や新たな学びの場となります。

さらに、このような表彰式をコンテストやコンクール形式で行えば、店舗間の良い意味での競争意識が生まれ、さらなる成果を引き出すきっかけとなります。「成果を共有する」というゴールを設定することで、研修の内容が現場で定着しやすくなるのです。


まとめ
研修を実績に結びつけるには、「知ってもらう」「やってもらう」「成果を出してもらう」という3つのステップを軸にした計画的なアプローチが必要です。そして最後に、成果を称え共有する場を設けることで、研修の効果を最大限に高めることができます。

商業施設やテナントの研修を企画する際には、ぜひコンテスト型の研修プログラムを検討してみてください。それが現場での成果を確実にするカギとなるでしょう。

SCでの採用サポート

商店街や路面店と比較して駅ビル・SCの圧倒的なメリットは「店舗数が多く集積度が高い」「駅や駐車場などの集客インフラが充実」しているというハード的要因と、「定期的な共同販促で集客」「店内ルールの徹底」「定期的に教育研修を開催」などのソフト的要因でもって、お店が一定水準以上に保たれつつ集客力もあるという魅力があるということになります。

もちろんその強みはこれからも重要になってきますが、いまいま重要なのは「採用」です。
大手SCはすでにいろいろと取り組みつつありますが、SC単位でも専門店のスタッフ採用を後押しすることが大事になってきています。

「店が採用したいような人」は不足しています。
SCとしてもテナントの採用を後押しできるような対策を可能な限り講じる必要があるといえます。

採用活動そのものをもっと優先度を上げて、入口など一等地に募集看板をつける必要があります。
マッチングしたはずのお店でどうもうまくいかない場合は、同一SC内の他の店舗を紹介するなどにもチャレンジしてみたいところです。
最初の基礎研修をSC主催で集合形式で合同開催するなどということも可能でしょう。
とにかく「採用数を増やす」「採用した人への基礎教育と即戦力化」を館側もサポートして後押しする体制をくみ上げる必要があると思います。

この先「人手不足だから出店したくてもできない」「続けたいが人が採用できないので閉店したい」というケースが増えると思います。
路面店の場合と異なり、SCの館側が採用アシストすることで、SCの付加価値をさらに上げるチャンスともいえます。

顧客の買い回り店数を上げるには!?

商業施設の業績を向上させるためには、施設内のテナントそれぞれが、顧客の「買い回り店数」を増やすことが重要です。

つまり、ひとりの顧客が施設内でできるだけ多くの店舗を回り、購入する店数を増やすことで、商業施設全体の売上がアップするのです。

ここでは、実際に成果を上げた事例をもとに、効果的な取り組み方法をご紹介します。

まず、店長会議などの場を活用し、各店舗が自店の強みを他店舗と共有することからスタートします。例えば、どんな商品やサービスが売れているか、最も人気のある商品やサービスは何かといった情報を具体的な数値とともに伝えるのです。これにより、他の店舗のスタッフも、その店の強みを理解しやすくなり、互いに協力しやすくなります。

次に、その商品やサービスを購入しているお客様の属性についても共有します。場合によっては、その顧客がどの店舗をよく利用しているのかも共有することで、顧客の行動パターンが見えてきます。この情報をもとに、各店舗は相互に協力し、他店の商品やサービスを自店のお客様におすすめしやすい環境を整えることができます。

さらに、季節商品や新商品の情報も定期的に共有することで、他店舗のスタッフもそれらの商品に詳しくなります。試食や試飲といった体験の機会を提供できれば、より実感を持っておすすめができるようになります。実際に商品を体験したスタッフは、他店舗の商品であっても自信を持って紹介できるようになり、結果として施設全体での買い回りが促進されます。

また、試供品や試着品を互いの店舗で設置したり、ディスプレイ商品を貸し借りすることで、トータルな提案を顧客に対して行うことも可能です。こうした取り組みは、お客様にとってもより魅力的なショッピング体験を提供することにつながります。

これらの取り組みは単に売上アップに貢献するだけでなく、従業員のサービス向上や、ロス軽減、予約受付の効率化といった波及効果も期待できます。実際、業績の良い商業施設では、従業員自身が施設内の商品を購入しているケースが多く見られます。従業員が自らの施設の商品に詳しくなることで、サービスの質も自然と向上し、結果的に売上にもプラスの影響を与えるのです。

店長会議などをきっかけに、施設全体で協力し合い、顧客に多店舗を回ってもらえるような環境づくりに挑戦してみてはいかがでしょうか。これこそが、商業施設全体の成長に繋がる鍵となるはずです。

商業施設のワクワクを作り出していこう

商業施設の運営者が、自分たちが地域から本当に愛されていたのだと知る瞬間があります。
それは閉店したときです。

最近では綱島のイトーヨーカドーが話題になりました。
私自身がリアルで目撃したのは、かつて池袋である大型店が閉店になったとき、閉まったシャッターにびっしりとメモが貼り付けてあったことです。
そこにはお客様から、お店に対しての思い出や感謝が多数書き連ねられていました。
それを見て心を打たれた記憶があります。
願わくば、このようなお客様の想いをもうすこし早く知ることができていたら、お店側も一念発起できて復活する芽もあったのではないかとすら感じました。

SCや駅ビルは商売の場であると同時に、街づくりの中核になっています。
地元の方々は、そのSCの中でいろんなことを経験して、人生ドラマの一幕を刻んできたことでしょう。
SC運営側にとっても、地元の方々からそのように「想って」いただけていることを知ることは励みになってとてもよいと思います。

創業20周年記念で、お客様に自社SCの思い出を募集したSCがありました。
それを印刷して壁一面に掲示してくださっていました。
そこには、この20年間のなかでのお客様のエピソードが多数紹介されていました。
「このSCで初めてデートした方といまは明るい家庭を築いて子供にも恵まれている・・・」など、様々なお客様の人生ドラマの一幕になっていたことがうかがい知れます。
SCスタッフもこれを見て心を打たれたことだろうと思いますし、自分たちの仕事に誇りを感じて、やる気も高まったことだろうと思います。

日本のSCも歴史を刻んでいるものが増えてきました。
刻んだ歴史を活かして、SC運営側の士気を向上し、楽しくワクワクする運営につなげることがとても大事だと思います。
お客様にワクワクしてもらうためには、自分たちもワクワクできることが大切ですね。

プロ店長に共通する想定力とは?

いかなる環境下でも

期待される成果を

出し続ける

優秀店長のことを「プロ店長」と呼んでいますが

なぜ、プロ店長はいかなる環境下でも成果を出し続けられるのでしょうか?

特に、いかなる環境下とは暖冬、冷夏、台風といった異常気象など現場でコントロールが難しいものです。

とは言え、実際の現場では「異常気象だけでなく、天災、震災やコロナ禍でも」で成果を出し続ける店長が必ず存在します。

そういった店長に共通するのが「想定力」です。

例えば、冷夏、暖冬、台風、地震でさえ、過去において繰り返しおこっているものです。

その時の事象をしっかりと検証、ルール化し、次なるアクションプランをたてること、これが想定力となります。

その際に、自己完結することなく、チェーン内外に適切なモデルがあるかを検証することも重要です。

日常業務のPDCAサイクルは自己完結でまわすことはできても、イレギュラーなことは広く内外に情報をもとめ、検証・ルール化し、アクションプランをたてる必要があります。

また、そういったイレギュラーな環境下においてお客様、スタッフ、デベロッパー、会社は何を期待するのか、そこに考えをめぐらすことも想定力になります。

普段業務においては、売上、利益なのかもしれないですが、ケースによってはスタッフやお客様の安全、安心を優先すべきなのは言うまでもありません。

お客様にとっても、スタッフにとっても応援され続ける店舗になるためにも、想定力を鍛えていきたいものです。

商店街とSCの販促費

これまで全国の多くの商店街は衰退し、一方でSCはそれなりに繁栄してきました。
SC業界も大手寡占が進んでおり、協同店舗などは衰退してしまっているものも多数です。
かつてはこの差異について、いろいろと語られていました。
マーケティング面では「駐車場の有無」について語られることが多かったです。
「商店街は駐車場がないから衰退した、駐車場がたっぷりあるSCは栄えた」かつては、そういう時代もありました。

一方、個人的にSCと商店街に大きな違いを感じていたのは「共同販促費」の金額の違いです。

SCは共同販促費として毎月一定額を徴収します。だいたい売上比1%程度になるところが多数と思われます。
商店街でも年に何回かのイベントの際には費用を集めるなどはしますが、売上に対する販促費の比率ではSCに及んでいない商店街が大多数ではないかと思われます。

大手ナショナルチェーンばかり入居しているSCなら、それぞれがTVなどで積極的に広告を実施しているので館として何もせずとも成立します。しかし多くの商業施設はそうはいかないと思います。

自分の記憶では、90年代のことですが、開業以来一度も共同販促をしなかった都市部の商業ビルを知っています。その商業ビルは開業当初は大盛況だったものの、開業5年で経営破綻しました。それを目の当たりにした時に、共同販促というものが商業集積にとって非常に重要なものだと感じた次第です。

SCが繁栄するために大切なことは、適切な立地・規模・店舗構成がその主軸になりますが、必要なだけの共同販促をしっかりと続けるということもまた大切な原理・原則です。

商店街においても、共同販促費を十分用意できているのかが重要になります。
運営面での「原理原則」と「時流対応」が十分であるところは長期的に繁栄しているといえます。

リアル店舗が繁盛するには「いい立地を得る(=家賃が高い)」ことと「宣伝にお金をかける」、これらが必要であり、どちらも投資せずに繁盛店になれば理想ですが、現実はそうはならないです。

自ら積極的にチラシをまいて宣伝することと、共同販促で全体集客を高めること。
SCにおいては後者の方が費用効果が高いですが、同時に前者を実施している有力チェーンを誘致することもまた販促効果を高めることになります。

商店街目線では共同販促費の費用効果を高めて販促費を増やしてゆくこと、SC目線では共同販促はもちろん個別に集客活動を実施してくれる有力チェーンを誘致すること、こういうことをやってきたところがしっかりと現在成果につながっていると思えます。

勝ちにこだわる店長のPDCAマネジメント

前回に引き続き
優秀店長のマネジメントについてお伝えさせていただきます。

ポイントは「チームで勝つ」にあるようです。
言い換えれば「勝てるチーム」をつくることです。

今まさに
パリオリンピックが開催中ですが、欧米に比べて個々の身体能力が劣る日本が
チームジャパンで勝つには、チームのパフォーマンスが最大化するよう
個々の足し算でなく、掛け算となるような戦略・戦術が求められるのです。

この戦略・戦術を描くのが監督であり、その戦略を現場でマネジメントするのが
キャプテンになります。

会社で置き換えれば、経営者が監督であり、キャプテンが店長になります。
とは言え、オーナーが現場にいないチェーン店の店長は
「経営者と店長の両方の役割」が求められているのが実際です。

どの店舗に着任しても
期待される成果を出し続ける「優秀店長」に共通する
チームマネジメントのポイントは下記の5つのようです。

①実現可能な高い目標を掲げ (商圏相応、力相応)
②個々人の役割を明確化し  (強み、弱みの共有)
③数値目標を行動計画へ落とし込み(アクションプラン)
④率先垂範と徹底したサポート(伴走支援)
⑤PDCAサイクルをまわす  (アップデイト)

ポイントは
トップである店長が、
誰よりも、勝ちにこだわり、それを信じて行動できるかにあるようです。
つまり、勝ち切るまで、チームでPDCAをまわしつづけることです。

Plan (計画)
Do  (行動)
Check(検証)
Action(行動計画)

チェーン店の店長は自分が現場を離れても
いかなる環境下においても、期待される成果を、出し続ける
勝ち切れる強いチームづくりを目指してもらいたいものです。

チェーン店の出店パターン

チェーン店の出店パターンを多数見ていますと、骨格となる出店パターンは以下のようになっていると感じられます。

①横展開・・駅ビル・モール等規模感の近い館に水平展開する
②面出店・・ドミナント出店で特定エリアに集中的に出店していく
③線出店・・あるターミナルで出店し、その後沿線沿いに出店
④出たとこ勝負・・誘致された物件次第で出店
⑤総当り・・チャンスがあるたびどんどん出店して、不振店はすぐ撤退

①の方法論で店を増やした例は駅ビルブーム・大型モールブームで成長したナショナルチェーンなどです。これはとても分かりやすく、たとえば「200億円売れる館なら自社もこのくらい売れる」というルール化が容易でした。ここでの成功ポイントは「何億円、何店舗以上」などの「しきい値設定」にあります。

②はコンビニやスーパーマーケット、ホームセンター、ドラッグなど、どちらかというと小商圏業態に適した出店パターンです。広告宣伝の効果を高めやすいという利点がありますが、出店する「物理的間隔」をミスると自社競合になってしまいます。

③は店舗数が10-20店舗程度のチェーン店でよくみられるパターンで、移動がしやすく管理しやすい利点がありますが、沿線沿いに自社店舗が増えつつ市場開拓が一段落すると、沿線丸ごと売上が踊り場を迎えやすいで、これはどのくらいの「スピード感」で出店するかというのが要点になります。

④は店舗数一桁のリージョナルチェーンでよくあるパターンです。お誘いがあったから出店してみた、成功したから続ける/失敗したから閉店した、ということの繰り返しです。「運だのみ」といえますが、運の強い店はこういう出店でも成功しています。

⑤はレアケースではありますが、急成長チェーンはだいたいこういう出店戦略になります。

このほか、居抜き物件ばかり狙うとか、古い商業施設の三等地ばかり狙うとか、特定のチェーンの出店ロケにコバンザメしていくなど、各社なりの出店成功パターンづくりをおこなっているチェーンが大多数です。

チェーン店側にとっては自社の力量に見合った出店戦略をとるべきですし、誘致する館側にとっては店舗側の出店戦略に合致してくるかどうかを見据えたうえで誘致活動をすることが適していますね。

現場スタッフと共に!効果的な固定客化の方法

最近、SCのテナント研修向けテキスト作成のために
優秀店舗の店長へのヒアリングをしています。

優秀店長の定義はいくつかあると思いますが
今回は下記4つの店舗の店長からヒアリングさせていただいています。

①売上伸び率が最も高い店舗
②新規会員数の伸び率が最も高い店舗
③会員の稼働率(利用率)が最も高い店舗
④接客力(MS評価)が最も高い店舗

上記4つの店舗に共通するのが、自力販促と固定客化になります。
そして、そのポイントは接客・サービスにありました。

SCデベロッパーの役割は集客で、テナント専門店の役割は買上率になります。
特に、駅ビル、駅ナカの場合は圧倒的な施設集客があり、テナント専門店は
不特定多数のお客様をより効率的に「さばく」ことで、売上を最大化してきました。

コロナ前までは、そこに出店するテナント専門店は自力集客しなくても、
チェーン内の一番店になることが多かったですが、
今回のヒアリングでわかったことは、
立地に関わらず、商売の基本は、やはり特定多数の固定化であり、
そのためには、対面での接客・サービスが最大の差別化になるということです。

接客を通じて、お客様に寄り添いながら店舗内での体験価値を高め次回来店予約をする。

例えば、観光客(インバウンド)であっても、1年後の来店のきっかけづくりを意識して
接客するということです。

また、固定客化の基本は、お客様の顔と名前と嗜好を覚え、スタッフ間で共有することですが
今回の店長はいずれもここを最も重視していたのが印象的です。

店舗毎の売上(利益)予算の達成は、ベースとなる常連様の存在が大きく
ここのシェアをどれだけあげられるかがポイントなのです。

店頭での声掛けから、入口としての新規会員数の増、接客による利用率の増が結果として
売上増へとつながり、好循環が生まれるのです。

とは言え、この好循環は現場スタッフの巻き込みがなくては実現しません。
ですから、優秀店長は何より、高い目標に対して、現場スタッフに寄り添い
モチベーションを上げ、自ら率先してお手本を示してマネジメントしていると言えます。

次回は、現場スタッフを巻き込みながら、目標達成するマネジメントのポイントについてお伝えさせていたきます。

自分たちは何者なのか

ある程度の歴史を重ねてきたSCにとっては、

「自分たちはどういうSCであり、今後さらにどうあるべきなのか」

というテーマはとても気になるテーマになってきています。
SCに限らず、こういう問いかけというのはあらゆる業界・あらゆる企業内で声が上がってくることです。

船井総研にも「船井流」という考え方があり、新しく入社する社員には経営に対する基本的な考え方が説かれています。

同じようにSCにおいても「自分たちは(他とは異なり)こういう経営・運営をしてきたSCで、これからもその伝統を守って地域に愛され入居者とともに発展していきたい」という考えを整理したいという声をいただくようになってきました。

私共は多数の独立系SCとお付き合いしてまいりましたが、地域地域で長く繁栄しているSCには、何かしらの信念というものがしっかりとあります。

それは対お客様であったり、対地域であったりと様々ですが、長期にわたる信頼関係を構築するために地道な努力を重ねている館というのは多いです。
外部の我々が知って驚くようなことも多いです。
その一方で、ある程度の年月とともに内部スタッフも入れ替わり、そういった歴史伝統が伝承されずに薄れていくことを危惧される声もあります。

いままで、多くのSCが競争激化とともに変容してきました。
しかし、これから先は競合があまり出店できなくなり、市場もあまり伸びない中での「安定」が訪れます。
これをじり貧と称することもできるでしょう。
いずれにしても大きな手は打ちにくいが、それは自分もライバルも同じこと。
大きな投資をおさえて、地道に改善を積み重ねてじわじわと経営改善する時期であるというのが、いまのSCに求められていることといえます。

みなさまのSC内部でも、ぜひ「自分たちの強みは、大切にしたいことは何なのか?」についてワークショップを開催してみることをお勧めいたします。