【SC経営のヒント293】:『集合論的マーケティングアプローチ』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.293 ━ 2011.09.01
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
 週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:集合論的マーケティングアプローチ』
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『集合論的マーケティングアプローチ』
ホームユースが主となっていた時代のマーケティングの方法論は、
予算帯別MDというのが基本になっていました。
価格が安いもの、中間程度のもの、高いものと分けると、
売れ筋価格を中心に上下に品揃えすることで、
お客様の予算や用途にあわせた品揃えの幅を持つことで
より魅力的な品揃えにしてゆこうという考え方です。
これは相変わらずマーケティングの王道であり
基本の方法論であることに変わりはないと思えます。
これは確率論的マーケティングアプローチともいえます。
しかし、ホームユースは購買経験が進むにつれパーソナルユースに
なり、パーソナルユースの低年齢化が進んでいます。
たとえば歯磨き、シャンプーリンス、はてはテレビやオーディオも
一家にひとつではなく、各人それぞれの好みや生活スタイルに
合わせて多種多様な選択がなされ、家族で同じものを
共用するというのはどんどん少なくなっています。
このような各人の趣味志向に対応するマーケティングの方法論は
集合論的なマーケティングアプローチであるといえるでしょう。
この手法によるマーケティングを展開している代表業態は
セレクトショップであるといえます。
確率論的な発想ですと、「量数幅」アイテム数多・・価格幅広・・
在庫量多 という方向になりやすいのですが、
集合論的アプローチでは必ずしもそうはならず、
アイテム数・価格幅・在庫量は結果として「価値観・世界観」が
合う商品を集めた結果一定の水準になるということになります。
お客様の声を聴くフォーカスクラブを毎週実施している
スチュレオナードというNYの繁盛食品スーパーも、
通常日本のスーパーでしたら1万SKU以上ある品揃えが
1000SKU未満程度しかなかったことに驚かされました。
お客様の声を聴きつつも、自らの得意に
絞り込んだマーケティングで繁盛店となっています。
パーソナルユース化の流れはどんどん進行していますので、
確率論的なアプローチだけでなく集合論的なアプローチも
理解する必要があります。
現に、目下好調な大阪駅ビルのルクアなどを拝見しますと、
もはや紳士婦人子供雑貨のフロアなどという発想はなく、
各フロアごとにテーマ発想でMDが構築されており、
これなどはすでにライフスタイル的な発想で
グルーピング(集合論)を組み立てた結果の展開といえます。
集合論的アプローチの例について、
これから何度かに分けて申し上げたいと思います。
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■週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
ご意見・ご感想お問い合わせなどは⇒ info-sc@funaisoken.co.jp
発行人:山本 匡(やまもと ただし)
発行責任者:山本 匡(やまもとただし)
発行所:株式会社船井総合研究所 第4経営支援部
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-6-6日本生命丸の内ビル21階
TEL : 03-6212-2930(直通)
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【SC経営のヒント290】:『SCリニューアルにあたってのポイント』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.290 ━ 2011.07.28
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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『Main Contents:SCリニューアルにあたってのポイント』
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『SCリニューアルにあたってのポイント』
最近リニューアルに関する相談を頂戴することが増えています。
SCのライフサイクル的に見て、
5~7年でリニューアルすることが理想的ではありますが、
現実には10年に1度のリニューアルという事例も多いようです。
10年以上なにもしないと、あきらかに陳腐化してしまいますので、
最低でも10年に一度はリニューアルというのが
常識的なサイクルといえるでしょう。
これまでリニューアルをお手伝いした経験から申し上げますと、
まずは販促のリニューアル、それからハードのリニューアル
という順番で実施したものが、最も効果的だったといえます。
ひとつには、閉店セールと開店セールという
大チャンスを確実にモノにしてゆくということと、
もうひとつは、既存店をどのように伸ばすかという視点が
必要になります。
単純に新しく入れた店だけが成功して、
既存店が伸びないリニューアルをやっても意味がありません。
単純にハードへの投資とテナントの入れ替えだけで
全体に改善はするものの、
既存店をどのようにプッシュアップして行くかという意味では、
既存店がリニューアルに向けて
チャレンジをしてゆこうという気持ちが盛り上がらないと、
「全体はリニューアルするけど、
自分の店は区画が動かないので、最低限の投資に抑えよう」
という消極的な気持ちになってしまって、
結果として全体がリニューアルしたのに
その店の売上はむしろ下がってしまう・・・
などということが現実に起こります。
周囲が新しくなったことからも、
相対的に見劣りするようになってしまいます。
こうならないようにするために、
まずは全体のテナント勉強会を実施して、
リニューアル前にまず現在の状態で販促と売場づくりで
売上を増加基調に持ち込みます。
これが重要で、ここで勢いが出て気持ちが前向きにならないと、
いくら数年に一度のリニューアルとはいっても
何もしない消極的な店が増加してしまうのです。
大手チェーン店は一定の投資サイクルがありますが、
地元店やリージョナルチェーンは
ケースバイケースで判断することもあるためです。
そうして全館を盛り上げ、
閉店販促で過去最高売上・集客を実現しようというのが
閉店までの目標になります。
私どもがお手伝いした中では、
現実に過去最大売上を記録したケースは多数あります。
リニューアル後の業績目標も二桁アップです。
そうしないとリニューアル投資も回収に至らなくなります。
数値目標も見据え、ソフト面できちんと対策を実施し、
そのうえでハードに相応の投資を実施する、
これがSCリニューアルの王道といえます。
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【SC経営のヒント287】:『最新リニューアル成功事例』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.287 ━ 2011.07.07
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:最新リニューアル成功事例』
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『最新リニューアル成功事例』
昨年からお手伝いをはじめ、震災直後にリニューアルしたお店が、
その後絶好調です。
たまたまリニューアルを計画していたときに時期が重なり、
タイミングがよかったというのもありますが、
リニューアル前に勉強会を何度も開催し、
レイアウトも手がけさせていただいて、
基本に忠実な店づくりへと変更したことが効果的だったと思います。
ここで重視した、リニューアルに際しての基本とは
以下のようなことです。
・坪当たりの在庫量・商品アイテム数を増やす・・・売場面積を
可能な限り増やし、坪当たりアイテム数を増やしました。
棚と棚の間の通路をぎりぎり狭くして1本余分に差し込むなど、
坪当たり商品密度を上げて坪在庫も増やしました。
・分かりやすいレイアウトに変更・・・ある程度大きさのある
店でしたので、何がどこにあるか分かりづらく、
お客様から問い合わせが多く、店員さんの手をとられていました。
なので、常識的に分かりやすい流れになるように配列を変更し、
何がどこにありそうなのか直感的に分かりやすい並べ方にしたところ、
それまでひっきりなしに問い合わせのあった商品の問い合わせが
ぱったりとなくなった(もちろん売上UP)とのことです。
・パーソナルユースを前に、ホームユース、業務ユースを後ろに
メイン通路のエンドにもってくる商品はパーソナルユース関連にし、
業務で使うようなものは売場の奥に配置換えしました。
もっとも、十分ではないため、リニューアル後も
棚換えをやっています。
もちろん、ほかにもいろいろあります。
こうやって文字にすると当たり前のようなことばかりですが、
実際には現場ではなかなかこうなっていないものです。
特に、リニューアルで陳列棚を低くして坪当たりアイテム数や
在庫高を減らした結果、売上まで落としているスーパーストアが
ときどきあります。
そのような失敗を冒さないためにも、
基本を知る必要がありあます。
坪売上=坪あたり在庫高×回転率 ですので、
もしも在庫高を半分にしてしまったら、
回転率ははたして倍以上になりますか?
アイテム数を減らして回転率が上がりますか?
という簡単な想像をしてみてください。
なんとなく、業界で流行だから、あの会社もやっているから・・・・
そのような「流された」リニューアルをしないためにも、
基本を正しく理解することが大事と思います。
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【SC経営のヒント281】:『SCオペレーターのパワーアップ』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.281 ━ 2011.05.20
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:SCオペレーターのパワーアップ』
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『SCオペレーターのパワーアップ』
昔は、SCというのは開業の時に成功する形
(物理的な形と、ビジネスモデルの双方)をつくりあげれば、
その後は誰が運営してもそれなりにやってゆけると
考えられていました。
SC開発ノウハウを持つ会社が圧倒的に有利だったといえます。
私が20代後半の頃にはじめて総合プロデュースを手がけさせて
いただいた物件は、開業以来5年間、まったく販促活動をやって
こなかったSCでした。
ビルオーナーから依頼されて現場を見ましたら、
入居率は3割程度でゴーストタウンのようでした。
いろいろお伺いしますと、開業のときは話題になり、
多数の集客があったのですが、その後まともな運営がなされずに、
みるみる衰退していったとのことです。
そういうビルでも、大リニュアルを実施し、
館のコンセプトをがらりと変化させたら復活して、
それなりにやれるようになったものです。
これは極端な例かもしれませんが、
とにかくデビューが勝負になっていました。
しかし現代の商業施設は、開業時のプランニングよりも、
そのあとの通年の販促やテナント入れ替え、何年に一度かの
リニューアルのほうが重要になってきていると感じます。
SCも毎年一定割合でのテナント入れ替えを目標として掲げる
時代になってきています。
各専門店にとっても、MDを年々意識的に革新してゆかないと、
あっというまに「時代遅れの店」として
周囲に取り残されてゆくことになります。
近年開業した、成功している駅ビルやファッションビル、
モールを見ると、「新しいSCには今人気のある店が入居している」
というシンプルな事実に気付かれると思います。
新しい魅力ある都市型専門店はほとんどがライフスタイル品揃えで、
婦人紳士子供雑貨アクセサリーが編集され提案されています。
このような人気店を、いち早く導入してゆくことがSCを
フレッシュに保つ基本ですが、それは日々の運営サイドの
たゆまぬ努力によってなされるものになってきます。
誰がどう作ったかが大事なのではなく、
それを日々どのように運営していったか、のほうが大事になります。
プロがつくって素人が運営する、
ではこれからやってゆけなくなると思います。
プロがつくって(たとえ素人がつくっても)、
プロが運営する時代になります。
SCオペレーターの教育・トレーニングとパワーアップ、
特にテナント店長とより突っ込んだ具体的な対策を
協議できるマネジャー育成が大切になります。
優れたMGの育成、これが向こう10年のデベロッパー、
PM企業の優劣を決する要因になってゆくと思われます。
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【SC経営のヒント278】:『SCメルマガ再開します』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.278 ━ 2011.04.14
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:SCメルマガ再開します』
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 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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『SCメルマガ再開します』
このたびは震災をはじめとする災害で多大なる被害を被られた方々に
心よりお見舞い申し上げます。
また、直接間接に様々な経済的・精神的被害が広がっています。
私どもといたしましては、このような事態に対して、
できるかぎりのお手伝いをさせていただきたいと思います。
現在、関西と関東では、相当感覚が違います。
関東以北では震災週は前年比20%、翌週50%という売上になり、
また業種によってはいまだ回復していないところもあると
お伺いしております。
一方では時間とともに復興は進み、徐々にたてなおってきています。
ご支援先のなかには、震災直後の休業期間中にリニューアルを実施し、
復旧後好調に推移しているお店もあります。
震災で重大な被害を被ったSCにも訪問してまいりました。
被害としては天井の崩落、ガラスサッシュが割れた、
天井に吊るしていた照明器具の安定器が落ちてきた、
内装壁が一部崩落した、などです。
震災直後は真っ暗になってしまった売場に瓦礫のように散乱した
商品の中をSCスタッフがけが人がいないか出向いたわけですが、
照明器具のない中での作業は困難を極めたとのことです。
幸いけが人はほとんどなく大事には至らなかったのですが、
懐中電灯程度では心もとなく、非常用の照明器具を常備して
おかないと、このような事態に対処するのは困難と知った次第です。
もちろん非常灯もあるのですが、
なぜか作動しなかったものもあったようです。
ガラスやプラスターボード、ジプトンの調達も、震災直後にいち早く
発注したところしか確保できていません。
ただ、1ヶ月を経過しだいぶ回復はしてまいりました。
なかでも復旧にかける時間と費用がかかるのは天井の崩落です。
これはなんとしても防がなければなりません。
原因の一つには、テナントC工事において、施工ルールに違反して、
吊りものをアンカーボルトからとらずに天井にネジもみしていた
場所が崩落したなど、ルール違反があらわになってしまったといえます。
こういうことが今後起こらないよう施工管理の大切さも感じます。
全国のSCにおいて、今回被災していないエリアにおいても、
耐震補強などは早急に実施する必要があると感じました。
躯体だけでなく内装の建て付けにおいても、
きちんとルールを守るようチェックしておく必要があります。
今回、個人的には一つの時代が明確に移り変わったように感じています。
日本という国の人間性レベルの高いところと低いところを
一度に見たような気がします。
消費産業は消費者とともにあります。
デベロッパーにとって顧客はテナントですが、
テナントにとっての顧客は消費者。消費者の支持が得られないこと
にはデベロッパーも困ります。
消費者の志向性は大きく変化し、
SCや専門店もそれに対応しなくてはなりません。
都市部においては外国人がいなくなったといってもいい状況で、
少なからず消費を支えていた客層がごっそりいなくなりました。
回復にはしばらく時間を要するでしょう。
SCのMDもこれを機会として見直してゆかねばならないでしょう。
具体的には、より食品を強化し日常性を高めなければならないと
感じています。
ところで、震災影響で1回中止した無料勉強会ですが、
本年から東京+大阪の2拠点で開催することを決定いたしました。
大阪は6/21、8/23、10/25の開催になります。
関西方面の方々はぜひ大阪オフ会においでいただけましたらと思います。
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【SC経営のヒント275】:『チェーン店経営の新しい姿』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.275 ━ 2011.02.17
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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『Main Contents:チェーン店経営の新しい姿』
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『チェーン店経営の新しい姿』
スーパーマーケット業界は、すでに成熟業界となっている業界では
ありますが、そのなかで際立った躍進を続けている企業様があります。
ひとつは、北九州を地盤とするハローディ、もうひとつは、
福山を地盤とするエブリィです。
この2社は、商品政策、価格政策、売場づくりなど、
様々な面で既存のスーパーマーケットとは
異なるアプローチをとっていることがよく話題に上ります。
もちろんそれは両社のユニークネスとして学ぶべきところが多いです。
が、私自身の感想は各種報道のそれとはちょっと異なっています。
どこに着目しているかというと、
「徹底して社員の力を引き出す経営」をしていることが、
躍進のポイントではないかと感じています。
会社は社員とともにあり、社員あっての会社です。
マンパワーを必要とするスーパー業界ではなおさらです。
しかし実態はどうでしょうか。
大手のチェーン店では本部の人間が高圧的に現場にモノを言い、
トップや幹部が店に来たら大名行列になっている・・・
こういう会社は以前より減ったとは思いますが、
いまだに本部と店舗、幹部と従業員という対立構造のなかで
経営を行っている会社が多いように思えてなりません。
もちろん経営ですから、ある程度の厳しさがあるのは当然としても、
心の通わないコミュニケーションに現場が疲弊しているケースが
とても多いように感じられてなりません。
そう考えると、21世紀に躍進している企業はすこし違うと思います。
社員を大事にして、社員の創造性を引き出す工夫があります。
人間性経営を軸として、社会性・教育性・収益性を
バランスよく追求しようとしています。
つまりは、よき「社風」づくりができている会社ほど、
これから躍進のチャンスが待ち受けているのではないかと感じています。
SC自体の経営も、誘致するテナント企業も、
これからの時代を先取りした「社風」づくりに取組むべきだと思います。
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【SC経営のヒント272】:『全社一丸の時代』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.272 ━ 2011.01.20
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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 ☆今週のコンテンツ☆
『Main Contents:全社一丸の時代』
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『全社一丸の時代』
面白い店、というと、人によって感じ方はいろいろでしょうが、
ヴィレッジバンガードという店がいまや日本中の大型モールに
出店しているのは、どなたでもご存知のことでしょう。
ずいぶん昔、初期のお店を拝見したときに
「世の中にはこんな面白い店があったのか」
と衝撃を受けたことを覚えています。
現場の仕入れ枠を増やし、
売場づくりをあえてフォーマット化せず自由度を増し、
手書きのPOPでユニークなコピーで演出されている様子は、
店ごとに表情が異なり、独自の楽しさを演出していると思います。
それでいて、雑然と様々な商品が並んでいるわけではなく、
イチオシの単品を要所要所に配置して、アイテム数以上に
数多くの商品が並んでいそうな期待感がたっぷりです。
このような現場スタッフのクリエイティビティを引き出した
お店というのは、それまでのチェーンストア的な発想とは異なり、
お客さんに「とりあえず行ってみようか」という来店動機を
生み出しています。
小売業の活性化においては、通常品揃えを調査したり
接客力を改善したりと、指標化しやすい要素で分析して
取り組みを考えるというアプローチが主流ではないかと思います。
しかしながら、いま魅力のある店というのは、
そういった客観的アプローチだけでなく、
「ワクワク働ける店かどうか」
「働く中で自己実現できるチャンスが豊富かどうか」
といった要素が大切になってきていると思います。
このような、「定量化できない強み」こそが企業風土、
企業文化として大切なものになってきています。
チェーンストアに導入されているような自動発注の導入や
開店品出しの外部活用などは作業効率化には寄与するでしょうが、
売場のスタッフがそれにより売れ筋商品が分からなくなったりする
弊害もあります。
個人的には、作業の合理化は必要なれど、
それが結果的に、作業ではなくクリエイティビティという意味での
売場のマンパワーの減少につながることになるようであれば、
今一度見直す時期に来ているのではないかと思います。
SCにおいても、ポイントカード倍付け3倍付けに安易に頼るのではなく、
毎回販促企画を練る必要があります。
営業時間を短縮し、休日を設定し、
皆が参加できるイベントを開催するなど、
現場スタッフのイキイキワクワクという、
働く中での自己実現欲求を満たす経営というものが、
これまで以上に求められていると思います。
経済成長期には中央集権的な発想で伸びることは可能でしたが、
今後の低成長というより縮小経済のなかでは、
いかに全社一丸となって力を発揮できるかが大切。
そういう意味では、現場のスタッフが仕入れて売場を作って
接客して売るという「喜び」を再確認して、
現場マンパワーを最大限に発揮できる体制構築が
経営陣にとっての課題になるのではと思います。
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【SC経営のヒント269】:『2010年の最後に』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.269 ━ 2010.12.30
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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『Main Contents:2010年の最後に』
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『2010年の最後に』
SCチーム発行のメルマガも、今年分は最終号になります。
2010を振り返ってみますと、リーマンショック以降落ち込み続けて
いた売上が、ようやく底打ち感が出て持ち直してきたSCも増えてき
ました。ただ、この売上減トレンドというのは今後もしばらく続く
と思います。
現場を回り続けて感じることですが、これまでと同じやり方、これ
までと同じ発想、というものが通じなくなってきています。新しい
発想新しい取り組みが必要と常々感じます。「他社がやっているか
ら」もアテにならない時代です。自分の目でお客様を見て、自分の
頭で考え、自分の責任で実行するほかありません。
私なりのキーワードで簡単にまとめますと、以下のようになります。
・売上至上主義×→粗利獲得○
・長時間営業×→働きやすい労働環境○
・仕組み仕掛け省力化×→マンパワーの向上○
これまで大手流通業が中心となって取組んできたシステム化、効率
化の全てを否定するわけではありませんが、業界トレンドとして実
施されていることの多くに疑問を感じており、それらをやめたほう
が良くなるのではないか・・・と感じることが少なくありません。
年中無休の長時間営業でよい人は育つのでしょうか?ポイントカー
ドを導入したら本当にお客様を囲えるのでしょうか?売上しか知ら
ない店長スタッフばかりで利益の出る店舗運営ができるのでしょう
か?自動発注で仕入れる力は向上するのでしょうか?在庫を減らし
て売上は上がるのでしょうか?
デベロッパーにしても、チラシやポイントに頼った販促ではなく、
店と対話して店が潤うための対策をともに協議してゆく時代になっ
てきたのではないでしょうか。「テナント使い捨て」的な発想で、
いまの店が出て行って、はたして次にもっと魅力ある店が出店して
くれる商業施設になっているのでしょうか。
これからは、これまでと同じようなことをやっていてはジリ貧にな
るだけです。多くの取り組みを短期間に変化させてゆかねばなりま
せん。
来年度のメルマガは、そのような取り組みについてご紹介できれば
と思います。
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【SC経営のヒント260】:『SC中期計画の重要性』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.260 ━ 2010.10.14
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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『Main Contents:SC中期計画の重要性』
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『SC中期計画の重要性』
昨年はインフルエンザの影響があったため悪すぎた、という背景はあります
が、現場ではそろそろ底打ち感がでてきて、前向きに明るくなってきたのはと
ても嬉しいです。
さて、ときおり郊外型のSCの企画やリニューアルをお手伝いしているときに、
気になることがあります。
それは、核店舗と専門店の面積・店数のバランスです。
不動産ビジネスであるSCから、なるべく単位面積あたりの収益性を上げようと
する場合、小さな店を数多く入れたほうが坪賃料を上げやすいという傾向があ
ります。なぜならば、大型店はおおむね坪効率が低く坪当たりの賃料負担能力
が下がり、小型の専門店は坪効率が上がりやすいためです。
駅ビルなど、もともと流動客が多く集客力のある立地では、専門店だけをあつ
めて商業施設を構成することが可能ですが、郊外で集客してSCを成立させるた
めには、集客力のある大型店を最低1つから複数導入する必要があります。大
型店が集客し、専門店がその集客に乗っかって売上を上げるというイメージで
す。
永らく百貨店やGMSなどの大型店がその核店舗としての機能を果たしてきまし
たが、昨今ではSCそのものの大型化や、GMSの不調も伴って、食品スーパー、
家電大型店、スポーツ大型店、実用衣料大型店といった専門大型店が総合量販
店の代替として導入されるケースが増えてきました。
一般的な郊外型SCにおいては、このような核店舗の面積が全体の半分程度は必
要になる場合が多いです。それだけ賃料水準は低くとも集客力がある店舗を導
入することで全体の集客を維持し、残りの専門店からやや高めの賃料を頂戴す
ることで全体の収益バランスを確保するというのが郊外型SCのビジネスモデル
といえます。
ですので、核店舗の比率が高すぎる場合は収益を得る床が不足するということ
になりますし、専門店ばかりであれば全体に客数が稼げず、似たような専門店
ばかりが同じお客様を奪い合うという現象になりがちです。
もとより、SC全体のバランスというのは、物理的にも、契約などの縛りもあり、
そう容易に変更できるものではありません。ですので、SC全体のバランスが適
切かどうかということを判断したうえで、それを時流に応じて数年越しで変化
させてゆくという中期の計画性が必要になります。
いろんなSCで中期計画づくりが語られますが、大切なのは定性的なことに加え
て、このようなマーケティング・プランにのっとった中期計画づくりであると
いえます。そこに必要なのは経験に基づいた専門的見識であり、また同時に、
一瞥すればたいていのことは即座に判断可能なことでもあります。
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■週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
ご意見・ご感想お問い合わせなどは⇒ info-sc@funaisoken.co.jp
発行人:山本 匡(やまもと ただし)
編集担当:山本 匡(やまもと ただし)
発行所:株式会社船井総合研究所 第4経営支援部
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-6-6日本生命丸の内ビル21階
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【SC経営のヒント257】:『NSC開発のキーポイント』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.257 ━ 2010.09.23
 船井総研 コンサルタント 山本 匡 発行
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『Main Contents:NSC開発のキーポイント』
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『NSC開発のキーポイント』
街づくり三法の改正にともない、NSC開発が注目されています。
NSCでの成功モデルというのは、あまり目立たず、一見すると多くないように
見受けられます。
しかし、ローカルチェーンの多くがNSCで成功をおさめて企業規模を拡大して
きたという事実も一方にあり、巨大なSCと比べて目立たないながら、
うまくつくれば着実に収益を上げることができるものでもあります。
過去に私どもが手がけた案件では、やはりNSCは核店舗として入店するスー
パーマーケットの力にかなりの部分を左右されます。ですから強い店に核店舗
になっていただく、というのが基本になります。
また、活性化においても、やはり核店舗であるスーパーが活性化するように
仕掛けてゆくというのが基本になります。
核が食品だけではやや弱く、できればメディア複合店舗などを第二核として
誘致したほうが理想的といえます。ただし、第二核店舗が夜間営業するような
業態の場合は、大きな館の中に入れてしまうと夜目立たず苦戦するケースも
あるので注意です。
専門店に関しても、生活型の小商圏SCですので、飲食テナントや
ファッション・服飾雑貨の導入を欲張りすぎずに、ベーシックなMDを中心に
組み上げるというのもポイントです。洗練されている店ほど現実には苦戦して
いるものも多く、背伸びしすぎないことがポイントといえます。
特に近のNSCには、業種別配分のバランスが最適化されていないものが多く、
万年不振部門になっている可能性があります。飲食店舗はほとんどSC集客に
依存しますが、大型の回転寿司など一部のタイプはSC集客とは別に独自に成り
立つものもありますので、面積過剰の場合はそのような業態を導入することも
可能です。
このほか、オープンモールのレイアウトのNSCが多いですが、
たしかにランニングコストは下がるものの、回遊性は極端に低下しますので、
店単位での関連購買が下がります。雨の日は客数半分以下になる例も多く、
当初の設計で後々の運命が決まってしまいますので注意が必要です。
売上の予測は事前にたちますので、売場面積を欲張りすぎないことも大事です。
不振とは坪効率が上がらないことですが、
往々にして「店が大きすぎる」という事例に出くわすことが多いです。
このような基本的な要件をきちっと押さえたうえで立地選択を誤らねば、
繁盛するNSCづくりは今後も可能です。
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