【SC経営のヒント243】:『PDCAサイクルはDoで決まる』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.243 ━ 2010.06.10
船井総研 コンサルタント 丹羽英之 発行
週刊 ☆ショッピングセンター経営のヒント☆
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☆今週のコンテンツ☆
『PDCAサイクルはDoで決まる』
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皆様こんにちは。
船井総合研究所の丹羽英之でございます。
いつもご愛読いただき有難うございます。
PDCAサイクルはDo(実行)が一番大変だと思います。
すばらしい計画(戦略)も実行がなければ、絵に描いたもちになって
しまうからです。
現場を預かるSCマネージャーにとって、いかに各テナントに実行して
もらうか今回はその手法についてお伝えします。
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☆ショッピングセンター経営のヒント☆ 
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『PDCAサイクルはDoで決まる』
船井総研に入社して3年目ぐらいの時に、上司に連れられて九州に
ある地元主導型SCにお伺いていました。
だいぶSCのことがわかりはじめ、夜のオーナー・店長会でも話す機会
が増えたときのことです。
その時は、自分でもはじめてお伝えした提案に手ごたえがあり、出席
しているオーナー、店長の本気を感じ取った瞬間でもありました。
このSCは変わるかも知れないと本気で感じた一瞬でした。
そんな自己満足に浸っているとき、そのSCの開発部長さんから声を
かけられました。そして、事務所に行くと、こんな話をされました。
「今日の話は非常に良かったですよ。でも、彼らは変わらないよ。」
という一言でした。瞬間的に「なぜですか?」と聞いてしまいました。
それからおもむろに、その開発の部長さんが近くにいた3歳ぐらいの
娘さんに声をかけて、「○○ちゃん。アメ欲しい?」と聞きました。
その娘さんがこっくりと頷いたところで、その部長さんは「いくつ欲しい?」
と尋ねたのです。娘さんが3つと手でかざすと、その手に3つのアメを
渡したのです。
その後、娘さんはまだ欲しそうにアメの瓶を見ているのですが何も
言いません。そして部長さんが私に「わかった?」と声をかけたのです。
私はなんのことかさっぱりわからずに「どういうことですか?」と尋ね
ました。
するとこの部長さんが、「こんな小さな子供でも自分が3つと決めたら
それを実行するもんだよ。だから、もう欲しいとは言わないんだよ。」
「ただ、飴玉をあげるといくらでも欲しがるけど、いくつ欲しいかを自分で
決めさせることが大事なんだ。」
「だから、さっきのオーナー・店長会も同じで、何をやるか、いつまでに
やるかをその場で決めさせることが大切なんだ。」
「すばらしい提案をすることはもちろん大切だけど、それが実行され
なければSCは変わらないのだから」と言ったのです。
それは駆け出しのコンサルタントにとっては非常に衝撃的な出来事で
したし、その後のコンサルスタイルにかなり影響を与えた経験でした。
それからは、会の終わりに、今日の話を受けて、参加者には何だったら
取り組めるか、取り組みたいかを書いてもらっています。
そして、できるだけ、その場で発表してもらって共有するようにしてい
ます。こうすることで、発表者の覚悟が決まり、実行の度合いが深まる
からです。
現場を預かるSCマネージャーにとって、いかに各テナントに実行して
もらうかは悩ましいところです。
今日の話がその解決のヒントになれば幸いです。
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発行人:丹羽英之(にわひでゆき)
編集担当:菊池正寛(きくちまさひろ)
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