商業施設全体も、専門店も、リニューアルをする理由というのがあります。
多くは老朽化してきたことをそのタイミングとしていますが、
リニューアルで取り組むべきことは
「時代とズレてきている部分をキャッチアップする、可能であれば多少先取りする」ということになります。
コロナで店舗というものの存在感も大きく変化してしまいました。
これまでは高密度に集客する繁盛店こそが正義で
物販も外食も混雑している店ほど正しいとなっていたわけですが、
それを志向することは現在の状況化でははばかられます。
外食もテイクアウト・ドライブスルー対応が急務となっていますが、
物販においてもスマホを活用した「事前接客・販売」に取り組む企業が増えてくると思われます。
店舗においてスタッフの仕事の大半が「この商品はどこにありますか?」という質問への対応になっています。
現実問題としてスタッフを減らして営業している店舗では、店内放送でお客様に
「商品の場所のお問い合わせ等によるスタッフへの話しかけをご遠慮ください」とアナウンスしている店もあります。
今後店舗スタッフを最小人員で回さざるをえない状況が増えてきますし、
店のつくりもそういう取り組みに対応してゆかねばならなくなります。
外食産業においても「提供までにお時間を頂戴します」とはっきりアナウンスしたほうがよいと思います。
これもスマホ対応までは難しくとも、より精緻なフロア案内やデジタルサイネージ、
タッチパネルでの案内などを増やす必要が増えるでしょう。
集客をしないというわけではなく、
「店内滞留時間を減らす=発見~購買決定までのプロセス時間をなるべく短くする」
「買い上げ率を上げる=買うと決めたお客様を集客する
strong>」ことによる密集回避をせざるを得なくなるでしょう。
アナログなやり方でも入口の売場案内、店内の案内表示をより細かくわかりやすくして、
POPも増やしてある程度は対応可能と思えます。
可能であれば、WEBやスマホで事前接客を実施して、店で最終確認だけしていただけるような接客プロセスが理想です。
また、よく質問される商品に関しては「FAQ対応POP」を充実させるとよいと思います。
すべての商品に質問があるわけではなく、違いが分かりにくいなどの一部の商品対応で可能と思えます。
大手スーパーではスマホを活用したレジレスに取り組みつつありますが、
レジ待ちでずらーっと並ばなくてすむようにDX活用のレジシステムを取り入れることも必要になってくると思えます。
業種別に取り組み方は変化しますが、店の魅力(在庫量)をキープしながらも、
より少人数で、より作業量(接客量)を減らした店づくりへの取り組みのためのリニューアル計画が今後のキーポイントになるといえます。
省力化対応、キャッシュレス対応、サイネージの充実、POPの充実など、
接客販売型の業態であっても「よりセルフ化」を志向した店舗づくりが求められるようになります。
これからのリニューアルの検討も、そのような方向性になるといえます。