ご挨拶
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こんにちは。
船井総研の山本匡でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
今回は「SCリニュアルに向けて」の第8弾、
最終回として「経営体制」についてお伝えします。
株式会社船井総合研究所
ショッピングセンターチーム
山本 匡
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ショッピングセンター経営のヒント101:
『SCリニュアルに向けて vol.8 経営体制はこれでいいのか』
SCリニュアルに向けての連載も最終回です。
今回は、SCを経営する体制そのものについてです。
1970年代から協同組合形式によるSC開発が盛んになりました。
80年代には大手量販店をキーテナントとした大型のSCも多数開発され、
90年代には現在にも通用するSCが全国に開発されました。
当時は開発すればそれなりに成果の出る時代でしたので、
各地で成功をおさめる事例が出来上がりました。しかし、10年後、20年後の
現在となり、それらの多くがかかえる問題点は、創業期のメンバーから
代替わりがうまく進んでいないということです。その結果、今後SCを
どのように発展させようか、あるいは手仕舞いさせようかということに関して、
長期的な視点が持てなくなっています。
地元主導SCの多くは、旧来の商店街に替わる新しい立地を自らの手で
創造するために着手されたものでした。それが結果として大きな
不動産開発利益を生むと分かり、不動産事業として発展した会社もありますが、
多くは「自分が経営する店」のためにSCを必要としたところから
出発しています。SC開発は、大変な苦労を伴いますが、やってみて
成功したらこれほど楽しいこともありません。だからこれからも夢は
捨てられない、でももう若くはないので次の世代に期待したいが、
なかなかそういう人材も育っていない、というのが多く見られるケースです。
うまく世代交代が進んで、デベロッパーとしてのマインドあふれる経営者が
率いているSCは発展をとげていますが、実態を見る限り、むしろ
そういうケースのほうが少ないといえます。
そういうSCは、今こそ運営する組合・会社の経営体制を見直す必要があります。
たとえば、資産の売却や運営母体の変更を考える時期にきている地元主導SCが
数多くあると思います。同じ場所で苦しんでいてもしょうがないのですが、
これまで心血注いできたものにどのような割り切りをすればよいものか、
着地点が見つかっていないケースも多々あるといえます。
まだ元気なうちにはいろんな処分方法があるのですが、空き床だらけに
なってしまうとどうにもやりようがありません。SCが元気に生きているうちに
次なる手を考えねばならないのです。
私が過去にお手伝いした事例の中には、保有資産を売却して預かり金を清算し、
組合の役割を賃貸床の確保のみに限定し、組合の運営負担を楽にしたケースも
あります。運営会社の人材を生かしつつ経営体制を変革するには
いくつかの手段があります。現在もそのようなご相談をいただくケースが
多くあります。
事業は起業の時は大変ですが希望に満ち溢れています。一方、
手仕舞いは夢よりも現実を冷静に見つめて考える必要があります。
そういう意味で、元気なときほど有利な出口を見つけやすいということが
重要なポイントといえます。
SCリニューアルについて連載してきました。次回からは新たなテーマに
とりくみたいと思います。