バンコク流通視察レポート〜前編〜

ショッピングセンター経営のヒント78:『バンコク流通視察レポート〜前編〜

ご挨拶
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船井総研経営コンサルタント丹羽英之でございます。

ついに、「まちづくり三法」のうち都市計画法などの改正案が閣議決定
されましたね。

前回お伝えしました【特集】『都市計画法の改正で、出店環境はどう変化する?』
では、たくさんのお便りを頂きまして誠に有難うございます。
これからも船井総研ショッピングセンター支援チームでは、都市計画法の行方を
注視し、情報発信していければと考えています。

ところで、私は今年のお正月にタイ・バンコクへ視察に行ってまいりました。
その目的・・・私の目が捉えたのは・・・

新規出店、巨大ショッピングセンター
「サイアムパラゴン」!!

私の知識、想像を大きく超えるSCがそこにはあった・・・。

そこで、本日より前編、後編に分けましてタイの流通事情、ショッピングセンター
事情を弊社コンサルタントの野田君との対話形式でお伝えしたいと思います。

株式会社船井総合研究所
ショッピングセンター支援チーム
丹羽 英之

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●タイ・バンコクってどんなところ?(流通業界概要、気候、治安、交通…)

野田:さっそくですが、お正月にタイのバンコクへ視察に行かれたそうですね。
   なぜ!今バンコクだったのですか?

丹羽:実は、だいぶ以前からご支援先のオーナーから、「今、流通を勉強する
   ならバンコクが良いよ。」と薦められていたんですよ。ただ、僕自身バ
   ンコクには良い印象をもっていなくてずっと躊躇していたんです。とい
   うのも、10年程前に訪れたときのバンコクは汚い、くさい、危ない。
   とにかく安いぐらいの印象しかなかったものですから。(笑)

野田:それでも、わざわざこのお正月にバンコクに行かれたのは、なぜなんで
   すか?

丹羽:実は、昨年の暮れにオープンしたバンコク最大のショッピングセンター
   『サイアムプラゴン』を視察したかったことが大きいですね。

野田:さすが、丹羽さん。日本ばかりでなく、海外のショッピングセンターの
   オープンまでチェックしているとは。丹羽さんが、わざわざ視察に行く
   ということは、それなりに見所のあるショッピングセンターなのでしょ
   うね。

丹羽:バンコクは世界的な観光都市で、最先端のスポットが次々に開発されて
   いるんだ。そのスピードはまさに上海を髣髴させる勢いで、ショッピン
   グセンターに限らず、流通トレンドを知る意味でも、一見の価値がある
   と思うよ。
野田:私もアジアでは上海、韓国によく行っているのですが、バンコクについ
   てはノーチェックでした。

丹羽:そうなんだよね。流通業の視察といえば、王道はやはりアメリカ。アジ
   アでは以前なら韓国、今なら中国が主流で、タイ・バンコクにはなかな
   か足を運ばないものね。

野田:だからこそ、新鮮なんですね。予備知識がないので、簡単に教えてもら
   えますか?

丹羽:バンコクまでは成田からの直行便で6時間。2時間しか時差がないので、
   これは楽。気候的にも温暖で平均気温が20度前後。9月〜12月の雨
   季を除いては日本のような蒸し暑さがなく、非常に快適。

野田:それでも、昼間はやっぱり暑いのでは?

丹羽:店舗の多くは、基本的に冷房完備だし、そんなに気にならないかな。た
   だ、昔ながらのマーケット(市場)は人も多いし、やっぱり大変かも。
   それもあってか、ナイトマーケットが隆盛なのもバンゴクの醍醐味かもね。

野田:夜、そんなに出歩いて平気なんですか?

丹羽:治安も今は非常によくなっているみたいで、スリさえ気をつければ、繁
   華街でも全然平気だよ。

野田:移動は有名なテュクテュク(三輪車)ですか?

丹羽:あれは価格交渉制なのでタイ語がわからないとボッタクラレルだけ。今
   はメーター付のタクシーか地下鉄、BTS(スカイトレイン)が一般的
   かな。タクシーは全てTOYOTA車で、とにかく内装もきれいで驚く
   よ。ちなみにワンカラーのタクシーは英語が話せ、2カラーのタクシー
   はタイ語しか話せないので、ビギナーにはワンカラーのタクシーがおす
   すめかな。

野田:だいたい、英語が通じるんでしょうか?

丹羽:言葉はタイ語が基本だけど、英語を話せる人も多く、お店やホテルでは
   英語で十分
かな。

野田:ズバリ!バンコクの最大の魅力は何なんでしょうか?

丹羽:観光客にとっては、物価が安いというのが最大の魅力だろうね。

野田:へ〜。そんなに安いんですか?

丹羽:物価の安さを一番に感じるのは、なんといっても食事だね。食事は繁華
   街のいたるところにある屋台で食べたら30バーツ(90円)ぐらい。
   タイフードは辛すぎず、シーフード、チキンを使ったものが多く、かな
   り日本人向きだね。それと・・・

   日本ではやっているSPA、マッサージもバンコクでは1/10ぐらいで
   できるんだ。日本では1分100円が目安だから60分のコースで
   6,000円。でもバンコクだと600円(200バーツ)。

   これも人件費が安いからできるみたい。最近、バンコクで流行っている
   のが郊外の住宅地の邸宅でのSPA。日本でも、最近流行っている邸宅
   でのウェディングを行う、プール、ジャグジー付きの邸宅でのSPAは
   特に日本人に大人気みたい。

   実際にこれを経営しているのも日本人みたい。日本人はこの邸宅SPA
   だけでも、バンコクに訪れるみたいだし。
< br />野田:これもちょっとしたビジネスのヒントになりそうですね。

丹羽:そうだね。

野田:それに、買い物も安そうですね。

丹羽:バンコクでの買い物は、マーケットと呼ばれる市場とショッピングセン
   ターの2つに大別されるんだ。マーケットと呼ばれる市場は日本のアメ
   横をイメージしてもらうとわかりやすいかも。このマーケットも、地元
   の業者が買い付けにくる市場と、ウィークエンドマーケットナイトバ
   ザール
のような観光客向けに分かれるんだ。値段は地元の人々がよく利
   用する衣料品マーケットのプラトューナム・マーケットが圧倒的に安く、
   Tシャツが1枚50バーツ(150円)ぐらいかな。 これが、意外にセンスが
   良くてビックリするよ!

野田:そんなにセンスが良いのですか?なんとなく、お店も商品もコピーのイ
   メージが強いんですけど。

丹羽:そうだよね。僕も今回10年振りにバンコクに行くまでは同じようなイ
   メージだったんだ。でも、実際には、お店もそこで売られている商品も
   デザイン性が高くてオリジナルなものがほとんどで驚いたんだ。

野田:日本からのバイヤーも多いと聞いたんですけど?

丹羽:実際に、僕にバンコクを薦めてくれた支援先のオーナーさんは、バンコ
   クで若者向けの衣料品を仕入て結構ネットで売っていますしね。それに、
   お店づくりに関しても、色使い、ディスプレイともセンスが良いのでビ
   ックリするよ。

野田:ショッピングセンターはどんな感じなんですか?

丹羽:ショッピングセンターも観光客や地元セレブをターゲットとした高級シ
   ョッピングセンターと地元をターゲットとした庶民派のショッピングセ
   ンターの2つに大別されるんだ。高級ショッピングセンターと言えば・・・。

   1985年創業のバンコクの老舗ショッピングセンターペニンシュラプラザ
   や2004年11月に、旧そごう跡にリニューアルオープンしたエラワンバン
   コク。
ブランド品中心のエンポリアムが有名。でも、ダントツに凄いの
   はルイ・ヴィトン、プラダ、グッチ、フェンディなどのスーパーブラン
   ドが一堂に介するゲイソーン・プラザだね。

野田:庶民派のショッピングセンターといえば?

丹羽:東急と併設しているマーブンクロンセンターが代表格かな。建物内部を
   細かく区切って無数のテナントに貸し出した巨大ショッピングセンター
   (ギフトショーのブース貸しのイメージ)で、その集客力はバンコク随
   一だね。それに、巨大スーパーマーケットと言えば、ビッグCかな。こ
   れら庶民派のショッピングセンターのほとんどは、核となるスーパーマ
   ーケット、巨大フードコート、ファッション関連のショップと映画館が
   併設しているのが一般的だね。

野田:海外の有力企業も出店しているんですか?

丹羽:メジャーなところでは、テスコロータスと日本では撤退の決まったカル
   フール
かな。これらのお店は、どちらかというと郊外に位置しているか
   な。

野田:伊勢丹もありませんでしたか?

丹羽:伊勢丹のあるサーヤム・スクエア、ラーチャム通り周辺は開発ラッシュで、
   話題の「サイアムパラゴン」もこのエリアにあるんだ。伊勢丹、ゼン、
   セントラル・ワールドプラザ
を繋いだ巨大モールは、これまで圧倒的な集
   客力を誇ってきたみたいだけど、年数の経過と共に陳腐化。対抗策として、
   全面リニューアル中なんだ。時代の流れを感じるよね。

野田:リニューアルは上手くいきそうですか?

丹羽:リニューアル計画の詳細がわからないのでなんともいえないね。ただ、
   日本でも同じだと思うけど、ハード先行でソフトが伴わないと難しいと
   思うよ。

野田:具体的には?

丹羽:例えば、今回のリニューアルでBTS(スカイトレイン)との連絡通路がで
   きる。外壁が塗り替えられる。でも、セントラルワールドプラザには、
   昔ながらのテナントが並び、空き床も目立つ。特に、多層階にはお客様
   がすくないんだ。おそらく、バンコクで一番良い場所に立地しているシ
   ョッピングセンターなのに。

野田:サイアムパラゴンをはじめ、新設のショッピングセンターとの違いは何
   なんでしょうか?

丹羽:明確なコンセプトと時流にあった店揃えだと思うよ。例えば、新設のシ
   ョッピングセンターの多くは、物販の比率に対して、飲食、サービス、
   レジャー、アミューズメントの比率が圧倒的に高いんだ。日本と同じで
   物販での差別化が難しくなっているのだと思うよ。バンコクもエンター
   テイメント、アミューズメントセンターの時代
になっているということ
   かな。ただ、このエンタメに関しては、日本より圧倒的にバンコクが進
   んでいるかもね。バンコクで圧倒的に流行っているところは果敢にチャ
   レンジしているしね。とにかく、お客様をワクワク・ドキドキさせよう。
   そんな意気込みを感じるよ。

野田:そろそろ、メインのサイアムパラゴンについて教えてくださいよ。

丹羽:もうずいぶん長く話してしまったので、今回はここまで!
   次回は本題の「サイアムパラゴン」について話そう。
   野田君次回もよろしく!!

野田:はい!よろしくお願いします。

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【タイ・バンコク情報−リンク】
写真を見たい方は以下のサイトをご覧下さい。

タイ・バンコク ショッピングセンターリスト “海外で暮らす”
http://www.joint-rent.co.jp/world/bangkok/shopping/index.html

サイアムパラゴン オープンレポート”Bangkok Navi”
http://www.bangkoknavi.com/shop/shop_r_article.php?id=8

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   緊急開催決定!!!
   『タイ・バンコク流通業視察ツアー』!!

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●新スポットが次々誕生するタイ・バンコクを船井総研コンサルタントが
 同行
しながら現地流通業を解説!しかも、現地にて流通業セミナー開催!!
 往復航空チケットに、最高級ホテル宿泊などなど

「船井総研」と「バンコク」すべてを詰め込んだ
視察ツアーパック!!

<見どころ>
1.巨大ショッピングセンター「サイアムパラゴン」視察
2.レジャー・アミューズメント複合施設開発
3.活気溢れる「ナイトマーケット」

<予定>
1.現地開発スタッフによる講演
2.最高級ホテル「マンダリン・オリエンタル・ホテル」宿泊

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■概要■
●日程:2006年4月14日(金) 〜 4月18日(火)[3泊5日]
 成田空港15:00発−タイ・バンコク滞在−成田空港8:00着

●費用:一般¥252,000(税込) 会員¥210,000(税込)

お問合せ:株式会社 船井総合研究所 丹羽(ニワ)・的場(マトバ)
TEL:03-6212-2930 FAX:03-6212-2945 E-mail:info-sc@funaisoken.co.jp
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詳しい資料をお送りいたします。ぜひご連絡下さい。
info-sc@funaisoken.co.jp
※件名に「バンコクツアー資料希望」とご明記下さい。

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【特集】『都市計画法の改正で、出店環境はどう変化する?』

ご挨拶
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ショッピングセンター経営のヒントを日頃ご愛読されている皆様へ

船井総研で長年にわたり店舗開発・物件開発をおこなっております山本で
ございます。
昨年より話題となっておりました、「都市計画法」の改正が2007年中の実施
を目指し、着々と議論が進んでおります。
そこで、船井総研ショッピングセンター支援チーム独自で、法改正の背景、
改正後の行く末を語るために、今回号外を発行する運びとなりました。
皆様のお考えのヒント・キッカケになればと思います。
ご一読し、ご意見ご感想をおよせいただければと思います。

株式会社船井総合研究所
ショッピングセンター支援チーム(リーダー)
山本 匡

ビジネスデューデリジェンス:http://www.business-dd.com/
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ショッピングセンター経営のヒント【号外】:
『都市計画法の改正で、出店環境はどう変化する?』

そもそも都市計画法の改正点とは?

年末から新聞を賑わせている「都市計画法の改正」延床10,000?以上の店舗への
新たな規制です。
大型店の話だから・・・・と考えていませんか。特に地方都市では、これはとん
でもないことになります。大店立地法の比ではないショックです。イオンやDC、
IYなどの大型量販店や商業デベロッパーは現在大騒ぎです。

まず、どういう内容かといいますと、都市計画で定める市街化区域内のうち、用
途地域が「商業」「近隣商業」そして「準工業」の用途以外では、10,000?を超
える大型商業開発は許可しない、というものです。
およそ「市」と名のついているところでは中心街から一定の範囲内が市街化区域
ですが、町や村では無指定ないし市街化調整区域になっていることが多いです。

ですからこういうところでは大型開発ができなくなります。郊外の巨大SC、巨
大ホームセンター、アウトレットモール、全部できなくなります。

次に、市内でも、郊外の幹線道路沿いでの開発がやりにくくなります。商業と近
隣商業はおおむね地方都市では駅と中心街周辺に限られており、郊外ではあまり
ありません。

あるとすれば準工業ですが、ここはほとんどが工場が建っているところです。
準工業で本当に許可が出るかどうかは現在不透明で、大都市圏や政令指定都市圏
は許可が出るが、それ以外の地方都市は許可されないのではないか、など様々な
意見が出ています。

今までの商業施設開発の歴史

大型店は70年代は主として駅前再開発に出店してきました。当時は大店法の商調
協というものがありまして、これがなかなか大変だった。大手GMSや百貨店は、
地元商業者と共同でSCを開発せざるを得なかったのです。

80年代以降、郊外SC開発が盛んになってきてからは「工場跡地」「区画整理地」
がターゲットになりました。さらに、地価の安いエリアを求めて「無指定」
「市街化調整区域」にも進出する事になりました。これらの多くは農地であり、
農業振興地域になっていることが多いため、10年近くかそれ以上の歳月をかけて
開発許可をとり、巨大なSCを建設してきたのです。

この数年で大型SCが開設された土地の用途地域のうち、商業地域と近隣商業地
域の占める割合は1/3くらいです。無指定や調整区域の安い土地こそ、デベロッパー
の錬金術の根幹だったのです。

ところが、そういうわけにはいかなくなってしまいました。

都市計画法改正の狙い

国土交通省はなぜこれを実施するか、そのモデルは欧州にあります。ヨーロッパ
の先進諸国では同様に市街地での開発しか許可しないという方針をずっと貫いて
おり、その結果イギリスや旧西ドイツではすばらしい中心市街地が形成されてい
ます。

ドイツのミュンヘンやシュツットガルト、イギリスのノッティンガムやリーズを
訪問したことがありますが、それはもう素晴らしい中心街です。マークスアンド
スペンサーやポールスミスの発祥の店などがあり、こういう活力あふれる商店街
ゾーンがあるからこそ、新しい小売事業者のインキュベーション(孵化)が可能
なのだと感心しました。
(日本の現実では新規開業者はSCには入れないでしょう?)

まぁ、こういう欧州の都市計画政策は、一方で中心街の大多数を貴族が所有して
いて、その権益を守るという政治的背景もあるのですけどね。イギリスの地方都
市の中心街の賃料を知ってその高さに驚きましたけれど(月坪3万円くらい)。

でも、そういう国情なので、名だたる有力チェーンは皆中心街に店を構えており、
各市のまちづくり会社はそういったナショナルチェーンの誘致活動に精を出して
います。中心市街地そのものが巨大なショッピングモールだと考えていただけれ
ばよいでしょう。

日本も、遅ればせながらそういう街づくりをしていきたいということなのです。

都市計画法改正の煽りを喰らうのは・・・

ともあれ、そうなるかならないかは別として、郊外型巨大SCは開発できなくな
るのです。そうすると困るのは商業デベロッパーと同時に、そこに出店すること
が出店戦略の根幹となっている専門店チェーンです。

延床10,000?の商業施設は、この5年で400件開発されました。この数年では年間
60件というペースです。
このうち、イオンやDCなどの有力デベロッパーの開発したモールは年間10〜20件
程度と見込まれます。

有力専門店もこのデベロッパーの多店舗化にのっかって、お声がかかったら出店
検討をするということで出店できて来ました。しかし、これは今後極端に減少す
る事になります。年間で数件あればよい、という状態になるやもしれません。

ならば、別の場所に出店すればいいではないか。しかしそれは容易なことではな
いのです。新築の物件に出店するには、事前にデベロッパーから一定の評価を受
けてさえいれば面積などの都合をヒアリングのうえ、お互いに商売がうまくいく
ようデベロッパーも配慮してくれます。しかし、既存ビルの空床に入居するとな
るとそうはいきません。建物はすでに建っ
ており、他のテナントもすでに入って
おり、その制約のなかで出店地を求めねばなりません。

いきおい、駅ビルやファッションビルといった都心の優良ビルへの出店アプロー
チはさらに熾烈になってきます。

出店ノルマを背負った有力チェーン担当者は限られた空床を奪い合う事になりま
す。結果として、ナショナルチェーンでなくてもその影響で、はじかれてしまう
可能性が高くなるのです。

大変な変化が訪れます。しかし変化こそチャンスです。

私がこの章でなにを申し上げたいかといいますと

(1)時流変化を見据えた、新しい店舗モデル構築

(2)情報ソーシング先の拡大

(3)許容範囲の研究

この3つです。

皆様はこの状況をどうお考えですか?
次回は、この変化に対応する具体的な方法論について考えてみたいと思います。

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船井総合研究所 第五経営支援部 チームリーダー
山本 匡

今すぐ、経営相談をしたい方はこちらネット経営相談よりご連絡ください。
https://www.funaisoken.co.jp/netmanage/netmanage_8/
※担当コンサルタントを明記してください。

パート社員で見える自店の方向性

ショッピングセンター経営のヒント77:
パート社員で見える自店の方向性

私は長年様々なショッピングセンターのご支援をしております。そのなかで
多くのパート・社員のグループインタビューを実施したなかで、見えたもの
があります。それは・・・

思った以上に自店の利用率が低い。

ということです。自店の利用率の高いパート・社員の特徴は

1.社歴が長い
2.年齢が高い

のどちらかです。

この社歴が長く、年齢の高い方の多くは人間的にも幅があり、持ちつ持たれ
つ(共存共栄)の協調主義であるのに対し、社歴が浅く、年齢の若い方の多
くは明確にお店を使い分ける自由主義なのです。

パート社員でもそうであるのだから、お客様のその使い分けは更に顕著であ
るはずです。明確にお店を使い分けるこの世代に提供していく、商品力と売
場のためにも1年に1度のソフトリニューアルが望まれます。

■ポイント■
1年に2割づつ革新し、5年で一新しよう

●今後のあるべき姿の方向性とは

小売業における差別化要素は

1.価格制
2.利便性
3.希少性
4.独自性

の4つがありますが、専門店は基本的には商品の希少性または独自性のいず
れかで自店の存在意義を確立することが良いのではないでしょうか。また、
この4つのいずれかを選択するのはオーナーのポリシー(店舗コンセプト)
に因ります。

ポリシー(店舗コンセプト)があると、お客様に安心感を与えることが可能
であり、このポリシー(店舗コンセプト)に共感・共鳴したお客様だけが自
店のロイヤルカスタマー(上得意客)になりえるのです。

伸びている専門店に共通するルール
1.共感・共鳴できるコンセプトがある。
2.オリジナルのサービス機能を付加している。
3.顧客を創造できる商品力がある。
4.従業員満足と顧客満足が一体化している。

自店はいかがでしょうか。
「オーナー以上にお店のことを考えている従業員はいない」のです。
もう一度考えてみましょう!

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船井総合研究所 第五経営支援部
丹羽英之

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