━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.278 ━ 2011.04.14
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:SCメルマガ再開します』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『SCメルマガ再開します』
このたびは震災をはじめとする災害で多大なる被害を被られた方々に
心よりお見舞い申し上げます。
また、直接間接に様々な経済的・精神的被害が広がっています。
私どもといたしましては、このような事態に対して、
できるかぎりのお手伝いをさせていただきたいと思います。
現在、関西と関東では、相当感覚が違います。
関東以北では震災週は前年比20%、翌週50%という売上になり、
また業種によってはいまだ回復していないところもあると
お伺いしております。
一方では時間とともに復興は進み、徐々にたてなおってきています。
ご支援先のなかには、震災直後の休業期間中にリニューアルを実施し、
復旧後好調に推移しているお店もあります。
震災で重大な被害を被ったSCにも訪問してまいりました。
被害としては天井の崩落、ガラスサッシュが割れた、
天井に吊るしていた照明器具の安定器が落ちてきた、
内装壁が一部崩落した、などです。
震災直後は真っ暗になってしまった売場に瓦礫のように散乱した
商品の中をSCスタッフがけが人がいないか出向いたわけですが、
照明器具のない中での作業は困難を極めたとのことです。
幸いけが人はほとんどなく大事には至らなかったのですが、
懐中電灯程度では心もとなく、非常用の照明器具を常備して
おかないと、このような事態に対処するのは困難と知った次第です。
もちろん非常灯もあるのですが、
なぜか作動しなかったものもあったようです。
ガラスやプラスターボード、ジプトンの調達も、震災直後にいち早く
発注したところしか確保できていません。
ただ、1ヶ月を経過しだいぶ回復はしてまいりました。
なかでも復旧にかける時間と費用がかかるのは天井の崩落です。
これはなんとしても防がなければなりません。
原因の一つには、テナントC工事において、施工ルールに違反して、
吊りものをアンカーボルトからとらずに天井にネジもみしていた
場所が崩落したなど、ルール違反があらわになってしまったといえます。
こういうことが今後起こらないよう施工管理の大切さも感じます。
全国のSCにおいて、今回被災していないエリアにおいても、
耐震補強などは早急に実施する必要があると感じました。
躯体だけでなく内装の建て付けにおいても、
きちんとルールを守るようチェックしておく必要があります。
今回、個人的には一つの時代が明確に移り変わったように感じています。
日本という国の人間性レベルの高いところと低いところを
一度に見たような気がします。
消費産業は消費者とともにあります。
デベロッパーにとって顧客はテナントですが、
テナントにとっての顧客は消費者。消費者の支持が得られないこと
にはデベロッパーも困ります。
消費者の志向性は大きく変化し、
SCや専門店もそれに対応しなくてはなりません。
都市部においては外国人がいなくなったといってもいい状況で、
少なからず消費を支えていた客層がごっそりいなくなりました。
回復にはしばらく時間を要するでしょう。
SCのMDもこれを機会として見直してゆかねばならないでしょう。
具体的には、より食品を強化し日常性を高めなければならないと
感じています。
ところで、震災影響で1回中止した無料勉強会ですが、
本年から東京+大阪の2拠点で開催することを決定いたしました。
大阪は6/21、8/23、10/25の開催になります。
関西方面の方々はぜひ大阪オフ会においでいただけましたらと思います。
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発行人:山本 匡(やまもと ただし)
編集担当:山本 匡(やまもと ただし)
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カテゴリー: SC経営のヒント(バックナンバー)
【SC経営のヒント277】:『好調な駅ビル、苦戦する駅隣接の商業施設』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.277 ━ 2011.03.03
船井総研 コンサルタント 丹羽 英之発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:好調な駅ビル、苦戦する駅隣接の商業施設』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『好調な駅ビル、苦戦する駅隣接の商業施設』
まちづくり3法の改正以来、郊外に大型商業施設(1万平米以上)が開
発できづらくなり、大手デベロッパーは中国か日本の都市部(商圏
130万人)での開発・リニューアルに注目しています。都市部に強い
パルコの株式取得もここに攻勢をかけたいデベロッパーの意向の表
れのようです。
今のところ、都市部での勝ち組は、駅ナカ、駅ビルといえそうです。
一般的に、商業施設の売上は核店舗の集客で決まります。だいたい、
核店舗の売上高×2倍が商業施設全体の売上高であることが多く、
これは核店舗の集客(売上)で支えられるテナント数に限界があ
ることを意味します。ここで言う核店舗とは、自力集客(自力販
促)ができ、館全体の集客に貢献する(大型)店舗を指します。
ですから、(郊外型)SCでは、GMSと大型専門店が核店舗と言えま
す。この核としてのGMSは、機能として衣料・食品・住関連が必要
ということで、食品SMと衣料・住関連の(大型)専門店という構
成でも大丈夫です。また、専門店の規模と銘柄は商圏の大きさに
よって決まります。大商圏(50万人以上)ならロフト、中商圏
なら無印(30万人以上)、小商圏なら100均といった感じです。
一方、都市部で勝ち組の駅ビルは、駅乗降客が核店舗の機能を果た
すことが、(郊外型)SCとの大きな違いといえるでしょう。実際に
乗降客が核となるのは都心部のターミナル駅だけで、それ以外の駅
ビルは後背地にある商圏を取り込むことが必要なのですが、この後
背地にある商圏を取り込むには、マーケットが大きく、来店頻度の
高い食品が鍵となります。
例えば、食品の売上構成比は館全体の20~30%あるのが普通ですから、
核店舗の中でも特に食品がポイントと言えるでしょう。
実際に、駅ビル、(郊外)SCともに、商業施設の規模、新旧に関わ
らず、購買頻度が高く、マーケットの大きい食品を全体販促で強化
していくことが、即時業績アップ策なのです。
一方、一番苦戦しているのが駅隣接の商業施設ではないでしょうか。
駅に隣接する商業施設は、駅ビルや郊外SCとのターゲットの違いを
打ち出せず、雑居ビルの様相を呈していて、集客の核がないのが実
際です。
特に、隣接する駐車場(駐輪場)が少ないことが多く、本来は核と
なる食品で後背地のお客様をとれないのが一番の苦戦の要因でしょ
う。
そんな駅隣接の商業施設でも、ファミリーをターゲットとしている
SCが好調のようです。
また、好調な駅隣接の商業施設には下記のような特徴があります。
・300坪クラスの大箱の専門店を数持っている。
・大箱の専門店が商圏内一番面積店である。
・この大箱の専門店がGMS機能を補完している。
・フルライン、全客対応のテナントが多い。(ターゲット、商品を
絞り込み過ぎない)
・過去一斉を風靡したテナントが生き残っている。
やはり、商売は「どこで、誰に、何を売るかが」基本となります。
ショップ・テナントも自社の立地特性を正確に把握し、ターゲット
を明確にして商売をしていきたいものです。
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発行人:丹羽 英之(にわ ひでゆき)
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【SC経営のヒント276】:『ライフタイムバリューを高めよう』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.276 ━ 2011.02.24
船井総研 コンサルタント 野田 陽一郎 発行
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:ライフタイムバリューを高めよう』
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『ライフタイムバリューを高めよう』
ポイントカードを導入している店舗は大枠把握されていることも
多いと思いますが、年間買上上位のお客様についてどの程度把握されて
いるでしょうか?
呉服、美術、宝石業界のように単店でたくさんお買上いただいている
お客様となると把握しやすいのですが、館や複数の店舗でとなると、
とたんに見えなくなってしまいます。
年間買上上位となると「年間」が区切りとなりますが、
それでは、館がオープンしてからとなるとどうでしょうか?
1人のお客様にリピートしていただくためにかけるコストよりも
新規のお客様に来ていただくためにかかるコストは3~5倍です。
年間買上上位のお客様、オープンしてからずっとお買上いただいているお客様、
そこにもっとフォーカスしていく必要があると思います。
ライフタイムバリューなどとも言いますが、どの程度売上・利益に貢献して
くれているお客様なのか?貢献していただいているお客様はどのような方なのか。
何故ロイヤリティを感じていただいているのか?
自館や自店舗が支持されている要因がそこにも多々あるのではないでしょうか?
新しい奇抜な販促よりも、まずは支持されているところから伸ばす。
支持されているとことは、よりたくさん自館を利用していただいている方に
ヒアリングしたり、意見を聞いたりしていくことです。
方法論は、モニター会や特招会の際など様々あります。
そこからいかに読み取っていくかがポイントです。
生涯価値というポイントから見ていくと見えてくるものがたくさんあると思います。
オープンして15年、20年を迎える館もたくさんあると思います。
初心を思い出し、オープンの時に来ていただいたお客様はどんなお客様で、その後
初めて来ていただいてからずっと自館を利用していただいている方はどのような方か、
どこが気に入ってリピートしていただいているのかを確認し、共通認識として
持っていくことがこれからの時代は必要になるのではないでしょうか?
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発行人:野田 陽一郎(のだ よういちろう)
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【SC経営のヒント275】:『チェーン店経営の新しい姿』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.275 ━ 2011.02.17
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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『Main Contents:チェーン店経営の新しい姿』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『チェーン店経営の新しい姿』
スーパーマーケット業界は、すでに成熟業界となっている業界では
ありますが、そのなかで際立った躍進を続けている企業様があります。
ひとつは、北九州を地盤とするハローディ、もうひとつは、
福山を地盤とするエブリィです。
この2社は、商品政策、価格政策、売場づくりなど、
様々な面で既存のスーパーマーケットとは
異なるアプローチをとっていることがよく話題に上ります。
もちろんそれは両社のユニークネスとして学ぶべきところが多いです。
が、私自身の感想は各種報道のそれとはちょっと異なっています。
どこに着目しているかというと、
「徹底して社員の力を引き出す経営」をしていることが、
躍進のポイントではないかと感じています。
会社は社員とともにあり、社員あっての会社です。
マンパワーを必要とするスーパー業界ではなおさらです。
しかし実態はどうでしょうか。
大手のチェーン店では本部の人間が高圧的に現場にモノを言い、
トップや幹部が店に来たら大名行列になっている・・・
こういう会社は以前より減ったとは思いますが、
いまだに本部と店舗、幹部と従業員という対立構造のなかで
経営を行っている会社が多いように思えてなりません。
もちろん経営ですから、ある程度の厳しさがあるのは当然としても、
心の通わないコミュニケーションに現場が疲弊しているケースが
とても多いように感じられてなりません。
そう考えると、21世紀に躍進している企業はすこし違うと思います。
社員を大事にして、社員の創造性を引き出す工夫があります。
人間性経営を軸として、社会性・教育性・収益性を
バランスよく追求しようとしています。
つまりは、よき「社風」づくりができている会社ほど、
これから躍進のチャンスが待ち受けているのではないかと感じています。
SC自体の経営も、誘致するテナント企業も、
これからの時代を先取りした「社風」づくりに取組むべきだと思います。
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発行人:山本 匡(やまもと ただし)
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【SC経営のヒント274】:『平日の販促カレンダーをつくろう』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.274 ━ 2011.02.10
船井総研 コンサルタント 丹羽 英之発行
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:平日の販促カレンダーをつくろう』
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『平日の販促カレンダーをつくろう』
業績を伸ばしているショップ・テナントを見ていくと、
休日と平日の商売のやり方が違うようです。
休日は集客商品と定番商品を売り、
平日は収益商品を提案しているお店が強いお店といえそうです。
というのも、休日はどうしても全館集客が多いので、
SCに入店しているショップ・テナントも
お客様を捌くことを優先しがちです。
つまり、売場は価格訴求の集客商品を前面に展開し、
それをセルフで売ることを基本にしています。
しかし、この価格訴求の集客商品は知名度の高い
NB(ナショナルブランド)の商品が多いので、
集客はできるのですが、なかなか利益がでないのが実際です。
従来の販促は、購買頻度が高く、自店での買上点数の多い
主力商品を競合他店と比較して、安くチラシに掲載することが
基本でした。
また、チラシ販促は売上(客数)の最大化が目的ですので、
売上(客数)指数の高い週末(土・日)に折り込まれるのが
普通です。
ただ、この週末のチラシ販促で呼びこんだお客様に、
平日来店いただけるフックを準備しておくことが必要です。
平日は週末に比べて、来館客数が少なく、
接客時間が多くとれるはずです。
ですから、休日のように集客商品をセルフで売るのではなく、
接客で収益商品の価値を伝えることが大切です。
ここで言う収益商品とは、自店の扱い商品の中で価格が高く、
粗利もとれる商品を指します。
できれば自店でしか取り扱っていない、
希少性、限定性、地縁性のある商品が理想です。
よく商店街でやっている逸品運動などは収益商品のモデルと
いえそうです。
この収益商品の価値をお客様に知っていただくために、
各ショップ・テナントが企画する体験、体感、試着、お試し、
教室、セミナーを平日に集めて販促カレンダーにしている
ショッピングセンターが盛り上がっています。
そして、この教室に自店の収益商品だけでなく、
お仲間のショップ・テナントの商品を添えているお店が
圧倒的に支持されています。
例えば、
リカーショップの企画するワインの定期試飲会(頒布会)に、
洋菓子屋さんの高級チョコを添える。などです。
これらの教室販促の良いところは、お客様にとっては無料で学べて、
単独で売り込まれることのない安心感があることです。
一方、ショップ側には、定期的に開催することで
参加したお客様からの紹介(口コミ)が得やすいという
メリットがあります。
ぜひ、SCの買い回り店数アップのためにも、
平日販促を強化していただきたいものです。
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【SC経営のヒント273】:『販促コストが見えていますか?』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.273 ━ 2011.01.27
船井総研 コンサルタント 野田 陽一郎 発行
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『Main Contents:販促コストが見えていますか?』
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『販促コストが見えていますか?』
店舗への来店促進、来店客への買上促進のために、
販促費を使っていますが、その販促費をどの程度細かく捉えているでしょうか?
実際に出た販促費に関しては、把握していますが、
その効果のほどを検証するとなるととたんに把握できていない店舗が
増えるのが現状です。
ここでは、理由として大きく2つ出てきます。
1つが、チラシなどで集客した場合、効果測定できないというもの。
もう1つは、凡そ把握しているものの、検証までできないというもの。
そもそも検証しきれない販促に価値があるのでしょうか?
最近では販促費を削減するSC、店舗が多いのですが、
その検証をする前に昨年対比で売上が下がっているから販促費を削ろうという
議論になってしまうとことも多く、非常にもったいないと感じます。
かけた販促コストに対して来店客数をカウントできることが望ましいのですが
来店客は購入客ではないため、カウントが難しいのが現状です。
実際には、かけたコストに対して買上がどの程度あるのかを把握することが
現実的です。
その1人あたり買上客数に対して、いったい年間・月間でどの程度
販促費をかけているのか?
その1人あたり購入客コストに対して、かけられる限界コストはどのいくらなのか
を把握していれば、無理のある販促(=回収できない販促)、
無理のない販促(=回収できる販促)がわかります。
そうすれば、かけるべきであった販促のコストを削減してチャンスロスする
ことも少なくなりますし、かけるべきでなかった販促コストを削減することも
可能なのです。
販促費は販促費、来店客数は来店客数、買上率は買上率、とどうも
独立して考えている店舗が多いように感じます。
1人あたり集客コスト、1人あたり買上コストを知り、
自館・自店がかけられる販促コスト、売上計画から見てかけたい販促コストの
算出をして見直してみてはいかがでしょうか?
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【SC経営のヒント272】:『全社一丸の時代』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.272 ━ 2011.01.20
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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『Main Contents:全社一丸の時代』
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『全社一丸の時代』
面白い店、というと、人によって感じ方はいろいろでしょうが、
ヴィレッジバンガードという店がいまや日本中の大型モールに
出店しているのは、どなたでもご存知のことでしょう。
ずいぶん昔、初期のお店を拝見したときに
「世の中にはこんな面白い店があったのか」
と衝撃を受けたことを覚えています。
現場の仕入れ枠を増やし、
売場づくりをあえてフォーマット化せず自由度を増し、
手書きのPOPでユニークなコピーで演出されている様子は、
店ごとに表情が異なり、独自の楽しさを演出していると思います。
それでいて、雑然と様々な商品が並んでいるわけではなく、
イチオシの単品を要所要所に配置して、アイテム数以上に
数多くの商品が並んでいそうな期待感がたっぷりです。
このような現場スタッフのクリエイティビティを引き出した
お店というのは、それまでのチェーンストア的な発想とは異なり、
お客さんに「とりあえず行ってみようか」という来店動機を
生み出しています。
小売業の活性化においては、通常品揃えを調査したり
接客力を改善したりと、指標化しやすい要素で分析して
取り組みを考えるというアプローチが主流ではないかと思います。
しかしながら、いま魅力のある店というのは、
そういった客観的アプローチだけでなく、
「ワクワク働ける店かどうか」
「働く中で自己実現できるチャンスが豊富かどうか」
といった要素が大切になってきていると思います。
このような、「定量化できない強み」こそが企業風土、
企業文化として大切なものになってきています。
チェーンストアに導入されているような自動発注の導入や
開店品出しの外部活用などは作業効率化には寄与するでしょうが、
売場のスタッフがそれにより売れ筋商品が分からなくなったりする
弊害もあります。
個人的には、作業の合理化は必要なれど、
それが結果的に、作業ではなくクリエイティビティという意味での
売場のマンパワーの減少につながることになるようであれば、
今一度見直す時期に来ているのではないかと思います。
SCにおいても、ポイントカード倍付け3倍付けに安易に頼るのではなく、
毎回販促企画を練る必要があります。
営業時間を短縮し、休日を設定し、
皆が参加できるイベントを開催するなど、
現場スタッフのイキイキワクワクという、
働く中での自己実現欲求を満たす経営というものが、
これまで以上に求められていると思います。
経済成長期には中央集権的な発想で伸びることは可能でしたが、
今後の低成長というより縮小経済のなかでは、
いかに全社一丸となって力を発揮できるかが大切。
そういう意味では、現場のスタッフが仕入れて売場を作って
接客して売るという「喜び」を再確認して、
現場マンパワーを最大限に発揮できる体制構築が
経営陣にとっての課題になるのではと思います。
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【SC経営のヒント271】:『ピンチをチャンスに変えよう!』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.271 ━ 2011.01.14
船井総研 コンサルタント 丹羽 英之発行
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『Main Contents:ピンチをチャンスに変えよう!』
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『ピンチをチャンスに変えよう!』
ここ最近、新規オープンするSCへの競合対策のお話を頂くことが増えました。
競合対策は前叩き(前準備)が原則ですが、オープン後の様子を見てから対応
しようという店舗が多いのも実際です。
しかし、売上が下がってからでは店舗にコストがかけられず、売上と連動する
販促費が下がってしまうので、後からでは競合対策はできないのです。
例えば、売上50億円のSCが競合出店の影響で昨対90%になれば売上が5億円減り、
昨対80%になれば売上が10億円減ります。実際に様子見をしたSCのなかには毎
年売上を下げ続け、結果として5年で売上が半分になっているSCもあります。
(昨年対比90%でも5年続ければ売上は半分です。)
一方、前向きに予算を組んで競合対策をすることで、10億円下がるところを
5億円にできるとしたら、それは非常に費用対効果が高い競合対策と言えるで
しょう。
競合出店した際に、地域一番店だけが100%をクリアし、2番店が90%、3番店が
80%、4番店70%ということはよくあります。これは地域一番店だけが、競合出
店というピンチを自店(SC)が変わるチャンスと捉え、ソフトリニューアル
など前準備ができている結果といえるでしょう。
とはいえ、地域一番店でなくても競合対策は可能です。そして、そのポイント
は力相応であることいえそうです。
力相応とは、競合となる新規SCの規模と自店(SC)の規模との比較により、
対策を打つということです。自店(SC)が新規SCよりも規模が小さい場合は
食品強化が基本であり、自店(SC)が新規SCと同規模以上の場合は衣料・
住関連の先売りが基本となります。
食品は足元商圏がベースですので、チラシ配布枚数を抑えつつ回数を優先でき
ます。まずは食品を柱に、平日にお客様を予約できる紋日をいくつつくれるか
がポイントになります。平日対策がしっかりできれば、週末のお客様が落ち込
んでも売上減を最小限に抑えることができるからです。というのも、SCの上位
顧客はそのSCの食品(SM)の利用率が高く、結果として浮気しづらいからです。
一方、自店(SC)が新規SCと同規模以上の場合は先売りが基本となります。
食品は買いだめができないですが、衣料、住関連は買いだめができますから、
新規SCのオープン前にキャッシュバックセールなどでの先売りしてしまうこと
が重要です。
これをキャッシュバックでなく、商品券で返せば次回来店へとつなげることが
できるので競合対策としてより効果的といえます。
これらは、前叩き(前準備)のための短期的な競合対策ですが、本来的には競
合出店を好機と捉え、自店(SC)の商品力、売場力、販促力、接客・サービス
力をテナントと一体となって見直し、ソフトリニューアルできればベストです。
ぜひ、ピンチをチャンスとして捉え、新たなチャレンジのスタートにして頂き
たいものです。
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【SC経営のヒント270】:『安心感も売る時代に』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.270 ━ 2011.01.06
船井総研 コンサルタント 野田 陽一郎 発行
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『Main Contents:安心感も売る時代に』
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『安心感も売る時代に』
初売りはいかがでしたでしょうか?
今週末までロングランするところも多いと思いますが、
今年の福袋をはじめとして、初売りの状況を見ていると
個店ごとの差が大きく出ている状況が顕著です。
そして例年恒例のイベント・行事は比較的好調に伸び、
新規で規模もそこそこに取り組んだイベントは伸び悩んでいると
いった状況でしょうか。
今年最も気になった点は、「安心感」です。
ここの福袋は例年中身が良い、ここの商品券は毎年使い勝手が良い、
ここの接客はセールだからといっておざなりにならない・・といった
「安心感」にお客様の購買決定の視点があったように思います。
決してお得感だけで動いてはいないのです。
一番店であればあるほど、それは顕著だったのではないでしょうか。
福袋は、出た瞬間にWEB上に中身がアップされてしまう時代ですから
手抜きすればするほど、2日目以降の売れ方に、来年の売れ方に影響します。
そこで、今まで店舗で商売をされてきた信頼が本当に活きてくる
時代になったと思います。
ネットでは、ある程度繋ぎとめておいたお客様も、
送料無料というだけで他店になびき、1円でも安いと今回は他店で、
と仕入れ商品であればあるほどなりがちですが、
店舗では、いつもそこにある安心感が購買に与える影響が大きいのです。
自分流にその場でカスタマイズした意見を聞くことができるのも
当然対面で接客をおこなう店舗ならでは、です。
セールといえども、しっかりしたものを買いたい、
余計な出費を抑えたいというお客様の心理は一段と顕著になりました。
少し負けている店舗は、今からでもすぐに見直し、挽回できます。
今年店舗では「安心感の訴求」と「即時対応」を意識して
みてはいかがでしょうか。
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■週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
ご意見・ご感想お問い合わせなどは⇒ info-sc@funaisoken.co.jp
発行人:野田 陽一郎(のだ よういちろう)
編集担当:野田 陽一郎(のだ よういちろう)
発行所:株式会社船井総合研究所 第4経営支援部
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-6-6日本生命丸の内ビル21階
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【SC経営のヒント269】:『2010年の最後に』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.269 ━ 2010.12.30
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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『Main Contents:2010年の最後に』
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『2010年の最後に』
SCチーム発行のメルマガも、今年分は最終号になります。
2010を振り返ってみますと、リーマンショック以降落ち込み続けて
いた売上が、ようやく底打ち感が出て持ち直してきたSCも増えてき
ました。ただ、この売上減トレンドというのは今後もしばらく続く
と思います。
現場を回り続けて感じることですが、これまでと同じやり方、これ
までと同じ発想、というものが通じなくなってきています。新しい
発想新しい取り組みが必要と常々感じます。「他社がやっているか
ら」もアテにならない時代です。自分の目でお客様を見て、自分の
頭で考え、自分の責任で実行するほかありません。
私なりのキーワードで簡単にまとめますと、以下のようになります。
・売上至上主義×→粗利獲得○
・長時間営業×→働きやすい労働環境○
・仕組み仕掛け省力化×→マンパワーの向上○
これまで大手流通業が中心となって取組んできたシステム化、効率
化の全てを否定するわけではありませんが、業界トレンドとして実
施されていることの多くに疑問を感じており、それらをやめたほう
が良くなるのではないか・・・と感じることが少なくありません。
年中無休の長時間営業でよい人は育つのでしょうか?ポイントカー
ドを導入したら本当にお客様を囲えるのでしょうか?売上しか知ら
ない店長スタッフばかりで利益の出る店舗運営ができるのでしょう
か?自動発注で仕入れる力は向上するのでしょうか?在庫を減らし
て売上は上がるのでしょうか?
デベロッパーにしても、チラシやポイントに頼った販促ではなく、
店と対話して店が潤うための対策をともに協議してゆく時代になっ
てきたのではないでしょうか。「テナント使い捨て」的な発想で、
いまの店が出て行って、はたして次にもっと魅力ある店が出店して
くれる商業施設になっているのでしょうか。
これからは、これまでと同じようなことをやっていてはジリ貧にな
るだけです。多くの取り組みを短期間に変化させてゆかねばなりま
せん。
来年度のメルマガは、そのような取り組みについてご紹介できれば
と思います。
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発行人:山本 匡(やまもと ただし)
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