競合SCの出店による核店舗の集客力ダウン。それによるテ
ナント専門店の売上ダウンはよくあることです。
しかし、そのような状況の中でも業績を確実に伸ばしている
テナント専門店が多くあるのも事実です。そのようなテナン
ト専門店は小売業の原理原則を知り、時流(今のお客様の買
い方)に合った店づくりに常に挑戦しているのです。
競合SCの出現は既存店舗のやり方を見直す良いきっかけと
なることが多々あります。同様のことがデベロッパー主導の
リニューアルでも言えます。
テナント専門店のリニューアル成功のポイントは、その目的
を明確にするところにあります。リニューアルをしても売上
が上がらない。リニューアル効果が長く続かないという声を
よく聞きます。その多くは、リニューアルすることが目標
(GOAL)となっていて、何のためのリニューアルなのか
が理解・実行されていないのです。
デベロッパーが主導するリニューアルは、増床や床、壁、
天井、外壁の塗り替えといったハード(建物、躯体)が先行
します。しかし、当たり前のことですが、ハードが変わった
だけではリニューアル効果は長続きしません。テナント専門店
の売上が品揃えに左右されるように、SCの売上は店揃えに
左右されるのです。
多くの地元主導型SCがそうであるように、この店揃えに手を
つけられていないことが業績低迷の最大要因といえます。
つまり、オープンして10年が経過して、お客様もオーナーも
お店もみんな10歳年をとってしまっているのです。
いつもと変わらない売場、商品、スタッフ、それはそれで
安心感がありますが、多くの商店街がそうであったように、
劇的に好転することはないのです。
では、どうすれば良いのでしょうか?
できれば、デベロッパーが主導するハードのリニューアルに
あわせて店舗の入れ替えがベストですが、店舗の入れ替えが
あるなしに関わらず、個々のテナント専門店が商品・サービ
スといったソフトのリニューアルに挑戦していくことが大切
です。
つまり、ハード先行のリニューアルをきっかけとして、テナ
ント専門店はお客様に変わったと思ってもらえるソフトリニュー
アル(=店づくり)を目的にすべきなのです。
次回はこのソフトリニューアルの成功ポイントについて
具体的にお伝えさせていただきます。