【SC経営のヒント382】:『SC内のカテゴリー別ポジショニングの大切さ』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.382 ━ 2014.07.03
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
 週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:SC内のカテゴリー別ポジショニングの大切さ』
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『SC内のカテゴリー別ポジショニングの大切さ』
SCの中に出店しているお店の業績が、思ったよりうまくいかないと
いうご相談をいただきます。
たとえば、SC自体は非常にうまくいっていて、年商規模も数百億円
と巨大であるにもかかわらず、自店の業績はよくない。一方で、年
商150億円程度のSCに出店している店は好調なのに、どうしてだろ
う・・・こういうご相談です。
SCとSCの勝負と、SC館内での専門店同士のシェア争いは、視点が異
なります。
国内のSCを分析する限り、業種ごとの商品の売上げは館の売上げと
相関関係にあることが多いです。
分かりやすいのは飲食店で、SCの総売り上げが上がれば飲食店舗の
総売り上げも上がり、下がれば同様に下がるというものです。
ただ、業種ごとの売上げの増減とは別に、その業種のなかで自店が
何番店であるかということも見なければいけません。館内競合がな
い商品分野ならよいですが、多くの商品は館内で競合します。
たとえば洋生菓子というカテゴリーで自店は何番店か?自然派化粧
品というカテゴリーで自店は何番店か?たこ焼きというカテゴリー
で自店は何番店か?
このような単品ごとのカテゴリーで、館内に圧倒的に強い競合他社
がいる場合は、たとえ館の売上が大きかろうとも、強い競合に大き
なシェアを獲得されてしまい、自店の売上げは振るわなくなってし
まうことがあります。
専門店にとっては、館の売上げだけではなく、SCの中でどの程度の
ポジションが得られるのか、それを出店判断のひとつの材料として
数値化を試みるべきでしょう。
同様に、デベロッパーも新規に店舗を誘致する場合、既存SC内でそ
の新しい店は何の商品で何番店となりうるのか、そこを分析した上
で、誘致すべきかどうかを判断する必要があるといえます。
長く続けてほしいのか、あるいは短期間床を埋めればいいという発
想なのか、それとも既存店にかわる新しい一番店を入れたいのか。
デベロッパーもそういった「意図」を明確にしたテナントミックス
を考えるべきといえます。
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■週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
ご意見・ご感想お問い合わせなどは⇒ info-sc@funaisoken.co.jp
発行人:山本 匡(やまもとただし)
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発行所:株式会社船井総合研究所 第2経営支援部
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-6-6日本生命丸の内ビル21階
TEL : 03-6212-2930(直通)
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【SC経営のヒント381】:『他店との差別化』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.381 ━ 2014.06.27
 船井総研 コンサルタント 野田 陽一郎 発行
 週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:他店との差別化』
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『他店との差別化』
朝6時半にとあるターミナル駅にいたところ、付近の喫茶店を含む
全ての店が7時営業開始となっている中で、1店の喫茶店だけが6
時半開店で大行列していました。
そのエリアや集積で7時開店が決められているわけではなさそうで
すが、6時半開店していたその店は、その30分だけで行列が途切
れることはなく、朝の100人近くを30分で獲得していることに
なります。
確かに朝6時半にスタッフを確保するのは大変ですが、それに見合
う集客です。
長い間営業を続けていればいるほど、なかなか外側から自店を見る
ことが難しくなるのは事実ですが、一度時間帯の客層、店頭前客層
など、「こうだろう」と思っているものを見直してみると新たな
チャンスが生まれるかもしれません。
店のスタッフさんに聞いても、長く働いている人ほど既成概念があ
りますのでひとつの良い方法として、アルバイト面接に来る方にお
店の印象や疑問を聞いてみると良いです。意外と「この店ってこう
だと思ってました」「なんで○○なんだろうと思ってました」とい
う意見をいただくことができます。
内側の現状把握としても、例えば近くに大型子供服店ができて、来
店数は増え定性的には家族や母と子で来店している人が増えている
という可能性もあります。
その場合も数字だけで見ていると買上客数は変わらなかったりしま
す。
であれば商品見直しで買上点数を増やすこともできるでしょう。
以前3世代来店のコラムを書きましたが、レジ客数は1でも、来店
客数は5だったりします。
現場力の高いスタッフさんは数字に表れにくい、そういった部分を
敏感に感じて販売につなげることができている人のように見受けら
れます。
まずは自らが外側から、そして内側へのヒアリング、外部の声から
他店との差別化を考えてみませんか。
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【SC経営のヒント380】:『宿泊業界へのアベノミクスへの影響』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.380 ━ 2014.06.19
 船井総研 コンサルタント 山本 真輝 発行
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:宿泊業界へのアベノミクスへの影響』
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『宿泊業界へのアベノミクスへの影響』
6/17の「観光立国推進閣僚会議」にて、アベノミクスの第三の矢で
ある「成長戦略」にも盛り込まれている
2020年までに訪日外国人旅行者を現状の約2倍である2,000万人にす
るための新たな行動計画として、
「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2014」
を策定しました。
本プログラムでは、
●『2020年オリンピック・パラリンピック』を見据えた観光振興
●インバウンドの飛躍的拡大に向けた取組
●ビザ要件の緩和や指定旅行会社の手続簡便化など訪日旅行の容易化
●世界に通用する魅力ある観光地域づくり
●外国人旅行者の受入環境整備(免税品目の対象拡大・免税店の増
 加・Wi-Fi整備など)
●MICEの誘致・開催促進と外国人ビジネス客の取り組み
を6本の柱とし、政府一丸、官民一体で取り組んでいく、
とされています。
さて、2,000万人実現にあたっては上記以外にも、旅行者の受け皿
となる宿泊施設の整備の必要性も声もあるのですが、
そちらについてはどうなっているかご存知でしょうか?
実は成長戦略の国家戦略特(別)区(域)にて言及されています。
国家戦略特区とは、地域を限定して各地域の経済状況を踏まえた目
標を設定し、その目標を達成するために大幅な規制緩和を実施する
もので、東京圏(千代田区・中央区・港区・新宿区・文京区・江東
区・品川区・大田区・渋谷区・神奈川県・千葉県成田市)、
関西圏(大阪府・兵庫県・京都府)、新潟県新潟市、兵庫県養父市、
福岡県が指定されています。
規制緩和内容としては、宿泊施設の運営にあたっては、「旅館業法」
という法律があり、その設備要件などが規定されているのですが、
上記地域のうち東京圏と関西圏では、旅館業法の要件を満たさない
施設でも、一定の要件を満たすことで外国人旅行者の宿泊を受け入
れることができるとしています。
既存ホテルからは、宿泊客流出の懸念や、特定多数の出入りのある
施設としての安全管理の課題が指摘されているようですが、
マクロ的には、首都圏のホテル用地不足と人口減少時代の家余りを
一気に解決する選択肢かもしれません。
従前より、リゾートセグメントでは、分譲のリゾートマンションを
ホテルオペレーターが運営し、オーナーが滞在しない期間中を、
ホテルとして貸し出すコンドホテルという形態が存在していますが、
将来的には、ホテルとレジデンシャルの境界線が曖昧になっていく、
というストーリーも想定されます。
そうなるとホテルとしてはレジデンシャルとの差別化として、新た
な進化や独自性が期待されるはずです。
古民家を改装したゲストハウスtoco.(2010年)、
倉庫改装のNui(2012年)などは、新たな進化や独自性のヒントと
もいえそうです。
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【SC経営のヒント379】:『最近のSCのテナントミックス』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.379 ━ 2014.06.12
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:最近のSCのテナントミックス』
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『最近のSCのテナントミックス』
昨今の大型SCでは、人気のナショナルチェーンや、そのナショナル
チェーンの別ブランド(新業態)が誘致されることが多いです。セ
レクト系のナショナルチェーンも新ブランドがひととおり出そろい、
アパレルから外食など多様化しています。
一方で、都市部の駅ビルやファッションビルでは、ユーズド(リサ
イクル)、100円ショップや300円ショップ、安価なSPA大型店の入
店も珍しくなくなってきました。この流れは百貨店といえど例外で
はなく、もはや駅ビル・百貨店・ファッションビルなどといった業
態の垣根を越えた競合が激化しています。
これまでSCのテナントミックスを決定付ける要素としては、「性別」
「ターゲット年齢」と「グレード」で考えられることが多かったと
いえます。この考え方は長らく主流の考え方であったといえます。
ここ10年は、グレードとエイジからもうすこし広がって「ファッ
ション感度」を重視しているところも増えていますが、依然として
テナントミックスを考える上でのひとつの幹でした。
「性別」という考え方もかつての主流ではありますが、昨今はユニ
セックスやメンズ&レディースというフロアが多数見られるように
なってきました。
しかし、昨今のファッションビルなどのMDを見ていますと、このエ
イジやグレードという垣根をこえて、「売れる店かどうか」という
ことや、「集客力があるか」ということに主眼が置かれているよう
に思えます。
これは、いい立地であるがゆえに「収益テナント」だけを集めてい
ればよかった時代から、郊外や周辺に競合店がたちならび、相対的
に立地の価値が低落して、その結果「集客」に相応の工夫をこらす
必要が出てきたからといえます。
郊外の大型SCは坪当たり賃料の高い「収益テナント」よりも、坪当
たり賃料の低い「集客テナント」のほうが大きな面積を占めていま
す。同じように、都会のファッションビルといえども「集客テナン
ト」の面積をある程度は確保しないと、全体としての集客力を維持
することが困難になってきた、と感じられます。当然ながら平均賃
料水準は低下するものの、集客力を維持しないとギブアップするテ
ナントが増えてしまいます。大都市のファッションビルですら、上
層階が郊外型のカジュアルなチェーンで埋め尽くされるという日も、
そう遠くない未来に実現することになりそうです。
ものごとへのアプローチを考える上で大事なことは、一見あたりま
えのような、この「分類」を見直すことにあると思います。
新店舗・新業態・新商品開発など、新しいものを生み出すには、こ
れまでの分類(グルーピング)を見直すというのが基本になります。
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【SC経営のヒント378】:『攻める次代の到来(リストラからリニューアルへ)』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.378 ━ 2014.06.05
 船井総研 コンサルタント 丹羽 英之 発行
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:攻める次代の到来(リストラからリニューアルへ)』
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『攻める次代の到来(リストラからリニューアルへ)』
最近、お付き合い先でのリニューアル計画が増えてきました。
消費税の影響も思った以上になく、景況感が良くなっていることも
大きいと思います。
これまでの商業施設の業績アップは、既存顧客の再来店による客数
アップ、年間買上金額アップが基本でした。これは施設リニューア
ルによる新規客数アップが見込めない場合でも、インストアシェア
アップ(入店率アップ、買上率アップ、再来店への仕掛けづくり)
で、業績アップが可能だからです。
しかし、このインストアシェアアップをより効果的に進めるために
も施設客数が上がるのがベターで、施設客数アップのためには、施
設販促の強化とリニューアルしかありません。特に、施設客数が最
も上がり、新たなお客様を呼び込めるリニューアルがベストだと言
えます。
これまでは、長引くデフレ、消費マインドの低下による業績ダウン
により、リニューアル計画の凍結、販促費の軽減も含めたリストラ
が結果として、更なる客数ダウンを招いて売上を失速させてきまし
た。
しかし、整える(リストラ)の時期は終わり、攻める(リニューア
ル)の時期になりました。施設全体のリニューアルもそうですが、
各ショップ、テナントが新たな客層を呼び込める商品、サービス、
業態にチャレンジを急ぐ必要があります。
攻める時期のポイントは、より早くチャレンジすることです。
必ずしもハードが先行しなくても、力相応のソフト(商品、人)の
リニューアルでも大丈夫ですので、ぜひ、次の時代に向けて攻めの
経営に転じて頂きたいものです。
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【SC経営のヒント377】:『宿泊業界への共通ポイント攻勢』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.377 ━ 2014.05.29
 船井総研 コンサルタント 山本 真輝 発行
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:宿泊業界への共通ポイント攻勢』
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『宿泊業界への共通ポイント攻勢』
いつも宿泊施設の紹介をしておりますが、今回は趣向を変えて、
弊社サイト「経営企画室.com
(http://www.keieikikaku-shitsu.com/)
に寄稿しました記事をお送りします。
先日リクルートとPontaのポイント統合が発表されました。
共通ポイント自体の動向や趨勢は、すでに様々な媒体で解説されて
いますので、そちらに論を譲るとして、今回の記事では、その共通
ポイントの動向のなかで出てきたYahoo!トラベルによる宿泊予約サ
イトの新たな収益モデルへの挑戦についてご紹介したいと思います。
さてそのYahoo!トラベルですが、まずは皆様、Yahoo!トラベル自体
はご存知でしょうか?
勿論その名のとおり、国内最大級のポータルサイト「Yahoo!」内の
宿泊・旅行商品の予約サイトですが、もしかするとあまり利用した
ことは少ないかもしれません。
実は当サイトはJTBの「るるぶトラベル」のアフィリエイトサイト
として運営されており、全国の旅館・ホテルとは直接契約が存在
せずに、Yahoo!トラベルより予約が入った場合はJTBから施設へ送
客手数料を請求し、JTBの受け取りマージンの一部が、Yahoo!トラ
ベルへ分配される仕組みとなっています。
そこで今回のリニューアルです。
今回のリニューアルでは、ついにYahoo!トラベルが直接、施設と契
約し、さらに目玉として、他の宿泊予約サイトでは、当該サイトか
らの予約に応じて発生するマージンを無料にしました。
その代わり、利用者へのポイント付与として5%(他サイトでは通常
1%)を下限とし、また付与ポイントはTポイントを採用しています。
(だいぶ後発の)Yahoo!トラベルとしては、利用者にメリットのあ
るサイトを作ることで、PVを稼ぎ、広告収入を得たいという考えの
ようです。
これで宿泊業界にも共通ポイントのTトラベル(一応、Tトラベルと
いうサイトはありましたが・・・)、そしてリクルートとの統合に
よりPonta、そして楽天スーパーポイントと主要陣営が出揃ったこ
とになります。
すでに先行2サイトでは、国内市場の頭打ち感から、手数料率の引
き上げが画策され、施設側の警戒を受けるなか、新たな収益モデル
を打ち出したYahoo!トラベルが新たな選択肢となりうるのか?は今
後の宿泊業界の動向に大きく影響を与えるかもしれません。
本稿をお読みいただいた経営幹部の皆様も、自社の強みを理解し、
収益モデルの改革にまで挑戦することで、現状を打破する一手にな
りうるかもしれません。
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【SC経営のヒント376】:『時間消費』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.376 ━ 2014.05.27
 船井総研 コンサルタント 野田 陽一郎 発行
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:時間消費』
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『時間消費』
ここ数週間、新規開業の駅ビルのテラス、百貨店の屋上催事、郊外
モール横のテラス付飲食、既に開始されているビアガーデンなど中
心に見てまわりましたが、どこも大変な賑わいです。
今のところ、商業施設におけるテラスや屋上は家賃も生まないサブ
要素として、活用されていることが多いように感じますが、その有
効活用も1つの大きな集客要素に育つかもしれません。
これを集客要素に取り込んでいる例として、屋上などを利用した
バーベキューなどに一端を見ることができました。
今まで下層の商業には馴染みの少ない顧客が屋上利用のために来店
されることで顧客層の拡大をしている例がありました。
また、この時期の野外活動(主に登山やバーベキューなど)は、
どこも週末を中心に大変な賑わいです。
『社会生活基本調査(総務省)』で休養等自由時間活動の時間が長
くなっているという調査結果がありますが、今後も余暇時間など、
仕事以外の時間が増えていくことは間違いありません。この調査で
は、20代以上のほぼ全ての世代で自由活動時間が増えています。
レジャー白書でも同様に余暇時間の増加が言われています。
商業施設においては、購入のための目的来店だけでなく、いかに時
間消費をしてもらえるような、魅力ある場所にしていくことが今後
ますます求められていくと感じています。
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【SC経営のヒント375】:『いまこそ商品開発』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.375 ━ 2014.05.15
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:いまこそ商品開発』
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『いまこそ商品開発』
GW中に様々な新規商業施設や中心市街地を拝見していて、単純なこ
とにいろいろ気づきました。
東京の駅ビルや百貨店での食品ギフト(お土産商品)の品揃えは、
何年か前から「小量・多種類」でかわいいパッケージに入った和系
の商品(おかき、かりんとう、等)がトレンド商材として前に出て
きています。羽田空港、東京駅といった観光拠点立地でも同様です。
ですが、成熟した観光地の中には、こういった商材を取り入れてい
ない街もけっこうあります。
もちろん客層の違いやテーマの違いはあるものの、たとえば巣鴨の
地蔵通りや横浜中華街ではどうでしょうか?このような新しい商材
もないとはいわないですが、依然として売れ筋になっている商材は
ここ何年、いや10年以上変化がないといえないでしょうか?
成長する街、衰退する街、要素はいろいろありますが、外食と物販
で世の中のトレンド商材をきちんと取り扱っていることというのは、
すごく重要なことだと感じます。主軸となる商品が確立しているか
らと、10年以上同じ商品ばかり売っている観光地や中心商店街は少
なくないと感じています。
駅ビルやモールでは、定期的にテナントを入れ替えることでこれに
対応できています。
しかし、商店街など事業者がある程度固定している場合には、テナ
ントではなく「商品」を入れ替えることで対応しなければなりませ
ん。
商店街の衰退が注目されて数十年、市場や商店街の活性化は駐車場
がどうとか若返りがどうとか、もはや当たり前に語られる時代は忘
れ去られ、残れるところしか残れなくなってしまいました。いまだ
に商店街としてやれているということは、それだけ環境要因に恵ま
れているということです。
そういうなかで、ご当地グルメイベントや大阪の「文の里商店街」
のユニークなポスターの取り組みなど、これまでにないような手法
が面白いといえます。
http://mochi-summit.jp/
http://www.osaka.cci.or.jp/nigiwai/postar/
しかし一時的に集客するだけでは長続きしません。繁栄にいたる持
続的サイクルを生み出すことが大事であり、イベントや販促はその
転換点作りです。
いまいちど「商品」のリニューアル、新商品の開発・導入、これが
大事な時代になってきています。
新しい取引先開拓にパワーを注ぐときではないでしょうか。
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【SC経営のヒント374】:『消費税後のトレンド対応について』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.374 ━ 2014.05.01
 船井総研 コンサルタント 丹羽 英之 発行
 週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:消費税後のトレンド対応について』
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『消費税後のトレンド対応について』
消費税の駆け込みで鮮明になった消費トレンドは何か?
それは成熟したマーケットでは価格が下がるよりも、価格が上がる
ことに対して消費者は反応するということです。
成熟したマーケットの消費者は、価格が下がると、もっと下がると
思って買い控えます。一方、今回の消費増税のように、価格が上が
ると、買上率が上がるのです。
消費者は株でも、土地でも、上がりはじめるともっと上がると思い、
今買わなければ損すると思うので、決定率が上がるのです。
これまでの販促は、価格を下げることで集客することが基本でした。
これからは、価格が安いという販促から、価格が高くなる販促への
切り替えが必要です。
また、お客様を買う気にさせるには、単なる価格訴求から、限定
性、希少性、オリジナル性といった価値訴求への転換も必要です。
例えば、ユニクロさんのチラシは非常に良く出来ています。
ファッション業界に限らず、商品の立ち上がり(導入期)はプロ
パー(定価)が基本です。しかし、ユニクロさんだけは、商品の
立ち上がりにチラシで商品を割引きます。
このときのポイントは2つです。
一つはチラシ掲載期間が終わると商品が定価に戻る点、
二つ目はただ割引くのではなく、必ず、バンドル(2点買い)訴求
している点です。
ユニクロさんの商品はコモディティ商品が多く、この立ち上がりで
買われた購入者の口コミが話題となり、実需の売り上げが上がると
いう好循環を果たしているように感じます。
商品の立ち上がりに有料モニターを多数獲得しているといったイ
メージです。
ぜひ、今回の消費増税をチャンスと捉えて、新たな販売方法に取り
組んで頂きたいものです。
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【SC経営のヒント373】:『売れる商品はドコだ!?良質な客室の奪い合いが始まった宿泊業界』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.373 ━ 2014.04.03
 船井総研 コンサルタント 山本 真輝 発行
 週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:売れる商品はドコだ!?
         良質な客室の奪い合いが始まった宿泊業界』
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『売れる商品はドコだ!?良質な客室の奪い合いが始まった宿泊業界』
いつも宿泊施設の紹介をしておりますが、今回は趣向を変えて、
弊社サイト「経営企画室.com
(http://www.keieikikaku-shitsu.com/)に寄稿しました記事を
お送りします。
景気回復基調にある宿泊業界の動向です。
元来、共生関係にあった宿泊施設と旅行代理店の変質をご紹介した
いと思います。
今、旅行業界で話題になっているパンフレットがある。
JTBが今期の春夏シーズン用に置いた国内パッケージ旅行「エース
JTB」の赤いパンフレットだ。
これは2014年3月10日のダイヤモンドオンラインの記事「JTBが国内
のホテル・旅館に“基準”を導入した真の狙い」

の冒頭部分です。
記事内容を簡単にまとめますと・・・・・・
JTBでは個人旅行(エースJTB)パンフレットを、春夏/秋冬シーズ
ンと年2回制作・発行していますが、今年度の春夏パンフレットよ
り、宿の品質保証を謳う「6つの約束」というページを設けています。
この6つの約束とは、
【1】JTBで独自収集している年間約50万件のお客様の声をもとに高
評価の宿を厳選
【2】和室は10畳以上、洋室は20平米以上のゆったりとしたお部屋
【3】景色・眺望の良いお部屋へのご案内
以下、夕食はパンフレットに掲載されたものであること、夕食は温
かいものは温かく冷たいものは冷たく提供すること、一部の場所な
がら手荷物を預かるまたは配送すること、を指しています。人気若
手女優の武井咲さんが出演しているCMで見た人もいるかもしれませ
ん。
で、当然、その条件の遵守を旅館側に求めたのだが・・・という話
です。
当該記事では、JTBの宿に対する「基準」の導入によって、「現地
を訪れてみるとイメージとは違っていたり、候補が多すぎて決める
のに苦労したりすることがある」オンライン旅行代理店に対して品
質と安心感で差別化できるとし、また宿側にとっても、手数料が安
く、宿泊料金も宿側で機動的に変更可能なオンライン旅行代理店の
台頭によって、「従来型の旅行代理店とは距離を置き始めており、
必ずしもマイナスばかりではないとみているようだ。」
と、記載していますが、その実態は、少し異なるようです。
旅行代理店は各地区ごとに重点送客施設を設定し、年間を通した送
客の交換条件として、宿から様々な特典を引き出しています。
自らの機能では商品を持ち得ない代理店にとっては、商売のタネで
ある商品(=旅行代理店では「部屋」)を、どれだけ好条件で引き
出せるかが重要です。
宿からすると、良い商品を渡す代わりに、悪い商品も売るというの
が、従来の宿と旅行代理店の取引関係だったわけです。
当然ですが、宿には沢山の部屋があり、今回の「基準」に対しては、
ある宿は基準を満たす、満たさないという話ではなく、実際には、
ある部屋(=条件の良い部屋)は基準を満たすが、ある部屋(=条
件の悪い部屋)は基準を満たせないというのが大半です。
となると、今回の基準は、基準を満たさない宿の切り捨てではな
く、基準を満たさない部屋の切り捨てというのが実態です。
しかも基準を満たさない部屋分の提供室数を減らせばいいという話
ではなく、基準を満たさない部屋の代わりに、良い部屋を提供して
ほしいというのが、ホンネの要求内容となります。
たとえばビーチに面したリゾートホテルでは、(自力でも販売可能
な)オーシャンビューの部屋だけを出来るだけ多く提供してくださ
い、もちろん手数料は貰います、山側の部屋は要りません、となる
ということです。
そして仮に提供室数を維持しない場合は送客が減ってしまうかもし
れない・・・というわけです。
つまりこれは、旅行代理店同士の優良商品の囲い込み競争の一環で
あり、それに宿が巻き込まれているのが実態です。
この流れ自体は、旅行代理店の販売力低下の証左であり、もし宿に
売りづらい部屋だけ取り残されるとしたら、マイナス以外の何もの
でも無いはずです。
宿にとって、部屋とは最大の経営資源です。経営資源は、優良なも
のも、劣位なものも含めて資源です。
どのような資源配分が最適化かを改めて考え直すべき施策といえそ
うです。
取引先からの一見良さそうな要望でも、資源配分の点から考える
と、実は要検討というものもあるかもしれません。
こういった資源配分の最適化という視点がビジネス上を長期的に
発展させていくポイントではないでしょうか。
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■週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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発行人:山本 真輝(やまもと まさき)
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