━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.272 ━ 2011.01.20
船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:全社一丸の時代』
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『全社一丸の時代』
面白い店、というと、人によって感じ方はいろいろでしょうが、
ヴィレッジバンガードという店がいまや日本中の大型モールに
出店しているのは、どなたでもご存知のことでしょう。
ずいぶん昔、初期のお店を拝見したときに
「世の中にはこんな面白い店があったのか」
と衝撃を受けたことを覚えています。
現場の仕入れ枠を増やし、
売場づくりをあえてフォーマット化せず自由度を増し、
手書きのPOPでユニークなコピーで演出されている様子は、
店ごとに表情が異なり、独自の楽しさを演出していると思います。
それでいて、雑然と様々な商品が並んでいるわけではなく、
イチオシの単品を要所要所に配置して、アイテム数以上に
数多くの商品が並んでいそうな期待感がたっぷりです。
このような現場スタッフのクリエイティビティを引き出した
お店というのは、それまでのチェーンストア的な発想とは異なり、
お客さんに「とりあえず行ってみようか」という来店動機を
生み出しています。
小売業の活性化においては、通常品揃えを調査したり
接客力を改善したりと、指標化しやすい要素で分析して
取り組みを考えるというアプローチが主流ではないかと思います。
しかしながら、いま魅力のある店というのは、
そういった客観的アプローチだけでなく、
「ワクワク働ける店かどうか」
「働く中で自己実現できるチャンスが豊富かどうか」
といった要素が大切になってきていると思います。
このような、「定量化できない強み」こそが企業風土、
企業文化として大切なものになってきています。
チェーンストアに導入されているような自動発注の導入や
開店品出しの外部活用などは作業効率化には寄与するでしょうが、
売場のスタッフがそれにより売れ筋商品が分からなくなったりする
弊害もあります。
個人的には、作業の合理化は必要なれど、
それが結果的に、作業ではなくクリエイティビティという意味での
売場のマンパワーの減少につながることになるようであれば、
今一度見直す時期に来ているのではないかと思います。
SCにおいても、ポイントカード倍付け3倍付けに安易に頼るのではなく、
毎回販促企画を練る必要があります。
営業時間を短縮し、休日を設定し、
皆が参加できるイベントを開催するなど、
現場スタッフのイキイキワクワクという、
働く中での自己実現欲求を満たす経営というものが、
これまで以上に求められていると思います。
経済成長期には中央集権的な発想で伸びることは可能でしたが、
今後の低成長というより縮小経済のなかでは、
いかに全社一丸となって力を発揮できるかが大切。
そういう意味では、現場のスタッフが仕入れて売場を作って
接客して売るという「喜び」を再確認して、
現場マンパワーを最大限に発揮できる体制構築が
経営陣にとっての課題になるのではと思います。
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■週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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発行人:山本 匡(やまもと ただし)
編集担当:山本 匡(やまもと ただし)
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