船井総研の山本です。
商業施設というものは日常的にありふれたものであり万人に親しみがあるものです。
それゆえに勘違いされている部分がとても多く、特に金融機関に誤解されている点が多いです。
筆者が過去に金融関係の方々と協議して驚いたのは以下のような考え方をされている方が多いということです。
・お客さんは来ているので、販促費を削ればコスト削減になるのではないか
→ 集客・売上も減るということが想像できていないようです
・売場が荒れていてひどい、社員にやる気がない
→ コスト削減で人員を減らした結果手が回っていない、原因と結果が逆です
・無駄な在庫を減らせば資金効率が改善する、売り場の見通しも良くなる
→ 在庫を減らせば集客力が落ちて売り上げも下がります
こういった誤った判断のもとに経営されると、
結果的に目先のコストは下がっても売上利益も下がってダウンスパイラルに陥る・・・
そういう失敗を多くの会社が行ってきたにも関わらず、
いまだにそのような誤解が跳梁跋扈しているというのが実態といえます。
もしかして、「ほかに打つ手が思い当たらない」というのが本当の理由ではないでしょうか。
一番目は、販促費の総額は変えずに、より効率的な媒体や手法にシフトしてゆくことが必要です。
広告代理店に丸投げするだけで自分たちで何も考えていなければそれはできず、必死になって調べ考えることです。
二番目は、そもそも立地が悪くて売れないなら撤退するかどうかの判断が必要になり、
そうでなければ投資して攻めの体制に変更するかどちらかの判断が必要です。
そのままズルズルでは徐々に衰退するのみです。
商圏や競合を調べて時期を決めて決断せねばならないことです。
三番目は、在庫の総額を変更せずに持ち方を変えることです。
その店の立地特性や客層・来店目的を入念に調べ、より高粗利で収益が得られる品揃えにシフトしてゆくことです。
どれも書くのは簡単ですが実現するのは容易ではないことばかりです。
過去に弊社がお手伝いした場合においては、
販促担当者を集めての勉強会や、バイヤー研修を実施しながら数か月かけて取り組んでゆきました。
ある程度分かっているがなかなかできないことを本腰入れて取り組まないとならない、というのが本当のところ。
アイデア一発、思い付きでなんとかなるほど甘い世界ではなく、
敵はあまりにも大きく険しいという認識のもとに取り組まねばなりません。
時間をかけられない場合は、外部専門家を活用するのが早道です。